「キミたちもこの人たちと一緒に出て行く支度をしておくといいよ」

「え？」

「どういう…ことでございますか…っ悟様！」

「あの部屋には俺から絶対に入るなと伝えていた部屋だ。それを俺の許可も無く使用人同士で勝手に決めて勝手に入った。それがどういうことか分かるだろ」

「「あ…」」

「お兄ちゃん」

「んー？」

「真希（・・）ちゃんと真依（・・）ちゃん呼んでいい？今」

「構わないよ」

再びお兄ちゃんが使用人の方を向いて

「どうせ乃愛の私物全部お前たちが捨てたんだろ」

「！？」

「でしょうね」

スマホを出して真依ちゃんに連絡を入れると

「何よ？乃愛」

「真依ちゃん真希ちゃんと一緒に今から五条家に来れる？」

「いいけど。何かあったのね」

「あった」

「すぐに行くわ。真希乃愛から呼ばれたから行くわよ」

「何で」

「何かあったみたいよ」

「そうかよ。支度すっから待ってろ」

「ですって」

「ありがと」

電話が切れたのを確認すると

「大丈夫だった？」

「うん。来てくれるって」

「そうか」