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陣平君と一緒に車に乗っていた時だ
内線で『目暮警部が何者かに狙われた』と入った
「警部が?場所は」
「今は東都警察病院に入院している」
「すぐに向かう」
ハリアーで警察病院に着くと、そのまま陣平君と病室の前にいた
「お前たちもいたのか」
「お前は…松田…っとたしか」
「安室さんの妹だよね?楓さんって」
「えぇ」
「松田刑事とも面識あったんだ」
「お兄ちゃんと同級生だからね」
「へぇ」
コンコンコンとノックをすると
「どうぞ」
ドアを開けて入ろうとした毛利さんと
「めぐれじゅうさん?」
「ばぁか。じゅうぞうって読むんだ」
「そうか」
アハハハと笑っている元太君
「嫌ですよ元太君」
病室に入ると
「おお、毛利君に松田君。わざわざ来てくれたのか。それに皆も」
「ちょうど皆でハイキングに出かける所だったんです」
「それは済まない事を」
「俺はコイツの迎えの帰りだったんで」
「「迎え?」」
そう疑問に思ったのはきっとコナン君たちだけじゃないだろう
「あぁ」
「例の件のものか」
「あぁ。まだ犯人捕まって無いんで、コイツの兄貴から送迎を任されてるもんで」
「そうだったのか」
「警部殿、傷の具合は?」
「幸い急所を外れてましたので命に別状はありませんが数日の入院が必要だそうです
使用されたのはハンドガンタイプのボウガンだと思われます。目暮警部と知って狙ったのか、たまたま通りかかった警部を面白半分に撃っただけなのか。その両面から捜査を開始しています」
「警部だと知って狙ったとしても、たまたま通りかかったにしろ悪ふざけにしちゃお痛がすぎんだろ」
「えぇ」
「なぁなぁ警部のおっちゃん。拳銃持ってたんだろ」
「それで逃げられちゃったの?」
「馬鹿だなガキども」
「今、この刑事さんガキって言いました!」
「ジョギング中に拳銃持ってるわけねぇだろうが」
あたしと陣平君は顔を見合わせていたけど
「何か」
「拳銃を持ってジョギングする男をこいつは知ってるんで」
「はぁ!?」
「君たちの言ってる男がここにいるからね」
そう見たのは陣平君で
「おいおい」
「それに例え持っていたとしてもわしは毛利君と違ってそっちの腕はイマイチだからな」
「お父さん拳銃うまかったんですか?」
「そういや警察学校時代に零も言われてたな」
「お兄ちゃんが?」
「あぁ。上には上がいるってな」
初耳だ
「ゼロ?なんでゼロっていうんだ?」
「透ですよね?安室んさんのお名前」
「そうね。透って言うのは透けるとも書くの。透けるって言うことは何も無い事だからゼロって呼ばれてるんだよ」
「へぇ」
「警視庁内でも1~2を争う腕前だったんだ」
へぇ
「ところでボウガンを撃ったと思われる場所から、妙なものが発見されました」
「妙な物だぁ?」
白鳥さんが出して来た透明な袋に入っていたのは
「なんだこりゃ」
「西洋の刀みたいね」
「短剣?なんかどっかで…」
なんて話をして
「じゃあ俺達は帰ります」
「警部さんお大事にしてくださいね。またお見舞いに来ます」
「おお」
陣平君と一緒に車に乗り込むと
「お前あの短剣」
「うーん…どこで観たか分からないんだよね」
「そうか。夢姫悪いが今日は氷帝を休めるか」
「学校を?」
「あぁ。諸伏も今日はいねぇんだろ?」
「うん」
「学校で何かあったら俺達が零や諸伏に合わせる顔がねぇ」
「分かった」
あー…でもな。そう言った陣平君は悩んで悩んでいる様子で
「陣平君?」
「いや待て。お前が何処でまた狙われるか分かんねぇ」
「え?」
「お前を誘拐した奴等なら家まで押しかけてくる可能性も無きにしろあらずだ」
うん?なんだか陣平君が1人でブツブツと言っていて
「家にいるから平気だよ?」
「いや、だから待て。やっぱ人目があった方がいいか?」
「うん?」
結局連れて来られたのは警視庁で
「なんであたしまで」
「家に1人でいてまた誘拐されたら零や諸伏を止められねぇからな」
それはそうかも知れないけど
「つーことでここで待ってろ」
「はぁい」
その直後に弁護士である妃先生がチョコを食べてから倒れたと連絡が入って行ってしまった陣平君は忙しそうで
「本当に家にいなくて平気?」
「構いやしねぇよ」
そう言った陣平君は疲れた顔をしていて、証拠を見ては悩んでいる。そんな中電話があったのはお兄ちゃんからで
「夢姫?氷帝から電話があったんだが」
「あ、ごめん。電話するの忘れた」
「具合でも」
「そうじゃないの。警部さんが狙われてるし、あたしを誘拐した人も捕まって無いからって、陣平君が今日は休んで欲しいって急に言われて」
「じゃあ、今は家に」
「ううん。警視庁の捜査一課」
はぁ…とデカいため息をつかれたと思ったら
「帰って来れそうか?」
「どこで狙ってるか分からないから家にいない方が良いって」
「そういう事か。とにかく無事なんだな?」
「うん。何もない」
「それならいい。氷帝には何か上手い事理由を付けておくから」
「ありがとうお兄ちゃん」
「あぁ」
捜査一課の人たちが持って来た証拠を見ていると
「なにかしらね。この共通点」
警部さんの時には短剣。妃先生には紙でできた花
「おい、これが出たぜ」
そう陣平君が持って来たのは謎の物
「これなに」
「証拠だ証拠」
証拠…ね
「夢姫?」
「これってトランプ?」
「「トランプ?」」
「Kが短剣。Qが花、Jがこんな変な物持ってなかった?」
「そういや」
「たしかトランプも柄によっては意味が変わるって聞いた事があるけど」
ピクリと止まったのは陣平君だ
「誰に教わった」
「お兄ちゃんたちだよ?」
「そうか」
「その意味を教えてくれるかしら」
そう言って来た佐藤刑事に
「ハート、クラブ、ダイヤ、スペード。其々に意味があって季節もあるって。ただそれは一説に過ぎないから本当かどうかは」
「いいのよ。じゃあ最初に言ったハートから教えて頂戴」
「ハートの季節は秋。意味が幸福とか愛」
クラブもダイヤもそれぞれを話して
「スペードの季節は冬。そして死」
「「!!」」
捜査一課の空気が一瞬で凍り付いたのが分かった
「本当にそれをあいつ等から聞いたのか」
「うん」
「トランプってたしか中世ヨーロッパの階級とかあったりするってお兄ちゃんが言ってた」
「へぇ」
「じゃあスペードの階級って」
スペード?
「スペードは確か…貴族。由来も
「そう。何か手掛かりになるかもしれないわね」
「あぁ」
氷帝で出されている課題をしていると
「そろそろ帰っか」
なんて話している中、目暮警部も戻って来て
「「警部!?」」
「あぁ心配をかけたな。話は聞いたよ。犯人は恐らく村上丈だ」
その犯人の名前に聞き覚えのある刑事さんたちには緊張が走っていて
「村上…丈?」
「何者なんですか?」
「一匹狼のカード賭博のディーラーでな。10年前殺人・誘拐事件を起こして、1週間前に仮出所したばかりなんだ」
誘拐…その言葉を聞いたあたしの体は震えてしまい
「落ち着け夢姫。大丈夫だ」
ヒュウヒュウとしながらも浅く息は出来ていて
「これが10年前の村上丈だ」
そう写真を見せて来た警部さんには申し訳ないけど
「これが」
そんな中、毛利さんも入ってきて
「あれ?夢姫さん具合でも」
「まぁちょっとな」
そして陣平君が持っている写真を見た毛利さんのお父さんは
「村上…確かにアイツなら俺に恨みを抱いていても無理はない」
「どういうことだ」
「此処に戻って来る前に毛利君には話をしていたんだ」
「そうなんですね」
「夢姫、落ち着いたか」
「うん…」
「だが随分と顔色が悪いな」
あたしの顔を覗き込んだ毛利さんのお父さん
「無理もない。彼女はつい最近、学校帰りに誘拐をされたんだ」
「「誘拐!?」」
「あぁ。その犯人もまだ捕まっていない」
「なんだってまた」
「夢姫?」
「帰りたい」
「あぁ」
「松田君?」
「このおねーさん何か言ったの?」
「あぁ。小さく言ってもちゃんと俺には聞こえるんだよ」
「ほう」
「それはまた」
「だがなんで毛利のおっさんをコイツが狙う必要がある」
「俺が奴を逮捕したからだ」
それじゃ唯の逆恨みだ
「しかし、村上丈はなぜ真っ先にこの俺を襲わないんだ?俺に恨みがあるなら直接…」
「それは君を苦しめるためだろう。真綿でジワジワと首を絞めるようにな。そこの2人のように」
「そこの2人?」
そう目暮警部が見ていたのはあたしと陣平君だ
「へぇ」
「松田刑事でもそうやって抱きかかえる事在るんですね」
「コイツだけだ」
「「え?」」
「俺がこうやって抱えんのはコイツだけって決めてっからよ」
「ねぇおじさんの知り合いで名前に十がついた人はいないの?」
「「ジュウ?」」
「これがトランプの数字純だとしたら次はジュウがつく人」
「まて。Kで警部がQで妃先生。次はJだろ」
「そのJは博士が狙われた」
はかせ?
ぼやける頭で考えていると
「Jは11博士の士は11」
「なるほどな」
外は暗くなっていて
「夢姫、零からの連絡は殺気あった奴だけか」
「うん」
「アイツ帰ってんのかよ」
「きっとヒロ君がいてくれるから」
はぁ、とため息をついた陣平君は
「松田君?」
「コイツを送るんで坊主たちも一緒に乗ってくか」
「いいんですか?」
「あぁ。構いやしねぇよ」
「悪いが頼んだ」
陣平君はあたしを抱えたまま警視庁を出ると
「このハリアーって松田刑事のだったんですか」
「あぁ。夢姫?」
「ん?」
「座んぞ」
「うん」
「なんだか大分」
「お前たちにはそう見えるんだろうな」
「え?」
「どういうこと?」
「でもこんな光景、ハギや伊達から見たら過保護だって言われっけどな」
「「過保護?」」
「あぁ」
==
後部座席に座った2人を確認すると静かに走り出した車で隣に座っている夢姫は若干顔色が悪いままの状態で浅い呼吸をしながら寝ている
「でもなんで一介の女子高生を」
「コイツとはもう7年の付き合いになる」
「「7年?」」
「あぁ。俺達と出会う前からちょっとしたゴタゴタがあってな。両親の離婚で親権がうんたらかんたらあってどっちも引き取ろうとしない両親。そんな中で夢姫は1度誘拐されて怖い思いしててな。あの時には今以上に暗い場所も狭い場所も苦手になってこうやって過呼吸を引き起こす原因にもなった。そんな夢姫を両親は余計に引き取りたらがずに有耶無耶になっていた時にゼロが両親たちからの戸籍から抜けると同時に夢姫を自分の戸籍に入れ込んだ」
「じゃあ保護者がお兄さんだって言ってたのは」
「嘘じゃねぇんだよ。それでもって何かあっても危険だからと夢姫を小3の10月に急遽氷帝学園に転入させた」
「!?」
「氷帝ならいくらかセキュリティも確りしてっからな。安心してたんだが、つい数日前俺の携帯と警視庁に夢姫が誘拐されたと言う連絡を受けた」
「え?」
「既に使われていなかった廃墟で、昔のされたことがフラッシュバックしたんだろ。こうやって過呼吸の様な症状が出るようになってる」
「そんな」
「コイツがこんなに甘えんのも数少ない。俺と同期の伊達にはこんな姿一切見せねぇし、ハギにもあまり見せることはねぇ」
「どうして?」
「伊達には奥さんと子供がいるからだろうが、ハギには俺もよく分かんねぇんだよ。ただな」
「「ただ?」」
「ハギの姉貴がいるんだけど、その姉貴には俺達にも見せねぇ顔がある」
「そうなんですか?」
「あぁ。萩原千速っつーんだ。千速も夢姫の事を妹の様に見てくれてるしな」
「でもどうして萩原さんでも伊達さんでもダメで松田刑事は」
