「そういう乃愛はどうだったんだい？欲しい水着はあった？」

「あー…うん。まぁね？」

見せたい…というか見て欲しかった本人は今は海ではしゃいでいるけど

「丸井かい？」

「！？」

「分かりやすいよね。本当」

そんな分かりやすいあなぁ？あたしって

「月渚の方が分かりやすいと思うんだけど」

「月渚？まぁ分かりやすいけど乃愛の方が分かりやすいよ。俺からしたら」

そうなんだ？

「乃愛」

「お帰り月渚」

「ただいま。変わるから行って来たら？」

そうだねぇそろそろ2人にしてあげよう
パーカーのまま行こうとしたあたしに

「あ、パーカー脱いでいきなさいよ」

「えー嫌だよ」

「何のための水着よ」

チャックを降ろされバサっと月渚に脱がされたパーカー

「うぅ」

「アイツらまでしっかり見てんじゃんか」

何かを話している様子のブン太と雅治

「ちょっと来い！」

ブン太に腕を引かれ歩く事数分砂浜だから歩きにくくてしょうがない
岩陰に来たあたし達

「ブン太…？」

「お前…っこん、こんな水着だなんて聞いてねぇぞ！」

うん？だって言ってないもん
後ろの岩に背中があるあたしに対して前にいるブン太

「ちょ…っ」

首や胸元に顔を近づけてくるブン太

「やめ…っ」

「これでいいだろぃ」

恥ずかしさで顔面が赤くなっているのが分かるあたしとは正反対にすごく嬉しそうなブン太の姿

「おー。そうだ」

ブン太は自分の着ていたパーカーを脱いであたしに掛けて来たと思ったら

「それ、着とけよぃ。俺以外の前で、そんな水着見せんじゃねぇ」

それ…って恥ずかしくて下を向いていると