8
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「『夢姫の最初で最後の男に俺がなる。俺も夢姫の男でいる』なんてセリフ言える奴なんてさ」
そのセリフは確かに聞き覚えがありすぎていて
「俺は思ったよ。夢姫はマジで陣平ちゃんからは逃げられねーんだろうなってな」
「逃がすわけがねーだろ。形だけでもと思って婚約したのだって中学ん時だぞ夢姫が」
「そうだけどさ」
「もしそこまでに別に男を作ってんならとも思って夢姫に言わなかっただけで」
「それがないままずっと陣平だったわけだ」
「そういうこった。上層部からこれで言われる事もねーだろうしな」
「言われても言ってんだろ?今言ったセリフ」
「ったりめーだろ?夢姫を選んだのは俺自身だ。俺を選んだのも夢姫自身だ」
「そうかよ。まぁ、しっかりと幸せにしてやれよ」
「ったりめーだろ」
「そういや泊まる場所どうすんの」
「お兄ちゃんたちには、ちーちゃんの家に泊まるって送ってある」
ケンちゃんは言わずともちーちゃんの住んでいるマンションに行くと言っていて
「陣平ちゃんもそのまま来ちゃえば?」なんてケンちゃんの爆弾発言に「そうすっかな」と言っていて
ちーちゃんのマンションにあたしはちーちゃんと、陣平君とケンちゃんは同じ部屋で寝ると言うことになり
「ねぇちーちゃん」
「どうかしたのか」
「ホントはね、陣平君にはもっと陣平君に似合う人がいるって分かってたのに…陣平君はあたしみたいな年下じゃなくて、ちーちゃんや捜査一課にいる佐藤さんみたいなカッコイイ女の人がタイプだって分かってるのに」
「夢姫」
「ちー…」
「確かにアイツはずっとそう言ってきていた。まぁそれは散々夢姫も見て来たから知って居るだろ」
「うん…」
でもだからこそ…
「でもなアイツの私に対するあの言葉は夢姫とは違う」
あたしとは違う?
「きっと、その佐藤と言う刑事とも違う感情だ」
「え?」
「私に対しては単なる憧れだ」
憧れ…?
「お前の悪い癖だな」
「え?」
「そうやって、いろんな事をため込んで、抑えきれなくなる所まで来ると後先考えなくなる」
「?」
「陣平は陣平でそれを知って居るだろう」
「多分」
「お前の限界を知らない私達ではないという事だ」
あたしの限界…か
「寂しくなったらいつでも会いに来ればよかろう」
「いつだってちーちゃんがいるわけじゃない…」
「それはそうだが。あいつ等にも今の話は言えていないんだろう?」
「うん」
「電話でだっていい。テレビ電話だって時間が許す限り繋いでやる」
「!!」
「だけどな、私に話すという事は研二にも伝わるという事は忘れるなよ」
ケンちゃんに伝わる=陣平君にも伝わる。という事だ
そのまま寝てしまったあたしを翌日起こしてくれたのはちーちゃんで
「起きたか」
「うん…」
「まだ眠そうだね」
「まだ寝てたい…」
「相変わらず朝はよえーのな」
「そう言うことを言うんじゃない。寝る子は育つと言うが、さすがにもう昼前だしな」
え?嘘っ
と思ったけど、時計を見ると確かに12時前になっていて
「あいつ等なら知ってるからな?」
「え?」
「夢姫が朝よえーことも知ってるからゆっくり寝かせて帰るって話てある」
「そうなんだ」
「じゃあ私は仕事があるから早く出るが」
「俺達ももう出るよ」
「そうだな」
「着替えてくる!」
部屋に入って着替えて出てリビングに入る時に、聞こえてしまったのだ「好きだぜ」って言っている陣平君の声が
やっぱり陣平君はあたしの事は好きじゃないんだとそう思って、でもきっとここで指輪を外して荷物を持って出て行ったらちーちゃんにも迷惑をかけてしまう。それだけは避けたかった
「遅かったじゃねぇか」
「そ…うかな…」
「あぁ」
一緒にマンションを出て、陣平君の車に乗り込もうと思ったときに、さっきの話を思い出して
「ケンちゃんの運転で帰りたい」と言ったあたしに驚いたのは陣平君とケンちゃんだ
「珍しいじゃないの」
「たまには…」
「別に俺は構わないけどさ?」
ケンちゃんの車に乗って家にまで帰って来ると、今日はお兄ちゃんもヒロ君も仕事の様でまだ帰って来ていなかったのも幸いしていた
「ありがとうケンちゃん」
「いいや?でも夢姫が浮かない顔をしてるのは、陣平ちゃんだろうけど」
「…っ」
「ビンゴか。聞いてたんだな?リビングに入る前に」
「聞こえちゃった。陣平君が好きだって言ってたの」
それにこそ驚いた顔をされたものの
「夢姫、それには誤解があるよ」
誤解?だってあの時のあの声は真剣な声だった
「そうだな…暫く陣平ちゃんに会わないでいてみなよ」
陣平君に会わない?あたしにそんな事…
「多分捜査一課もちょっと忙しくなるみたいだし」
「なんで」
「班長からそういう話が来てるんだよ」
あ、航君経由ね…
「きっと1週間しない内に陣平ちゃんの方がしびれを切らすと思うけど」
「え?」
ニヤリと笑ったケンちゃんはきっと何かを企んでいるんだろう
「ゼロと諸伏には話を通しとくからさ」
「あ…うん」
なんて平然と帰っていったケンちゃんを見送った後、リビングでテレビを付けてぼーっとしながら眺めていると
突然、頬に冷たいものがヒヤっとしていて
「つめたっ」
「落ち着いたか?」
「お兄ちゃん」
「萩原から話は聞いている。まぁ1週間と言うなら学校の送迎をその1週間ヒロにしてもらう」
「ヒロ君?」
「あぁ。俺もこのまま今日はポアロだが」
「ヒロ君は?」
「帰って来る」
「なら家にいる」
「そうか」
お兄ちゃんは昨日買ってもらったばかりのあたしの左手についている指輪を見ていて
「お前が幸せなら其れでもいいと思ったが」
「うん?」
「アイツが夢姫を泣かせるようなら、強引な手を使ってみるのもありかも知れないな」
強引な手?
「捜査一課が忙しいのは事実らしいからな」
「そうなんだ」
「あぁ。おそらく本当に松田は迎えには来れないかもしれない」
「うん」
「ヒロに捜査一課の状況を見て色々と手は打ってもらうが」
「大丈夫なの?」
「本当は駄目だろうな」
デスヨネ
「だが松田を少しばかし離すのにはちょうどいいと思うが」
「そうなんだ」
「あぁ」
==
翌日、学校に行くと
「お、来た来た」
そう言われたのはあたしで、教室で待ち構えていたのはこの間のメンツ
「おはよう?」
「あぁ」
「お前この間指輪貰ったばかりだっつって無かったか」
「そうだね」
「なんでしてねぇんだよ?」
「ちょっとね」
「あ?」
朝起きてお兄ちゃんに「指輪は外してから行け」と言われて外して来たけど、どうせ陣平君も暫くは来れないからと言っていたお兄ちゃん
「どーせ、暫くは忙しいみたいだし、帰りはヒロ君だし」
「そうかよ」
「俺じゃ不満みたいな言い方だな?夢姫」
少し遅れて入って来たのはヒロ君で
「別にそんなんじゃないもん」
「どうだか」
「そういや、アンタも仕事しなくていいのかよ」
「俺?」
「あぁ」
「平気だよ。夢姫の護衛をしながらでも出来るし、部下に任せられる仕事しか割り振って無いからな」
「まぁ、お兄ちゃんやヒロ君がげっそりして帰って来るときは大抵徹夜明けだもんね」
「あぁ」
「徹夜仕事なんてあるのかよ」
「あるさ。警察関係で徹夜なんて当たり前にあるし」
「あれだよね?あたしを送り届けてから仕事したりもしてるよね」
「あぁ」
それでも無理な時はあたしを警視庁に連れて行くしね、ヒロ君の場合
丁度よく先生も入って来たタイミングで外にいた刑事さんがヒロ君に何かを伝えたんだろう。ものすごく驚いているようだけど何かを指示している所を見るとヒロ君が良く程ではないんだろう
無事に終わらせると
「夢姫」
「心空ちゃん?」
「ついこの間まで『陣平君』って言ってたのに今日は言わないのね」
「!?」
それに驚いていると
「学校にいる間中ずっと言ってるのに、今日は名前が出ないから変だとは思ったんだけど」
「あー…まぁ、ちょっとね?」
「ちょっと?この私にまで隠し事?」
そんなつもりじゃないんだけど
「夢姫がお兄さんたちの間に挟まれて淋しい思いをさせてたり、我慢させてるって言うのはお兄さんたちから聞いているけど」
「お兄ちゃんが?」
「そうよ?」
そんなの初耳だ警察学校に行っていた時だって、公安に配属された時だってそんな事一言もお兄ちゃんたちは言ってこなかったのに
「夢姫に話すと余計にって考えてたみたいだけど。松田さんと何かあったの?」
「んー…あったと言えばあったし、無かったと言えばなかった。って感じかな」
「そう」
