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夢小説設定
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日本人の観客もガヤを入れている人が多くいる。その中には白石君と同じ学校の人間もいるんだろう
「ワシの相手を自ら買って出るとは勇敢な男じゃ」
「おーきに☆」
「あのコのためか」
「いや、アイツは誰が出ても構へんやったやろうな」
ギリシャの選手はあたし達よりも1つ上
「とんでもない切り札ね」
「え?」
「ザベストオブワンセットマッチギリシャサービスプレイ!」
ギリシャの選手が撃ったと思ったらもの凄い反応で返していて
「もうあんな前に!」
「安心していいよ」
「なんでそんな風に言えるの?」
「日本で観なかったの?修ちゃんの試合」
「え?」
「シャッフルマッチしたって聞いたけど」
出ないなんてことは無いはず
「いや、シャッフルマッチにあの人は出ておった」
「だよね。なら見ているはず。修ちゃんはどんな打球も
「!?」
案の定修ちゃんは巳減無でかえしていて
「視覚から伝達された回転の情報を瞬時に手首へと伝えられる天賦の才を持つ男」
「相変わらずアイツ一筋か夢姫」
「まさか。ちゃんといますよ彼氏くらい」
「ほう」
「しかもしっかりと呼んで居るじゃないですか。彼氏の事」
「こっちに来とるのか」
「来てますよ。なんならお兄ちゃんとも試合をしてますけどね」
「そうか。お前もそういう年になっていたか」
「そうですよ」
スコアを見ると
「あんなに種ヶ島先輩が優勢なのに何でスコアは負けそうなの?」
5ゲームをギリシャのゼウス選手に取られていて
「参ったね☆」
「修ちゃん」
置いておいた水でさえこぼした修ちゃん
「例のドリンク」
「はいはい」
ボトルを渡すとそれを飲んでコートへ戻って行った修ちゃんが座っていたベンチには空いたままの水
「そう言うこと」
「え?」
どっかりと座った修ちゃんに
「あ、アイツ諦めたのか!?」
なんて声も聞こえてきて
「んなわけないでしょうに」
でなきゃあの場所でNo2のバッジ所持者にはならない
だけどゼウス選手のボールを難なく返した修ちゃん
「ほう
だけど修ちゃんはラケットを左手に持ち替えていて
「おい夢姫」
「いや、こればかりはあたしに聞かれても。右手のテニスしか見た事無いですよ」
「ほう」
「まぁ修ちゃんは人を欺くことも得意としているので、色んな事を隠しているんでしょうけど」
「だろうな。だが」
だが?
「儂にはアイツはお前の優しい兄の中の1人にしか見えんぞ」
兄の中の1人…か
「越知があの合宿所に来た時女であるお前が入ることを誰よりも反対したのは平等院と鬼だ」
「ですね」
「だが、アイツは違うんだろ?」
「修ちゃんは所見で見抜きましたよ。あたしが誰も信用すらしてなかったことに。だからあたしの痛い所を難なくついてきたのは修ちゃんと育人君ですから」
「そうか」
「監督に初めて会った時にほー君と一緒に行かされたのは気まぐれなんでしょうけど、でもそれでも千葉にほー君と言った時にもあのおじいさんにすぐに見透かされたんでしょうね」
「だろうな。アイツもお前もあのじーさんの所に贈って正解だった」
そう言ってくれるのはきっと監督だけだ
「お兄ちゃんにはすごく心配を掛けちゃいましたけど」
「アイツが心配するようなタイプでは無かろう」
「でも帰って来た時に言われましたよ。『何事も無くてよかった』と。なんかそれだけでお兄ちゃんはちゃんとあたしを見てくれてたんだって。こんなにも心配を掛けちゃったんだなって思いました」
「そうか。お前高校を出たらどうするつもりだ」
高校を出たら?
「まだ何も考えてないですけど」
「そうか」
なんでそんな事聞くんだろう。なんてその時は思っていた
「でもきっとテニスには何らかの形で携わっているんだと思います」
「ん?」
「お兄ちゃんも雅治もテニスをしている者同士ですし、お兄ちゃんならプロになっても現役を終わらせてもきっとテニスには関わって居そうですし、だからこそあたしもきっと何らかの形でお兄ちゃん達と一緒にテニスには関わっているんだと思います」
「そうか。そこまで道しるべが出来てたのか」
「でもこう考える時間を貰えたからこそ出せた答えでもありますよ監督」
「そうか。なら儂は何も言わん」
4年前からあたしがあれしたいこれしたいと言っていた時だって何1つ反対しないで見守ってくれた監督やコーチ達だからきっと今のあたしが出した答えも何も反対しないでいてくれるんだろうなぁ
「私たちの監督やコーチよりも話をしてますね」
「寧ろ話も聞いてくれてる気が…」
なんて言っている2人
「夢姫」
「はい?」
「明日もどうせ見るんだろう」
「えぇ。でもここではなくて控え選手の所で観ようかと」
明日は高校生たちが主軸だ
「監督は気づいてたんでしょう?あたしが修ちゃんを好きだったと言うことに」
「どうだろうな。だがきっとアイツらは気づいてただろうよ。お前の想いくらい」
知って居て黙っていてくれた…?
「でなきゃ、お前の兄貴なんてやってられんだろうが」
「「どういう」」
そうだ
「もうずっとあたしの背中を押してくれてたの、修ちゃんだけだったんです。氷帝から立海へ行くときも立海から星章へ行くときも。悩んでいたあたしに『夢姫が夢姫らしくいられる場所はきっとどこかにある。それを探しに行くだけだ』って」
あの時に気づいていたら良かったのかもしれない
「お前はそれに気づいていたら京都に行っていたと言うんだろう」「そうかも知れないですし、通いきれないと行かなかったかもしれないですよ?」
「そうだな」
そこからは猛反撃を始めた修ちゃんは1ゲームも落とすことなく
「ゲームセットウォンバイ日本7-5!」
「見事であった」
修ちゃんの右の掌には
「やっぱり」
「気づいておったのか」
「だって」
ベンチには空いたままの水が置いてあって
「そういうことか」
「よくワシを欺いた。褒めて遣わす」
「これはこれはゼウス様☆ありがたき幸せ」
「ただし2度目はないぞ」
「でしょーね☆」
戻って来た修ちゃんに
「お疲れ様」
「あぁ」
白石君の方を見た修ちゃんは
「ノスケ、型にはまんなよ」
「はい!」
やっぱり
「修ちゃん、今度は白石君を育てるつもりなのかな」
「どうじゃろうな」