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夢小説設定
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「『情けない』お前たちはその言葉の程度で済ませられるかもしれないが、『情けない』のその言葉の重さを分かって行っているのか」
「どういう意味だ」
「お兄ちゃん…」
「震えているな。矢張りバスで」
首を横に振ったあたしに、自分のジャージを被せてくれたお兄ちゃんは
「大丈夫だ。怖ければ目を閉じていろ」
お兄ちゃんの言葉に目は閉じていなくてもお兄ちゃんが被せてきたジャージを掴んでいると
「ではお前たちのマネージャーがサッカー道具で、背中に一生消えない傷を負わされたら。真夏であろうと水が張って居るプールに背後から急に押されて入れられた時。お前たちは自分たちのマネージャーにも同じように『情けない』と平気で言えるのか」
「んだよそれ…」
「夢姫はその道具が使われなくなったテニス用品でやられ、血まみれの状態で一生消えない傷を背中に負っている。プールにも背後から急に押されて飛び込む形で放り込まれたようなものだ」
それには流石に黙り込んだ選手たち
「夢姫は今もそのことで苦しんでいる。夢姫が最初から他人を信用も信頼もしないのも全てそのことが原因だ。お前たちが言う『情けない』という言葉はそうそう軽い言葉じゃない。重い言葉だ」
ジャージを掴む力が強くなったのが自分でも分かって居ると、お兄ちゃんがスマホを見ていて
「夢姫」
「うん?」
「代表から漏れたメンバーも含めて立海の奴等は練習をするそうだが」
「見るよ」
「ならば早めに戻ってやろう」
「そうだね。じゃあ皆も残り1試合だけど予選頑張ってね」
「お前は来ねーのかよ?」
その言葉に少しだけ間が空いたものの
「行かないよ。もう見るつもりもない」
「な!?」
「それが久道コーチのしでかしたことの大きさだよ」
「夢姫、行くぞ」
「うん」
お兄ちゃんと一緒に歩いて帰るとまだ皆は練習をしていなくて、慌てて用意して皆の所に行くと
「お待たせっ」
「いや」
「待って居ませんよ」
「そうだな」
そうやって言ってくれる皆の優しさが痛くて
「泣くんじゃない」
「そうだぜ?お前を待つなんて俺達は思ってねぇよ」
そんな風に言われ鵜なんて想像もしなかっただろう
「だが夢姫も少し疲れているようだな」
「ちょっとだけ疲れた…」
「ならば、夢姫は少し休んでいろ」
「え?」
「そうだね真田の言う通り少し休んでからでいいよ」
「だって皆は練習…」
「練習はしたって、今日の練習はそれほどでもないよ」
それほどでもない…
「それにお前も知って居る練習法だ。慌てる必要もない」
「そうかも知れないけど」
「夢姫が座って練習を見てもいいくらいにはハードにはしないようにしておくよ」
「そっか」
ベンチに座らされたあたしにお兄ちゃんは
「幸村、仁王」
「「はい?」」
「あまり長く練習はするなよ」
「そうします」
「夢姫も辛いと思ったらすぐに戻って来い」
「そうする」
お兄ちゃんが宿舎の中に戻っていったのを確認すると
「立海しかいないならシングルスでも構わないけど」
「でもどこで見てるか分からないよ」
「見ていると言ってもコーチ達だろう。見られて困る練習法はしていない」
それもそっか
「という訳でシングルスでの練習にする」
シングルスの練習を始めるのに
「そう言えば選手名簿に」
とつぶやいたあたしに
「それがどうかしたのか」
「そう言えば氷帝も比嘉も選ばれてるのは1人ずつなんだなぁと思ったんだよね。他の学校はさ2人~3人くらいは選ばれているけど」
「そう言えば確かに」
「お前まさか中学んときの真田と跡部の練習の続きが見たいだなんて言わねぇだろうな」
「あ、それもありだね。あたしが見たかったのは逆なんだけど」
「「逆?」」
「精市と跡部君の方だったんだけど」
それもありだよなー。なんて言っているブン太たちを放っておいて
「でも弦君と跡部君もありだよね」
「でもまたあの時見たく負けるんじゃないっすか」
「どうだろうね。仮にも今のU-17のキャプテンに選ばれる実力はあるんじゃない」
「確かに」
「そういや」
「うん?」
「お前は平気なのかよ?跡部がここで練習をしても」
跡部君がここで練習をしても…か
「大丈夫だよ。跡部君…と言うよりも氷帝の皆とは話をしたの。お兄ちゃんにも一緒にいて貰ったけどね」
それに反応をしたのは精市と弦君で
「何故それを先に言わんのだ!」
「そうだよ。夢姫が氷帝にされてきたことがあるって言うのに」
「そうだね。でも話す機会をくれたのはお兄ちゃんなんだよ」
「どういう」
「皆はさ知ってるじゃん。あたしが幼稚舎の頃に氷帝にいたって。あたしがお兄ちゃんとは兄妹だけど、異母兄妹だって言う話も」
「そうだが」
「それが原因で背中に傷を負ってることも話しても何も変わらないでいてくれたのは皆だよ」
「それはそうだろう。何をされていてもお前はお前だ。夢姫が変わることはないだろ」
「でしょ。でもあの時の氷帝は正直分からなかった。亮君だけじゃない。がっ君もジロ君も変わるんじゃないかって言う恐怖心は確実にあったから学校に通えなくなった」
「確かにそう言っていたな」
「でもねお兄ちゃんは今の氷帝を見て、今のテニス部を見てくれたからこそ『あの時とは違う』って。だからあたしと氷帝と話す機会をくれたの」
「そうだったのか」
「うん」
「まぁ話したからと言って氷帝に戻る訳じゃないけど」
その言葉に安堵しているのは立海生だけで
「精市と蓮二は知ってるけど」
「む?」
「来学期からはまた立海に通う予定だからよろしくね」
「あぁ」