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アークエンジェルに乗っているクルー全員が揃っているのも中々にすごい事だけれど
「現在、このオーブに向け地球連合軍艦隊が進行中です」
「えぇ」と言ったクルーたちのどよめきが聞こえて来ているのが痛いほどわかる
「地球軍にくみし、ともにプラントを討つ道を取らぬと言うのならばオーブ首長国はザフト支援国家と見なすと、それが理由です」
「なんだ、そりゃあ…」
カガリも何とも言えない顔をしているけど
「オーブ政府は、あくまで中立の立場を貫くとし、現在も外交努力を継続中ですが」
「残念ながら現状の地球軍の対応を見る限りにおいて戦闘回避の可能性は非常に低いものと言わざるを得ない状態です。オーブは全国民に対し都市部及び軍関係の施設周辺からの退去を命じ、不測の事態に備えて防衛対策に入ります」
「我々もまた道を選ばなければなりません。現在アークエンジェルは脱走艦であり、我々自身の立場も定かでない状況にあります。オーブのこの事態に際し我々はどうするべきなのか、命ずる者もなく、また私もあなた方に対しその権限を持ち得ません」
そりゃ艦長からそんな風に言われたら誰だってどよめくに決まってるか
「回避不能となれば、明後日0900、戦闘は開始されます。オーブを守るべくこれと戦うべきなのか、そうではないのか我々は皆自身で判断せねばなりません。よってこれを機に艦を離れようと思う者は、今より速やかに退艦しオーブ政府の指示に従って非難してください」
その言葉に余計にどよめきが走っているクルーたち
「私のような頼りない艦長にここまで付いて来てくれてありがとう」
一度解散となったクルーたちは自分自身で決めるべく悩んでいる者も居るだろう
「ユキ」
「いいよ、カガリ。行っておいでよ」
「悪い」
そうは知って言ったカガリを見届けると
「お前は良かったのか」
「全然。言ったでしょう?あたしは残るからって」
「そうだが」
「いつになるか分からない次の任務もあたしには入れられているしね」
「は?それは、初耳だが」
「あたしもお父様からついさっき聞かされたもの」
「そうか」
「ちょっと部屋で休んでくる」
「あぁ」
「何かあったら教えて」
「分かった」
部屋に戻るとお父様に渡された写真を見て、その写真には金髪の男の子と一緒に写っているあたしの写真。そこには『降谷零』&『降谷夢姫』と書かれている
「うっすらでしか覚えていないのに…」
いつかは分からないその日になれば調べられるのかな…彼の事も
==
CICに座っているあたしに驚いているのはラミアス艦長で
「え?なんで」
「指揮系統はカガリに任せているの。あたしはこっち側の人間」
「そう」
「オーブ軍戦闘開始しました!」
「アークエンジェル発進します!」
発進し始めたアークエンジェル
「例の捕虜は」
「すでに釈放しているわ」
「そう」
オノゴロに大型のものが近づいていて
「キラ・ヤマト、フリーダム行きます!」
そう聞こえてきてすぐにキラが出て行って、その直後にストライクも出て行っている
「ストライクも、戻ったのね」
「えぇ」
戦争が加速する中、当たるかもと思っていたミサイルは当たって来ず
「え?」
「バスター?」
「え?」
オノゴロにある浅瀬には確かにバスターが立っている。という事は釈放したザフトの捕虜が乗っているのだろう
「とっととそっから下がれよアークエンジェル!」
「あいつ、なんで?」
「さぁ」
戦争が加速している中バスターと言う加勢もある中での攻撃だ
「何?あの機体」
「え?」
「フリーダムの前に…」
あれもザフトの機体?
艦長支持の元アークエンジェルも頑張っている
信号弾を撃たれていて
「え?」
「取り合えず、フリーダムとストライク、それとバスターを」
「えぇ」
アークエンジェルの中に3機を戻すと
フリーダムの前にいた機体も中に一緒に入れて
「ユキ」
「知り合い…なんでしょ?」
「あぁ。昔の友人らしい」
らしい?
「そう。少し話す時間があってもいいのかもしれないわね」
「あぁ。お前はどうするんだ」
「ちょっとお父様と話をしてくる」
「珍しいな。ここ最近よく話をしているじゃないか」
「まぁ色々とね」
色々は色々だ
部屋でお父様に連絡を取ると
「お前たちは無事の様だな」
「一応は、ですが。バスターをアークエンジェルに収監しています」
「いいのか」
「味方にいてくれると頼もしい軍人の人間ですから」
「そうか」
「お前にもカガリにも
「それは構いませんよ?あたしは」
「じゃあまた。いつまた攻撃されるかもわからないので」
連絡を切るとメインブリッジに入ると、既に攻撃を開始された後の様で
「会談要請も拒否。敵だと見なせば言葉も聞かないわけね」
フリーダムが出た途端に
「フリーダムが狙いなわけか」
やりたい放題に狙っている事は目に見えて分かって居る
戦闘を開始して暫くしてから
「お父様?」
「ウズミ様?」
「何かあったの?」
「離脱命令?」
「えぇ。お父様からよ。アークエンジェルは直ちに戦線を離脱しカグヤへ降りろと」
「「カグヤ?」」
「オーブのマスドライバー施設よ。ザフトにも、連合にも渡したくない施設」
宣戦を離脱したアークエンジェルをカグヤのマスドライバー施設に誘導すると、すでにお父様が待って居て
「お父様」
「ユキ、ラミアス艦長。これを以てオーブを離脱せよ」
「オーブを離脱?我々に脱出せよと、そうおっしゃるのですか?ウズミ様」
「貴方方にももうお分かりであろう。オーブが失われるのももはや時間の問題だ」
「…っ」
「お父様何を!ユキも何か」
あたしの方を見て来たカガリには何も言えないでいると
「人々は避難した。支援の手もある。後の攻めは我らが負う」
「「!?」」
「あ…」
「…っお父様…」
「…が、たとえオーブを失っても、失ってならぬものがあろう。地球軍の背後にはブルーコスモスの盟主、ムルタ・アズラエルの姿がある」
「「あっ…」」
あの2人は何か知って居るのかもしれないけど
「そしてプラントも今やコーディネーターこそが新たな種とするパトリック・ザラの手の内だ。このまま進めば世界はやがて認めぬ者同士が際限なく争うばかりのものとなろう。そんなものでよいか?君たちの未来は。別の未来を知る者なら、今ここにある小さな明りを抱いてそこへ向かえ。またも過酷な道だが分かってもらえような?マリュー・ラミアス。ユキ・リリー・アスハ」
「あの時話した時に覚悟を決めたと思っていたのに…こんな事になって欲しくないと思っていたのに、思っていること程こそ残酷な選択をしなくてはいけないのですね。お父様」
「すまないな」
「小さくとも強い灯は消えぬと私たちも信じております」
「では、急ぎ準備を」
カガリの頭を撫でた後、キラを見たお父様。そしてあたしの頭を撫でてくれている大きな手をこの先感じることは出来ないのだと感じ取ってしまったあたし
「ユキ」
「お父様」
「お前に日本基地を任せたぞ」
「え?」
「日本にユキのキョウダイもおる」
日本にキョウダイ…ね
「無事に帰って来るとよい」
メインブリッジに戻って来ると
「クサナギの予備ブースターを流用したものだが、パワーは十分だ。ローエングリン斉射と同時に全開に。ポジトロニック・インターフェアランスを引き起こしそれでさらに加速する」
いろいろと準備を進めている中、連合もモビルスーツを出してきていて
「ラミアス殿、発進を!」
「分かりました。キラ君?」
アークエンジェルも発信準備をスタンバイすると
「ローエングリンスタンバイ」
敵もこうなるとなんて考えていなかったのだろう。フリーダムにジャスティスと交戦している連合の機体3機
「下を見ると泣きたくなっちゃうわね」
「ユキさん」
クサナギも飛び立った瞬間マスドライバー施設は爆発をしてしまい
「あ…っ」
「お…お父様ーーーっ」
CICに座ったまま崩れ落ちたあたし。きっとクサナギに乗っているカガリも同じだろう
==
「クサナギのドッキング作業完了した」
「カガリさんは?」
「大分落ち着きはしたが、色々あってな。泣くなとは言えぬよ今は。それはユキにも同じことがいえるだろう」
「えぇ」
「あの嬢ちゃんが泣き崩れる所初めて見たな」
「カガリが泣き崩れることはそうそうないのだが、ユキはちょっと待遇が違くてな」
「え?」
「ユキは4歳の頃にオーブで1人でいる所をトダカに保護されウズミ様の養女と鳴った経歴の子なのだ」
「「養女…?」」
「ユキさんが?」
「あぁ。本来の読み方は『ふるやゆき』と当時言っていたが」
「そう」
「それでも10年という歳月をアスハ家で過ごしているんだ。あの子だってウズミ様を本当の父親の様に感じていただろう」
「そうだよな。そんな人が責任を負って自決しちまったんだもんな」
「あぁ。だから泣くなとは言えんのだよ、今はな。肝心のユキは」
「部屋に戻しています」
「そうか」
==
部屋の中でベッドの上で膝を立てて座っているあたしには誰にも会いたいとは思わなかったのに
「ユキ」
「カガリ…」
中に入って来たカガリに
「あの時言っていたお父様の言葉に覚悟はしていたつもりだったけれど、それでも流石に目の前で鳴ってしまうと流石に…」
顔を洗ってブリッジに戻ると
「ちょっとユキ!」
「大丈夫なのかい?」
「なんとなく…ね」
