15
「これだ」
そう探してくれたのは柳君で
「あ、ありがとう」
「構わない」
電話を掛けると
「なんだ。幸村」
そう言った跡部君の声は元気そうで
「あ、跡部君・・・」
「乃愛か」
「うん。あの、ね?今
立海に氷帝の皆が来ているの。侑君を抜いたメンバーが。監督と一緒に」
その言葉に、ラケットが落ちる音がした。
ということは、彼はテニスをしていたのだろう
「すぐに向かう」
「うん。待ってる」
「それと、乃愛。忍足を名前で呼べるんだったら、俺様の事も名前呼びに戻しやがれ」
そう言って切れてしまった電話
「どうした」
「あ、ううん。何でもない。
これから向かうって。跡部君が」
「そうか」
跡部君の事も名前で呼ぶの、か
「また、無茶な宿題、出すんだから」
「「また?」」
「跡部に何を言われた」
「名前呼びに戻せって言われちゃった」
へへっと笑うと
「笑ってる場合じゃねぇだろぃ」