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観客席の大半はきっとオーストラリアの応援なんだろう
「なんだかすごいですね」
「アウェーって言った感じね」
「実際、アウェーだもの。格下の日本を応援している方が珍しいわ」
「え?」
精市も弦君も一瞬怯んでいて
「精市!弦君!」
「「夢姫?」」
「いつもどーり!リラックス、リラックス!」
そんな言葉を言った後
「そうだな」
「また夢姫に助けられたよ」
けどアウェーの力はすごいもので
「1-0」とオーストラリアに先制されてしまっている
「獅子奮迅…全力で行くぞ幸村」
「あぁ。また夢姫の前で負けるわけにはいかない」
!!
「全く」
「どういう」
「去年の話ですよ監督」
「ん?」
「あたしがいた立海大附属のテニス部の人間ですから。精市も弦君も」
きっと負けるわけにいかないって言ったのは去年の全国大会の事があるからだよね、精市も
「気になんてしてないのに」
打っては打ち返されている。ビッグ3と言われている精市と弦君が攻め押されてるなんて早々見られる試合でもないけれど
「どこに打っても返って来るぜよ」
「あのオーストラリアの選手の2人とんでもないコートカバーリングだね」
「テニスにおいて鉄壁のカバーリングは言わば最強!近年トッププロの世界でも抜群のカバーリングからのカウンターを得意とする選手が上位を占めている」
「ドイツのボルク選手がいい例だね」
「え?」
「角度のあるカウンターが返って来るため攻撃側はより厳しいコースを狙い続けなくてはならなくなり、体力・気力も消耗してミスを多発する」
「これが『
精市たちが返していながらも
「精市たち、攻めてないね」
「何?」
「俺達の鉄壁の守備は破れないぞ」
「攻める?」
「3年間見ていたテニスですよ?大体の事は見ていれば分かります。精市は攻めてすらいない。今から始まるんですよ精市と弦君のテニスが」
「ほう」
相手の選手がボールを返して来たと思ったら
「え?何」
「今の動き、分からなかった」
「どうやら聴覚が奪われ始めた様ですね」
「「聴覚?」」
「刻は来たようだな幸村」
「何、あの黒いオーラ…」
「夢姫も見た事無かったんか」
「ある訳ないじゃん」
「いよいよあの2人のテニスが始まったじゃねーの」
「『黒龍一重の斬』」
だけど曲がったのは2回
「ダブルクラッチ」
弦君、あんな技いつの間に…
あっと言う間に1ゲーム追いついた精市たち
3ゲーム目で返されてしまったダブルクラッチ
「まぁ、精市と弦君の事だし」
「問題ないじゃろ」
「だね」
コートの中でも
「脅威ではない」
そう言った精市の声がちゃんと聞こえてきている
「マジかよ…」
だけどオーストラリアの選手も
「ディフェンスでのオーストラリアンフォーメーション!?」
「たわけい!」
ゲーム5-1とオーストラリアに持って行かれてしまっている日本
「あと一球」と声が響いている中
「除かなること」
!?
「なんですか?」
「林の如し」
「ここにきて出すのね弦君。風林火山を」
「え?」
「そうか」
「夢姫もずっと見ていたからこそ、この試合のマネージャーを受けなかったのか。マネージャーをすればしっかりと見る事なんて出来るはずがないから」
「最強のディフェンスに対し最強のディフェンスで挑むつもりか」
「国を背負った試合だと!?笑わせるぜ」
その一言が試合を動かす一言になるなんて誰も想像しなかっただろう
「主将のテニスを愚弄することは…」
だけどダブルクラッチを出されたとたん返せなくて
「触覚を奪われたようですね」
「五感全てを奪わず触覚だけだったのは流石だけど」
「しかし残念だけど『黒龍二重の斬』は1人では返せない」
そのままゲームを巻き返した精市と弦君
「ゲームセットウォンバイ日本7-5」
「すご…」
「あいつ等勝っちまいやがった」
「オーストラリアがまず1敗だと」
「スイスを下したこの大観衆を敵にたいした奴等だぜ」
弦君とグーでタッチしている2人には2人の何かがきっとあって
「夢姫」
「お疲れ様」
「あぁ」
「全く、去年の話なんて持ち出すもんだから驚いたじゃない」
「本当の事だろう?」
「そうでも、普通は言わないでしょう?いつまでも引き摺ってるような立海でもあたしでもないじゃない」
「そうだね」
タッチをしたあたし達に「そういうお前だって同じようなものだろう」なんて言って来たジュウ君に「そうだね」なんて返していると
次の試合の準備をしている不二君と雅治
「お前ら、次の試合…負けるぞ」
なんていう跡部君と
「意外なペアで組ませたんですね」
「どう出るかは儂は関与まではしとらん」
その監督の言葉に驚きを隠していないのは2人で