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榊先生がイライラしているのが分かる。
常日頃から腕を組んでみているのは誰もが周知の事実だ。
だけど、腕に当たっている指が動いているのがその証拠だ
「続きましてS3。
氷帝学園・日吉若
立海大付属・切原赤也」
エース同士の対決・・・というわけ、か
「赤也」
「うぃっす!俺が負けるわけ、無いじゃないっすか」
「頼んだよ」
そう言った幸村君。
「ジャージ、貸して?」
「いいんっすか?」
「勿論」
雑に持っていたジャージを預かると
コートに入って行った赤也君
「ほんと、氷帝も惜しいことしたよな?
あんな出来る優しいマネージャーを敵扱いしてんだからよ」
「・・・っ」
赤也、君
「でも、俺達は乃愛先輩を譲る気もねぇけどな」
「そんなに学校を替わる気もないんだけどなぁ」
「乃愛はいつかどっか行っちゃいそうなんじゃない?赤也にしたら」
「なのかなぁ?」
日吉君も、赤也君もお互いに一歩も引かないこのゲーム
「あ、かや・・・くん?」
よく見ると、目が充血している
「デビル赤也。覚えておくといいよ」
デビル?
悪魔・・・ということ?