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合宿所に戻って来ると合同で練習をしていて
「やっと帰って来たか」
「うん。彼、もう悩み始めてた」
「そうかよ」
ジャージに着替えてくるとそう言った雅治を見届けて
「そういや」
「うん?」
「お前は向こうの練習を観なくてもいいのかよ」
「本当は見た方がいい。だけどあんなことがなかったら、あたしは向こうの宿舎にいて、向こうの練習を見てマネージャーをして、予選が終わったら戻ってくる。そのつもりだったし、その予定でもあった」
「そうか」
「あたしはただ戻ってくるのが早まっただけ。ただそれだけだよ」
「だがお前は今日を含めて明後日だって行くんだろうが」
「そうだけど、でもそれはコーチや監督からじゃない」
「どういう」
休憩に入った選手もそれには反応をしていて
「皆と同じ。ただそれがテニスかサッカーの選手かの違いって言うだけで、
「そうだな」
「だから選手がマネージャーとしてあたしを呼ぶのならと思って今日は行った。明後日は彼の答えを聞かなくちゃいけないから行くけどね」
「そうか」
「だけど、その次は俺達の予選リーグが待ち受けている。夢姫も中々にハードだね」
「仕方ないじゃない。でも散々立海でもハードだったし問題ないよ」
「そうか」
「無理だと思ったら休ませる」
「そうだな」
なんて言って来た精市と蓮二はきっとここにいる立海メンバーの誰よりも分かって居るだろう
「越知」
「跡部君?」
「後で話がしたい」
後で?
「この練習が終わってからで構わない」
「大丈夫なのかい?」
「いいよ。ちゃんと時間取る」
「そうか」
練習を少しだけ見た後
「じゃああたし夕飯の支度しに行って来る」
「平気かい?」
「大丈夫だよ不二。夢姫の料理の腕は俺達が保証する」
「それに」
「「それに?」」
「それに何だって言うんだ蓮二」
「夢姫がいる限り、仁王が練習をさぼることがないのは立海では有名な話だ」
「それはいい事を聞いた」
「じゃ、支度してくる。立海の皆は知ってるけど、味の保証はしないから」
マジかよ。そう言っている選手たちの声なんか無視だ無視、と決めレストランに入ると支度を始めたあたしに
「夢姫」
「コーチ?」
「今日はお疲れ様でした」
「いいえ」
「ですが次の予選は」
「行きますよ。選手たちからの頼みですから。それにある選手からの答えを聞かなくてはいけないので育人君たちも来てくれることになっていますよ」
「そうですか。では我々の予選リーグの日にちが分かったので」
「だいぶ遅かったですね」
「まぁ今回はサッカーと被っていると言うのもあるのでしょうが」
「そうですね」
「我々の予選は4日後。つまりはサッカー予選最終日後となります。体調だけ整えておいてください」
「はい」
夕食を作った後立海の皆と一緒に食べた後
「本当に幸村の言った通りの腕前だね」
「え?」
「美味しかったよ」
なんて言って来てくれるとは思わなくて
「なんやぁ?夢姫が随分と固まっとるなぁ」
「その様だが、だが大分人に囲まれているのはどういう事だ」
「確かに」
「だがいい加減あの場所から出さないとアイツ、キャパオーバーするぞ」
「そうだな」
「ったく」
なんて言っている声想聞こえて来ていて
「だ、そうだが?」
「まだ平気なんだけどなぁ」
「お前の言う平気は平気じゃない時だ」
なんてお兄ちゃんにヒョイッと抱えられたあたし
「お兄ちゃん?」
「お前は大丈夫じゃなくても大丈夫だと言うのに気づかない俺達ではないだろう」
「そうだけど」
「ここにきてしっかりと休んでいないな」
お兄ちゃんにそれすらばれていて
「明日は夢姫を休ませる」
「そうですね」
「でもここにいる限り夢姫はマネージャー業務をしてしまうのでは」
「いや」
「ほんならお前たちも夢姫が休んでる様子見とき」
「どういう事です?」
「そのままの意味や。明日コイツにはマネージャー業務をさせへんから俺らが」
「「え?」」
皆がきっとそれには驚いているだろう
「明日全く何もさせへんからな」
「そうですか」
「ま、今日はこれから休むんやろ」
「ううん。立海の皆と少し課題をしてから休むことにしてる」
「そうか。無理だけはしないようにしておけよ」
「うん」
==
ホテルのあたしの部屋に皆が来ると
「本当に課題をするつもりだったのか」
「うん。じゃないと大分進んじゃってると思ってるし」
「だろうな」
「星章は」
「どうなんだろう」
「ん?」
「学校側からは何も出されていない。それは鬼道君や灰崎君も同じ」
「そうか」
課題を開いたあたしに
「全然進んでいないようだな」
「何か色々あって進んでなかっただけ。だけどそれでも進まなかったのは事実だよ」
「いや夢姫の事だ。自分の好きな科目はとうに終わらせているんだろう。ここに出ているのは苦手科目ばかりの様だしな」
「ほう」
「流石蓮二。得意科目は終わらせてるし、英語も終わってる」
「確かに英語の課題は見当たらないな」
「育人君が英語得意なんだよ。ハワイの高校を出ているくらいには」
「それはいい事を聞いた」
蓮二たちと30分と決め課題を勧めると
「大分進んじゃってるんだね」
「あぁ」
「追いつけそうか」
「頑張るよ」
「そうか」
じゃないと立海に戻っても追いつけなくて止めなくちゃいハメになるのはあたしとしてはごめんだ
ある程度終わらせると
「今日はこの辺にしよう」
「そうだな。夢姫も疲れた顔をしている。無理をしたところで夢姫にも俺達にもいい事は何も無いだろう」
「そうだな」
皆が課題を片付けていると
「仁王?」
「夢姫を寝かせてから戻るぜよ」
「そうだな」
「いいなぁ仁王先輩。夢姫先輩と一緒にいられて」
「お前には俺がいるだろぃ」
「男同士じゃないっすか」
「文句あんのか」
「ないっすよ!」
なんて言っている赤也にブン太
「相変わらず」
「コイツらが変わることはないだろ」
「だね。今だけだしね。こんなやり取りが見られるのも」
「そうだな」
今の立海大中学の副部長をしている赤也にこんな事が出来るのはきっとあたし達だけだろう
「でも夢姫先輩って立海には戻って来ねーのに」
「そうだな」
「だが、一緒に課題をすることにも意味があるだろう」
「あぁ」
なんて話をしていて
「夢姫はいるか」
そう来たのはお兄ちゃんで
「ちょっと行って来る」
「あぁ」
部屋の外に出ると
「向こうからの本戦応援要請は聞いているな」
「言ってたね。いくつか出て欲しいって」
「あぁ。俺達としてはどうでもいいんだがな。コーチや監督も了承してしまっている所を見るとお前が出ることが確定している」
監督が了承してしまえば其れは仕方のない事。でも
「お兄ちゃん」
「何だ」
「まだ三船監督からあたし何も聞かされてないの」
「そうか」
「お兄ちゃん達が言うことだから、嘘はないとは思ってるしきっと監督からお兄ちゃん達に言っているとも思ってる」
「あぁ」
「それでも本戦が始まる前には、監督から何か言われるかもしれないし、監督もコーチ達もあたしが何を言っても反対はしないだろうけど、でも了承してると言うことはきっともうこれは決定事項…なんだよね」
「だろうな。出来そうか」
出来そうか?それをお兄ちゃんが聞くと言うことは
「了承しているとは言え夢姫の気持ちが最優先だと我々から監督たちに話は通していますよ」
そうだったんだ