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その日の夜、久しぶりにアークエンジェルと連絡を取り合っていたあたし
「艦長!」
「「うん?」」
「ダーダネルスで天使を見ました。また会いたい
「ミリアリア?」
「ミリアリアさん?」
「赤のナイト?」
カガリにはそれが分かったのだろう
「アスラン」
「う~~ん…」
「これって」
「ターミナルから回されてきたものなんでしょう?」
「はい」
「ダーダネルスで天使を見たって」
「ミリアリアもあそこにいたって言うこと?」
「彼女今はフリーの報道カメラマンですからね。来ていたとしても不思議ではありませんが」
「アスランが…」
「アスランが戻って来ているんだ」と喜んでいるカガリには悪いけど
「プラントからか?さぁてどうする?キラ」
「ミリアリアの言うアスランが戻って来ているとして、赤のナイト、っていうのはザフトの赤服の事だとしたら?」
「な!?」
「ユキ!」
「だってそうでしょう?プラントへ上がっていったきっりオーブにも戻っていない。日本基地にも来てはいない。それにアスランだったらこのアークエンジェルに戻ってくることだってできるでしょ?それがないという事はザフトに戻っている可能性だってあるって言うこと、忘れない方がいい」
「確かにユキのいう事も一理ある」
「え?」
「誰かに仕掛けられちゃ、なかなかシャレた電文だがな」
「そうですね」
「でもミリアリアさんの存在なんて」
「あれ?でもミリアリアって」
「あぁ、彼女自身は知って居るはずですがね」
「そうよね。アークエンジェルへの連絡方法は」
「あっ」って言ったカガリと「キラ?」と不安そうな声を出したラクス
「会いましょう」
「それでいいのね?」
「アスランが戻ったのならプラントの事も色々と分かるでしょう?」
「う~ん…」
「でもアークエンジェルは動かないでください」
「え?」
「僕が1人で行きます」
「「え?」」
「大丈夫、心配しないで」
「キラの心配しないでが1番信用できない。当然アスランだって同じことよ?」
「私は一緒に行くぞ」
「え?」
「いや、あの…」
「ごめんキラ。カガリをお願い」
「え?」
「こう言いだしたら聞かない事はあたしはよく知ってる」
「いいよ。じゃ、僕とカガリで」
翌日に合うという事でコンタクトをとったらしい2人は早々に普段着に着替えていて
「まぁ、キラの事だし多少の無茶は今に始まった事じゃないかもしれないけど、カガリの事よろしく」
「うん」
結果がどうであれ、そこはキラとカガリに任せたあたし
「ユキさん」
「大丈夫よラクス。キラはきっとラクスの所に戻って来てくれるから」
「そう、ですわね…」
数日後
「ユキ」
「カガリ?」
「すまないが」
うん?
「1度アークエンジェルに合流できるか?」
「え?」
「ラクスと、バルドフェルドから頼みたい事があるらしい」
「ラクスが?」
「あぁ」
「構わないけど、そうね…」
2、3日は確実に合流は出来ない。そう伝えると
「ならそこら辺で僕が迎えに行くよ」
「待ってる」
連絡を切ったあたしはそのまま外に出ると
「よっ」
そう片手をあげて声をかけて来たのは萩原さんに松田さんだ
「まだお仕事ですか?」
「いや」
「終わって帰ってる最中だ」
あ、なるほど
「だけど、何だってお前こんな時間に出歩いてんだよ」
「確かに。高校生でも出歩いちゃいけない時間だろ」
「夜風に当たりたかっただけですよ」
「あ?」「え?」
「ここは平和な国なので、こうやって夜遅くに出歩いてもなんとも」
「その考えは捨てとけよ」
その考えは捨てておけ?
「どういう」
「この米花町は、わりといやかなりな頻度で事件が起こってる町だ。いくらお前が平和だと思っていてもお前も女だ」
「そうそう」
いつの間にか背後に来ていた萩原さんに腕を掴まれ身動きが取れなくなってしまったあたしに
「こうやって掴まれたら一巻の終わりだろ?」
「そうかもしれないですね」
「え?」
「これが外だからと言うだけの話です。あの基地で同じことをした段階で今度は貴方方に銃口が向けられますよ」
「へぇ」
「まぁ、暫くは学校も半日で終わる予定だし、その後の方があたしも忙しくなりますしね」
「忙しいんだ」
「えぇ。まぁ日本にはいるんですけどね」
「日本にいるのに忙しいんだ」
「そうなんです。ちょっと、オーブの仕事関係の事でいろいろと」
「基地まで送ってやるから帰れ」
「大丈夫ですよ」
「本当、自分が何を言っているか分かってる?」
「えぇ」
きっとあたしの返答が気に入らなかったんだろう。「はぁ」とため息をついた2人は
「本当はアイツの妹だしこんな手荒な真似はしたくないんだけどな」
手荒な真似?意味が分からない。なんて思っていると、ドンと壁と萩原さんに挟まれてしまったあたし
「え?あの」
「君はもう少し大人の言うことを聞いた方がいい」
「何言って」
「君は大丈夫かも知れない。でも君はまだ高校生で、ここにいるのはまだ
「!?」
「俺から抜け出せたとしても、俺の後ろには松田もいる」
「そうですね」
「どうやって抜け出すつもりだい?」
たしかに、どうやって抜け出そう
「これは…確かに無理ですね」
「だろ?」
少し離れてくれた萩原さんは
「だったらもう少し、俺達の言う事も聞いてくれるな?」
「仕方ないですね」
「「仕方ないねぇ」」
納得のしてなさそうな男2人に免じて今日は帰ろう。と引き返すと後ろからついてきた2人
基地には言ったあたしを見て
「あまり夜遅い時間に出歩くなよ」
「出歩くなら誰かに連絡してくれれば付き合える時には付き合うからさ」
「ありがとうございます?」
「スマホかしてよ。仕事用じゃなくて、個人用のさ」
「!?なんで知ってるんですか。あたしがスマホ2台持ってること」
「安室が言ってたからな、ポアロでスマホ2台持ってたってな」
うっわぁ最悪
「これですよ」
そう出したのは、個人用のスマホに萩原さんと松田さんが登録をしていて、その割には松田さんは何故か時間がかかっているようだけど
「ほらよ」
そう返されたスマホには
「俺達だけじゃなくて、安室と緋色の連絡先も入れてある」
「勝手に入れても平気なんですか」
「あいつ等にはこの後合うからその時に言っておく。それと同時に」
「あの2人にもキミの連絡先を教えておくから」
「勝手にどうぞ?出るかどうかは分かりませんけど」
「それでも、何かあった時の連絡手段にはなるだろ」
連絡手段…ね
「本当に何かあれば連絡はしますよ。無いに越したことはないですけど」
「それは俺達も同意見だ」
「じゃ、お休みなさい」
「あぁ」
「お休み」
基地の中に入ると
「ユキ様」
「うん?」
「オーブ軍が」
そう基地の人間に言われた衝撃は今も同じだ
「クレタに展開?」
「はい」
「すぐにアークエンジェルに連絡を取るわ」
「はい」
アークエンジェルに連絡を入れると
「ユキ」
「聞いているわ。オーブ軍がクレタに展開するって言うこと」
「あぁ」
「でもという事はやはりまたミネルバを?」
「えぇ。確証はないですが、ターミナルもそう考えるのが妥当だろうと」
「ミネルバがジブラルタルへ向かうと読んでの布石か」
「可能性はありますね。1度はカガリを乗せてくれた船とはいえ」
「えぇ」
「連合も躍起になってますね」
なんて話している中戻ってきたキラ
「どうしたんです?」
「ミリアリア」
「お久しぶりです」
「元気?エルスマンとは?」
「フッちゃった」
ピーピーと鳴った場所にはカガリも乗っている
カチャカチャとしてくれたミリアリアは流石だとおもう
「暗号電文です。ミネルバはマルマラ海を発進」
「「あ…」」
「南下」
「ん…」
「これで決まりね」
「えぇ」
「オーブ軍はクレタでもう1度ミネルアbとぶつかるわ」
「行きましょう」そう言ったキラは何か吹っ切れた様子で
「キラ?」
「ユキにも後でちゃんと話す」
「え?あぁうん」
「ラクスも言ってただろ?『まず決める。そしてやり通す』」
「うん?」
『それが何かを成すとき唯一の方法ですわきっと』
「キラ…」
「だからキミは行かなくちゃ」
「そうね。お父様の遺志を継いでいるのは今はこのアークエンジェルにしかいないもの」
マリューさんとノイマンさんが目で合図をすると
「アークエンジェル発進準備を開始します」
「カガリ」
「ユキ?」
「あのバカにはあたし、牽制をかけているから。好きなようにカガリの思うように動いて」
「あ…」
ミリアリアもカガリの肩に手を置いてくれている
「どいて」「
「え?」
「あなたには他にやる事があるでしょう?ここには私が座る」
「ミリアリア…」
「貴方がそこに座ってくれるのは心強いけど」
ミリアリアがそこに座ると
「でもいいの?せっかく…」
「えぇ。世界もみんなも好きだから写真を撮りたいと思ったんだけど、今はそれが全部危ないんだもの。ユキだって遠い国からこうやって守っているんだもの。だから守るの、私も」
「え?」
「ミリアリア…」
「そう、ありがとう」
その後、別件でキラからのコンタクトが入って
「どうかしたの?」
「さっきの話したい事」
「あー、言ってたね」
「赤のナイトはやっぱりアスランだった」
「へぇ」
「そして、ザフトに戻ってた」
「嫌な予感的中しちゃったわけだね?」
「そういうこと」
「悪いけど、カガリの事もお願い」
「え?」
「あたしも暫くしたらエターナルに行くことになっているから」
「あ、そうだったね。分かった」
基地の画面にはオーブ軍の戦闘が映し出されている
あたしたちの願いも又虚しくカガリの言葉は届いていない様で
指導者がユウナ・ロマだと言ったオーブ軍
タケミカヅチに連絡を入れると
「ミネルバを落とすのでしょう?ならば行かねば」
そう言ったトダカの声が聞こえてきて
「やめて!」
「ん?」
「あなたたちが今、どこを撃とうとしているのが何か、本当に分かって居るの!?」
「ユキ様?」
「わかっている!」
「分かって居るのなら、こんな戦闘は無意味だと何故気付かないの!?」
「この戦闘の指揮はユウナ様でありますから!」
「あなたたちは、オーブの理念すら忘れてしまったの!?」
「何!?」
「それとも、あたしやカガリはまだ子供だと、そう言ってお父様の言葉ですらも無視してオーブが焼かれても!自分たちが無事なら!其れで良いと!本気でそう言っているの!?」
「ユキ…」
「これが」
「ん?」
「これが最後のチャンスよ。ユウナ・ロマなんてどうでもいい。むしろこの戦場で死んだって構わない」
「な!?」
「だけど!お願い、タケミカヅチのクルー全員避難して」
==
「アスラーーン!」
「仕掛けてきているのは地球軍だ!じゃあお前たちはミネルバに沈めというのか!?」
あの戦闘のさなかキラの乗っているフリーダムはアスランの乗っているセイバーと交戦している
「どうして君は…」
「だから戻れと言った!撃ちたくないと言いながら何だお前は!」
「カガリ!」
「キラ!」
ルージュを追うフリーダムにフリーダムを追いかけるセイバー
「分かるけど…君の言う事も分かるけど…でもカガリは今泣いているんだ!」
「ン…っ」
「カガリもユキもこんなことになるのが嫌で、今泣いているんだぞ!なぜ君はそれが分からない!?なのに、この戦闘も、この犠牲も。仕方がないことだって…全てオーブとカガリとユキのせいだって…そう言って君は撃つのか?今、カガリとユキが守ろうとしているものを!」
「な…キラ…」
「なら僕は」
そう種が割れたキラは
「君を撃つ!」
「えぇ?」
==
画面越しに映し出されているのはフリーダムとミネルバの新しい機体だろう
「やっぱりフリーダムが優勢か」
そう呟いた矢先、ミネルバの最新機がフリーダムに大破させられていて
連絡を繋いだ状態でいたあたしに
「何をやっているんだ!トダカ!これでは…」
「ユウナ様はどうぞ脱出を…」
「何言って…」
「総員退艦!」そう言ったトダカの声が聞こえている
「駄目…ユウナを置いて、トダカが退艦して…!お願いよ!」
「ミネルバを落とせとのご命令は最後まで私が守ります」
「えぇ」
「艦および将兵を失った責任も全て私が!」
「えぇ!?」
「これでオーブの勇猛も世界中にとどろく事でありましょう!」
投げ飛ばした音が聞こえたタケミカヅチの内部では
「総司令官どのをお送りしろ。貴様らも総員退艦!これは命令だ!」
「だめ!その中にトダカもいてよ!」
「ユウナ・ロマではない。国を守るために!」
「はい!と言ったクルーたちの声が聞こえている
「トダカ!」
「すまないユキ」
その声はかつてあたしを拾ってくれた時の声だ
「これからのお前を見届けることは出来そうにない」
「いや…っお願い、
「私は残らせていただきます!」
「駄目だ」
「聞きません」
「駄目だ!」
「パパ!」
「これまでの責めは私が負う。貴様はその後だ!」
その言葉は、2年前の戦争の時に言っていたお父様の言葉とほとんど一緒だ
「既にない命と思うのなら、思いを同じくする者を集めてアークエンジェルへ行け!」
「ならパパも!」
「それがいつかきっと道を開く!」
「トダカ一佐…」
「頼む…私と今日無念に散った者たちの為にも!ユキの為にも!」
内線越しに泣いているあたしの声はきっともう届いていない
『お前、親はどうした?』
『オーブの理念を守れるのならここに住めばいい』
『オーブの代表だ』
『今日から代表がユキの父親になる』
『お前はどこに居ても、私はお前のもう1人の父親だ』
大きな爆発音と同時に内線が切れてしまった
「いやあああああ!!」
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