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あれから数カ月
「カガリ」
「ユキ?」
「あたし、明日日本へ出立するわ」
「随分と急だな」
「特別急いでいるわけではないのだけれど、やっぱりオーブにいると日本には行きたくないと思ってしまう自分がどうしてもいるのよ」
「そうか」
「カガリも明日にはアスランと一緒にプラントへ行くのでしょう?」
「あぁ」
「気を付けて」
「お前もな」
そう言ってくれたカガリは
「ラクスやキラ達には」
「カガリから伝えてくれる?あたしはもう出立したと」
「それでいいんだな?」
「えぇ」
「分かった」
翌日
「おはよう」
「おはようカガリ、アスランも」
「あぁ。だがキラたちに何も言わないで行くのは」
「だってきっと子供たちが泣いちゃうでしょう?」
「そうかも知れないが」
「だからこれで良いの」
そういったあたしがきっとこれ以上何も言わないと分かったからこその判断だろう
「じゃあカガリ達も気を付けて」
「ユキもな」
「えぇ。何事もないことを期待したいけれど、何かあれば日本基地で待って居るわ。オーブ軍は受け入れを拒否しないと決めているから」
「そうか」
カガリとアスランを見送ると、あたしも行政府に止められた飛行機で出立する
「カガリたちが馬鹿な事を考えなきゃいいのだけれど」
飛行機の中で寝ていたあたしは他の人間に起こされるまで寝ていたようで
「あ、ごめんなさい」
「い、いえ。お疲れの様でしたし。コレもこちらに置いておけとカガリ様からの伝言でして」
「そう」
飛行機から降りると、やはりオーブとは違った空気をしていて
「今日からこっちでの生活になるのね」
「はい」
明日からは本格的に学生生活にもなってしまう。面倒な事だけど仕方がない
「カガリたちに何もないといいのだけれど」
「同感です」
翌朝、真新しい制服に袖を通すと
「お似合いですよ夢姫様」
「嬉しくないわ。軍服を着ている方がまだマシ」
「そう言わないでください。ウズミ様が生前に残されていたのです」
「お父様?」
「はい。ユキをこの日本基地にやる時には、普通の学生生活をさせてやりたいと。オーブではすでに軍人として育てられてしまっているからと」
「そっか」
あの時お墓参りに行って来て正解だった様ね
「じゃあ行って来るわね」
「お気をつけて」
学校に着くと、時期も時期なのか物凄くガヤガヤしているのが目に見えてよく分かる
「おいおい」と言った先生に
「構いませんよ」
「え?」
「自己紹介なんてするだけ時間の無駄なので」
「お前な…」
「でも名前くらい教えてくれたっていいんじゃないか?」
「そーよ!」
なんて言っている女の子2人。1人はカガリとよく似たタイプか
「だ、そうなので悪いが」
「はぁ…」
「(すっごいため息だな)」なんて思われているなんて思ってもいなかったが
「ある程度聞かされているかとは思いますが、オーブ連合首長国から来ました」
「オーブって」
「どこだ?」
「大分前にテレビに映ってた国か?連合に入らなかった」
大分前…ね
「まぁオーブにも国籍があると言うだけで、ちゃんと日本にも国籍はありますので」
「は?」
「多国籍?」
「そうなりますね。日本名では『降谷夢姫』と言います。以後お見知りおきを」
カガリが今、プラントでどんな話し合いをしているのか。なんて容易に想像できるけど、あのプラントの議長のくせの悪さもどうにかして頂きたいけどね
「降谷さん?」
「え?あぁごめんなさい」
「いいが、席は世良の隣だ」
セラ?
世良と呼ばれた子は女の子で
「宜しくな」
「こちらこそ。話し方が男の子っぽかったからちょっと驚いたけど」
「よく言われるんだ」
「そうなの」
「あぁ」
「でもでも」なんて言って来た女の子は
「よくそんな危ない国にいたのに」って言うもんだから驚いたけど
「いたんじゃない。今も現在進行形でまだオーブに国籍もあるけどね」
「「え?」」
「あたしはお父様に2年前から言われていたもの。日本基地に在籍して欲しいってね」
「それで日本に?」
「そうよ?たしか3、4歳まで日本にいたけれど、あの時とは何もかもが変わってしまっているもの」
「へぇ」
その点、オーブはそこまで変わることもなく生活が出来ている。ただ、あたしとカガリの行く道が違ったと言うだけで
「それに」
「「それに?」」
「オーブで育ててくれたあたしの父は、2年前の戦争で、守り切れなかった責任を自ら負って亡くなったわ」
「「!?」」
「貴方達の言う大分前とあたし達オーブの人間の大分前は時差があるようだけれどね」
「マジかよ」
「本当よ?」
「2年前の事を、大分前だなんてあたし達はまだ誰も言えていない」
「な!?」
「言ったでしょ?あたしはまだオーブに国籍があると。現にあたしはこの日本でオーブ軍の日本基地も任されているわ」
「な!?」
「そんな危ない所!」
「そういう場所にあたし達オーブの人間は身を置いているの。2年前の戦争の時にはすでに戦艦にもあたしは乗っていたし、要望があればすぐにでも動けるようにしとかなくちゃいけないのも事実」
「へぇ」
学校が終わると「ちょっと付き合ってよ」そう言った彼女に連れて来られたのは
「ポアロ?」
「そう、ここのスイーツとコーヒーが絶品なのよー!」
へぇ
なんて思いながら入ると
「おや」
「あら、今日は新しいお客さんも一緒なの?」
「そうなんです。今日転校してきたばかりの子なんです」
「へぇ」
「随分と時季外れなんですね」
「そうなんですよ。驚くしかないですよね」
「そうねー。あなた、名前はなんて言うの?」
「降谷です。降谷夢姫」
そう言ったあたしの言葉に驚いたのは金髪の男性
「そこまで驚きます?」
「あ、いや」
「でも以前どこかでお会いしました?」
「いいえ。今日が初めてですよ」
そうだよなぁ…
なんて思っていると、スマホには基地から連絡が入って言えt
「もしもし」
「ユキ様、大変な事が起きたと」
大変な事?
「プラントのしかもザフト軍の基地で」
「カガリでも狙われた?」
「いえ、それが」
説明をされたあたしにとっては面倒この上ない
「何事も無ければいいのですが」
「止めてよ。縁起でもない」
「え?」
「ザフトの戦艦に乗って居るってだけでしょ。ウチの国家元首を誘拐だなんてアスランがさせる筈がないじゃない」
「ですが」
「何かあればあの2人から直でコンタクト取るわよ」
「分かりました」
電話を切ると
「何だか凄い会話だったのがよく分かるけど、国家元首って」
「オーブの代表の事ね。あたしよりも2つ年上なんだけど、育ててくれたお父様が同じ、アスハの人間でね。娘2人の何方かに告いで貰うって考えだったみたいだけど、あたしには向いてなくてカガリに丸投げ」
「それって」
「大丈夫よ?本人も気づいていたみたいだからね。だから2年前の時にはすでに話を決めてあたしは軍人として、カガリは行政府の人間としての道を決めていたからね」
「うっそぉーん」
「本当よ」
紅茶とお勧めのケーキを食べた後、帰り際
「貴方に話があるのですが」そう言って来たのは金髪の男の人だ
「安室さんが女性に声をかけるだなんて初めてじゃないですか?」
へー、そうなんだ
「申し訳ないのですが」
「後々にすると面倒になるのは貴方だと思いますが」
あ、コレ拒否権ないパターンかな
「分かりました。あなたの終わる時間にまた」
「いえ、ここで待って居て欲しいのですが」
「は?」
まぁ別にいいけど。帰ってからする仕事は今日の分はない。少しくらい遅れても平気だろう
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「お待たせしました」
あの後女の店員も帰って行ったという事はそんな時間まででは無かった。という事だろう
「いいえ」
カランカランと開けて入って来たのは
「へぇ…」
「いつぞやの!」
「てめ…!」
「誰だ?」
4人とも違う反応だけれど
「ゼロこれは一体」
「蘭さんが連れて来てくれたんだよ。今日から帝丹高校に通うらしい」
「へえ、帝丹に…」
「あんとき言っていた言葉は嘘じゃねぇってか」
「嘘を言って得をする人がいるのであれば、普通に言いましたけどね」
「それは一体どういうことだい?」
「そのままの意味なのでは?」
本当にそろそろ帰りたい…
「でも前回会った時からすでに1年たっているけど」
「そうですね。あたしには物凄い忙しい1年でしたけど」
「あ?」
「物凄い忙しいってどんなだ?」
「コイツらも連絡が取れないくらい忙しい2人だけどよ?」
「その忙しさは分かりませんけど」
そんな中ピピピと鳴ったあたしのスマホ
「出てもいいよ」
「どうも」
スマホから電話に出ると
「はい?」
「今、ミネルバというザフトの最新の戦艦に俺とカガリが乗っている」
「いやいや、議長に会いに行っただけで何がどうなって戦艦に乗るのよ」
「ザフトの最新の機体が何者かにダッシュされてる」
「その場にいたと」
「そういう事だ」
最悪…
「また何かあれば連絡をするが」
「何もないことを期待したいけど、まぁ無理でしょうね」
「だろうな」
ミネルバはザフトの最も新しい戦艦。それが出て、アスランやカガリが乗っているのであれば
「ま、何かあれば連絡してよ。オーブの戦艦動かすことくらい直ぐにできるから」
「助かる」
電話が切れたかと思えば
「お前」
「本当に高校生か?」
「なったばかりですけどね。一応は高校生ですよ」
「けどなぁ…今の会話はどう聞いても」
「高校生の会話には聞こえないんだよな」
「あー…だって高校生って言うのは、こっちの事であって、学校さえ出てしまえば制服を着ていてもほぼオーブの関係者の人間ですからね」
「え?」
クスクスと笑っていると
「今の電話は国家元首のボディーガードですよ。あたしと同い年の」
「な!?」
「そして元軍人。まぁ一応は今も軍人ではありますけどね」
「え?」
「その彼はオーブ軍の人間でもある訳ですよ。彼もまたあたしやオーブの代表と同じく大切な人を2年前に亡くしている人間ですからね」
「は!?」
まぁこれ以上何事もないといいのだけれど、きっとそうも行かないのが現状なのかもしれない
それと同時に暫くはザフトの船の中。ということかぁ…あたしに回ってくる行政府の仕事が増えそう…メンドクサイ
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