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「これよりS2の試合を始めます」
お兄ちゃんの所に戻ってきてすぐに衝撃が走ったのはあたしたち兄妹だけじゃない。氷帝にも衝撃が走ったのは言うまでもないんだろう
「な!?」
「手塚がS2で出て来たー!?」
「どういう事」
部長である彼がダブルスでも補欠でもなく、S2に出て来るだなんて
「どーいう事だ?」
氷帝学園は…
「誰だろ」
「とうとう夢姫でも分からない選手も出て来たか」
「というよりも、あの時、あんな事が起こってから氷帝に興味ないじゃん。あたし」
「それもそうだが」
「樺地だ」
「亮君?」
「樺地崇弘。氷帝学園の2年」
「亮君達の後輩だ」
「あぁ」
「宍戸さん、お知り合いですか?」
「あぁ。俺達の幼なじみで元々は氷帝学園の幼稚舎に通ってはいた」
「ほう」
「ザベストオブワンセットマッチ手塚サービスプレイ!」
手塚君のサービスゲームからか
「どちらだと思う?」
「昨日の試合を観ていれば圧倒的に手塚だろうが、アイツのテニスは厄介だぞ」
「へぇ」
手塚君に食らいついている樺地君も凄いとは思っているけど
青学側には月間プロテニスの井上さんたちの姿もあって
「手塚の試合でも生地にするつもりだろうな」
「だろうね」
そして青学側には見慣れた人影があって
「お兄ちゃん、やっぱ来たね」
「その様だ」
「誰が来たって言うんだよ?夢姫」
「そうです」
「青学側を見てみて」
「青学側?」
「随分とギャラリーが多いとは思いますけど」
「毛利だけではなさそうだな」
「修ちゃんも来てる」
「そういう事か。行ってくればいい」
「いいんだ?」
「止めても行くのはお前だろう」
「へへ」
修ちゃんの隣に行くと
「なんや、ツッキーの所から戻ってきたんかいな」
「そりゃもう」
「どうしたんだろ手塚……?」
「伝家の宝刀『零式ドロップショット』で決めるチャンスくらいあるはずなのに」
手塚君と樺地君の試合を観ながら話していると
「出さないんじゃない!出せないんだ。相手の技を一度見たら急襲してしまう樺地の前では!」
「へぇ」
「不二先輩の言う通りっすね。全て手塚部長と同じ球種を返してきている。河村先輩の波動球を打った時のように」
波動球?
「あ、でも手塚君もあの場所から一歩も動いてないね」
「せやな」
「手塚ゾーン!」
「手塚によって回転をかけられた球は全て引き寄せられるかの如く手塚の元に戻って行く」
「『手塚ゾーン』あんな神業手塚にしか出来ないよ」
神業…ね
「修ちゃんとどっちが強いかな」
「夢姫、そら確実に修さんやろ」
「どういう」
「君たちも見に来ていたんだね」
「お久しぶりですね」
「久しぶりやな」
「あぁ。でも君たちが一緒にいるなんて珍しい組み合わせじゃないか」
「そうか?」
「もう俺らは見慣れたもんやけどなぁ。ツキさんと一緒にいるよりも修さんと一緒にいることの方が多い気もするなぁ」
「多いよね?修ちゃんと一緒にいる時間の方が」
「やな」
「どういう」
「そうか、君たちは彼女のお兄さんの試合も見ていないのか」
「いや、昨日ほんの少しだけ見てんで」
「え?」
「それは一体…」
「越知夢姫。氷帝学園の幼稚舎の卒業後は神奈川の立海大附属へ転校。お兄さんは氷帝学園の男子テニス部を中高合わせて6年もの間部長を務めあげている越知月光。無口で必要以上に話もしないがあの当時は氷帝学園にいた男子テニス部の人間は越知君を慕っている部員も大勢いた」
「井上さん」
「なんだい?」
「お兄ちゃんを慕ってくれる部員はいた。の過去形ではなく今現在もいますよ。特に」
「「特に?」」
「氷帝のあの3人は」
「「ん?」」
と疑問そうな顔をしている亮君達の名前を出すと面倒な事この上ない。ましてや今は氷帝の人間じゃない
「まぁいいか。隣にいる彼は越知君と同じ年で京都の舞子坂出身の種ヶ島修二君だ」
「え?」
「その彼もまた天才と言われていた実力者だ」
「「え?」」
皆がそろいもそろって修ちゃんを見ていて
「天才だって」
「そないな奴等大勢いたやろ」
「いやいや、中々いないからね!?」
コート内では樺地君も手塚ゾーンを繰り広げていて
「そ、そんな…」
「手塚ゾーンまで吸収された!?」
「樺地君は純粋であるが故、相手の技を見ればそれを吸収して使いこなすことが出来る」
「使いこなすと言う事は、彼にとって相手が強くても弱くても関係ないと言う事ですか」
「むしろ強ければ強いほど、氷帝には好都合だろう」
へぇ…
「全てのショットが樺地に吸収されてるよ!」
「下手に技を見せるのはまずい。奴をドンドン強くするだけだ」
「こんな落とし穴があったなんて」
「彼の能力を甘く見ていたのかもしれない」
なかなかに続くラリーを見ている中
「このラリー…一体いつまで」
「このまま永遠に続いたらどっちもリタイアじゃん!?」
リタイア?
「きっと彼はしないでしょうね」
「いや…体格が違いすぎる。長引けば不利じゃ」
「でも先生、あれが追い詰められてる男の顔に見えますか?むしろ…」
そんな中打った
「零式ドロップショット!?」
「ゾーンを崩した!」
「けど…」
「零式まで吸収されちまった!」
けどそれを打ち返した手塚君
「そう言えばさっきアンタ他校なのに部長がリタイアしないって言ったな」
「他校だから?あたしはそれなりに色んな選手を見て来てるわ。確かに中学は立海に通ってるし、でも関東大会で立海が青学に負けた時、立海だって精市がいなかったでしょう?」
「精市?」
「部長の幸村」
「そう言えば」
「でもそれは手塚君も同じ。きっとお互いに試合や練習が出来ない間に自分の体作りはしているんでしょうけど。だからこそ、部長という責任を背負いながらも試合をする。リタイアなんて部員には見せるなんて事しないはずだもの」