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立海の全勝利で終わった練習試合
「はいこれ」
「すまない」
「ううん。でもよかったの?」
「何がだい?」
「「他校にいるあたしにこんな事を任せて来たけど」」
「と夢姫は言うよな」
「当たり。流石は蓮二だね」
ふふ。と笑った精市に
「いいんだよ。今の立海にマネージャーはいないからね」
「え?」
マネージャーがいない?青学や氷帝、強豪校には確実にマネージャーが付いている。立海だって強豪校の1つだ
「夢姫と同じことが出来るかと前もって聞くと皆出来なくてね」
あー…何となく分かったかも…
「お前にだから任せていた部分が俺達にも大いにあると言う訳だ。あの時俺と精市が言った言葉に嘘は1つもないぞ」
「『いつでも立海には戻って来てもいい』ってやつ?」
「あぁ」
マネージャー関係の事が終われば星章にいる必要もないのかもしれない
正門まで皆と一緒に歩いていると
「お前は一体いつになったら」
「あたしは合宿所でも皆の練習は見てるけどね」
「む?」
「え?」
「は?」
「まぁ、この変なマネージャーの仕事が終わったら戻れるのなら立海に戻ってもいいかな」
「夢姫」
「うん?」
「その前に言った事は本当か?」
その前に言った事?
「なんか変な事あたし言った?」
「言ったじゃないか」
「お前さん、俺等の練習見とるんか」
あー
「観てるよ。だって合宿所は生活拠点だもん」
「東京に実家があるんだろう?」
「あるよ?氷帝の前を通らなくちゃいけないけど」
「成程な」
「だからお兄ちゃん達のいる生活拠点であたしも一緒に生活をしてるの。それに」
「「それに?」」
「音無さんたちが面倒を見ているのはU-17。あたしが一緒にいるのはU-21。お兄ちゃん達の方だよ。それも夜の練習だけ」
「マジか」
「本当」
あー…でもばらしちゃったからなぁ
「精市」
「ん?」
「今のU-17のメンバーには言わないでほしい」
「それはまたどうしてだい?」
「だって、今のあたしはテニス部じゃない。サッカー部のマネージャーだから」
「なら」
「戻る時には立海に皆に先に言う。それは約束する」
3年間一緒に部活で過ごしてきた皆だ。あたしが嘘を言った事なんてない事なんて知っているはずだ
「そんじゃ」
「その連絡を待っているよ夢姫」
そうじゃな。夢姫が俺達に嘘をつくなんて事無いじゃろうしな」
「そうだな」
「プリ」
雅治のジャージを返そうとしても
「それは夢姫にやるけぇ」
「!!」
「ちゃんと持ってんしゃい」
「なら今日の夜、少しだけ時間頂戴?」
「ん?」
「雅治に渡したい物がある」
「分かったぜよ」
皆が帰るのと、「音無さんたちも今日は合宿所に来なくて平気だよ」って言った精市に
「え?」
「何で」
「俺達が練習試合で此処に来ることは合宿所の人間はみんな知ってる。俺達の試合を観ていると言う事もマネージャーとしての仕事だよ」
「どういう」
「夢姫もいると教えてくれたんだよ。合宿所にいる人がね」
「え?越知さん?」
クスクスと笑うと
「きっとそれを教えてくれたのって、長身で青メッシュが入ってる?」
「あぁ」
「お兄ちゃんが教えてくれたんだね。星章を勧めてくれたのもお兄ちゃんだし」
「そうか」
「練習を見て仕事をするだけがマネージャーじゃない。色んな選手たちの試合を観ることもマネージャーとしては必要な事なんだよ。合宿所で練習しか見ていない音無さんたちにきっと、ただあたしがいるってだけで、練習試合に星章と立海を組ませたのはお兄ちゃん達だよ」
「え?」
スマホを見ると
「今日は合宿所に来なくていいと連絡が入っている所を見るとどうせ、サッカー部だって此れから少し練習をするんでしょ?」
「あぁ」
「そのつもりだが」
「あたしも立海の皆と帰ってきていいって言うから音無さんたちがマネージャーでも平気でしょ」
それに驚いたらしい音無さんたちは
「いいの?」
「構わないよ。きっとこうするってお兄ちゃん達も呼んでの行動だろうから」
「そっか」
「じゃあ、明日からはまた立海だけじゃないけどテニス部はお願いね」
「じゃあ、夢姫」
「うん?」
「荷物持っておいで。待ってるから」
「持ってくる」
テニスコートに行くとベンチに置いてあったあたしの鞄を持って正門に戻って一緒に歩いていると
既にサッカー部のメンバーはいなくて
「だが、こうして歩いているのも、変な感じだな」
「だなー」
「夢姫の制服が違うって言うのもあるんだろうが」
「そうじゃのう」
「というかそもそもなんで仁王の隣を歩いてんだよ?」
それこそ分かって無い人の方が多いんだろうけど
「何言ってるんじゃ丸井。さっき俺が夢姫に渡してたじゃろネクタイ」
「そういや…」
「待て待て」
「なんじゃ」
「『何じゃ』じゃねぇよ!」
「お、お前達まさか」
「付き合ってるぜよ」
雅治の爆弾発言に驚きを隠せていないらしい皆と何となく分かっていたらしい精市と蓮二は、何を今更と言った感じだ
「と言うか、去年の全国大会の時には付き合い始めてたよね」
「そうじゃな」
「全く気付かなかったぜ」
「そんな素振りもなかったじゃねぇか」
「そういう事をするようにも見えなかったでしょ?」
「確かに」