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「そう言えば」
「「ん?」」
「赤也の奴今日めちゃくちゃ張り切ってたよな」
「そう言えばいつもよりも朝練も早く来ていたみたいだしね」
「へー」
「切原に関する事だったりしてね」
「真逆ぁ」
「いや。赤也の事ならありえない事でもないだろう」
そう言いながら入ってきたのは柳君で
「どういうことだよぃ」
「赤也は切原の事になると一直線に突っ走る傾向が有るらしい」
「猪みたいなやつじゃ」
イノシシ…かぁ
午前の授業も難なく受け終わり、携帯を見ながらお昼を食べようと思っていた時だった
「切原」
「なに?」
「一緒に食べないかい?」
「赤也もお前が来ることを楽しみにしているみたいなんだが」
何でそこであの男の子が出てくるのかが良くあたしには分からないのだけれど
「行かない。という選択肢はないのでしょう?」
「流石だね。無いよ」
そう言って来た幸村君の笑顔が怖くて
「行けばいいんでしょ行けば」
一緒に連れて来られた先は屋上で
「あ、せんぱーい!」
そう言って来た男の子はワンコのようだ
「あ、乃愛先輩も来てくれたんっすね」
「強制的にね」
お弁当を広げると流石は料理長が作ってくれるだけはある。彩もいい、味もいい。文句なんて何もない
「そうそう。乃愛先輩の事を親に話したら見事に一致するらしいんっすよ。俺のいなくなった姉貴の年齢とかも」
「ふーん」
「赤也はそこでお願いがあるというのだろ」
「お願い?」
「乃愛先輩に1度家に来て欲しいんっすよ」
「「な!?」」
やっぱりこうなるのか。同じ苗字だからとこの子はきっと何の悪びれもなく両親に話したのだろう
「考えておくわ。あたしも其れなりに忙しいし、遊んで居られるほど暇じゃないもの」
放課後、例の彼と一緒に彼の家に行くと表には確かに切原と書かれている
「…っ」
「ただいま」
そう入って行った彼を止める事は出来ない。何故ならここは彼の家であたしの家ではないからだ
「母さーん。例の言ってた人連れて来たけど」
そう言っている声が聞こえる。ダダダと走ってくる音が聞こえる
「乃愛?」
「はい?」
「乃愛なの!?」
抱き着かれそうになったのを横にずれて拒んだあたし
「乃愛…?」
「あたしの両親だと、言いたいのですか?」
「えぇ。間違いなく。あなたは私たちの娘。あなたが6歳の時行った旅行先で行方不明になった私たちの娘」
行方不明?あたしが?
「どうだか」
「え?」
「あたしがそうやすやすとその言葉を信じるとでも?」
「…っ」
「あたしは6歳の時に何の目的であの国に行ったかは知らない。でも7歳で両親に捨てられ、10年も親の顔なんて見ていないのに同じ苗字の人間だからと、娘だとそう言うのですか?」
「…」
「どうかしたのかい?」
「あなた」
「親父。この間話した人だって」
「乃愛なのか?」