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タイブレークにまで来てしまった2セット目
「6-5日本セットポイント!」
と鳴った瞬間
「あんな育人君…初めて見た」
「あぁ。初めて見たな」
4年も同じ場所で生活もしていたと言うのに、初めて見る姿もあるだなんて想像もつかないだろう
だけど結局タイブレークも取ることは出来ず、フランス戦の最初の1戦は負けてしまい
「夢姫」
「うん?」
「サンサンの手当てはアツに任せてやり」
「育人君に何か言われたんでしょ?」
あたしにさせないくらいには。戻ってきた育人君の膝を見た大石君が驚いているのも知って居る
でもあたしもアツ君に任せろと言うのなら何もしない
「じゃ、あたしはドリンクとタオルだけ用意しておくよ」
「えぇ!?夢姫ちゃんまで」
「アツー。サンサンの膝の治療頼むわ」
「ああん?」
観客席からは驚いているサッカーの代表選手たち
「いいのかよ?」
「なにが?」
「お前出来んだろ」
「できるよ。だけどあたしじゃなくてアツ君ご指名だからやらない」
育人君にタオルとドリンクを渡すと
「ガキのお守りは大変だったろ?」
きっとそれはギリシャ戦で赤也と組んでいたアツ君だから言えることでもあるけど
「だが負けは負け!」
処置をし始めたアツ君を見ていると
「お兄ちゃんも大変だった?」
「いや。そうでもない」
「そっか」
結構早く治療も終わらせていたアツ君
「アツの奴初めから全部知ってたみたいやな」
「その様ですね」
「じゃ、頑張ってね」
「ほな行ってきますわ」
「あぁ」
「夢姫は久々に見るか」
「そうだね。立海生同士のダブルスなんて久々かも」
だけど、やっぱり蓮二とじゅさ君がぎくしゃくしているのは目に見えて分かって居る
「毛利さんって立海出身なんすよね?」
「俺らの1コ上じゃき」
「話もしていないのか」
「多分ね。あたしはそれなりに一緒に生活もしてるからいい所も悪い所も知ってるけど」
「何を言っている」
「蓮二に悪い所なんて」
「蓮二の話じゃないよ。じゅさ君の話」
「毛利先輩の?」
「そう。精市や弦君を始めとする立海のメンバーなら良く知って居るでしょ?じゅさ君の悪い癖」
「あぁ」
「才能はあったのにサボリの常習犯だったから部活に殆ど顔出ししてないぜよ」
「あの立海でサボリとかって…」
「ビッグ3とは未だギクシャクしとるき。特に…」
「監督は何を考えてるんだ!」
「最悪のダブルスじゃないっすか!?」
「赤也覚えておくと良いよ。目先の言葉だけを信じない方がいいっていうこと」
「どうしてそう言えるんっすか!?」
「確かに目先の言葉だけだったら、じゅさ君の悪い所はあたしも知ってる。けどじゅさ君の悪い所だけじゃなくていい所もあたしはたくさん知ってる」
「じゃあ夢姫が立海で毛利先輩を悪く言わなかったのは」
「いい所もちゃんと知ってるから」
「そうだったのか」
きっとお兄ちゃんも同じくらいこのダブルスでのじゅさ君を心配はしている
「けどなんで夢姫先輩はそんなに毛利さんを」
「そうじゃな」
「そりゃ知ってるよ。だってあの合宿所で同じ生活をしてるんだもん」
「え?」
「去年、じゅさ君が氷帝に負けたのも知らないでしょ?」
「は?」
「嘘だろぃ」
「本当。あの時のじゅさ君の対戦相手お兄ちゃんだったの」
「おいおい」
「しかも1ゲームも取ることなくじゅさ君は負けた」
つーか何でそんな話、知ってるんじゃ」
「だって見に行ってたもん。ね?お兄ちゃん」
「そうだな」
「でもあの直後あたし精市に会ったでしょ?」
「そんな他愛もない話をする前に試合を見て来たんならその話をすればよかったのに」
クスクスと笑うと
「何がそんなに」
「その日、精市がリハビリをしている時間帯にじゅさ君も受診に来てたんだよ」
「え?」
「は?」
「知らなかったでしょ?」
「初耳」
「でもね。そこで何を見たのかまでは知らないんだけど、じゅさ君高校の秋の新人戦1セットも落とさないで優勝したの。お兄ちゃん達や皆よりも遅く、この合宿所にも参加してる」
コートの中では0-5と日本がリードをしている
「そう言えば」
なんて話をしてきたのは精市で
ーー
「スポーツドリンクを小人が持ってくる?」
「そうなんだ。毎日リハビリが終わると冷たいスポーツドリンクが置いてあるんだ」
冷たいスポーツドリンク?
「夢姫じゃ」
「あたしなわけないでしょ。第一スポーツドリンクをあたしが持ち歩くタイプに見える?」
「「見えん」」
「でしょ?てことであたしは知らないし、あたしでもない」
「俺も知らないぜ」
「俺も知らんな」
「もしかしてそれ幽霊じゃないっすか?」
幽霊…?
「呪いのドリンク…なわけないだろぃ」
「そうだねぇ」
なんて話していると病院の下には見知った人影が見えていて
「どうかしたのか」
「なんでもない」
でもあれは間違いなく呼ばれていた先輩だ
「それにしても不思議な話じゃの」
「確かに」
「私はてっきり仁王君の悪戯かと」
「ほう」
「誰が届けてくれてるのか分からないけど頑張れと背中を押されているような気がするんだ」
==
「あの時会ってみたいな。その妖精に。って精市は言ってたけど」
「お前まさか」
「ごめん。あの時既に知ってた。じゅさ君が精市のリハビリをしてるのを見たことも、スポーツドリンクを届けてくれてたことも」
「「!!」」
「じゅさ君はじゅさ君であの病院に通っていたから」
「え?」
「じゅさ君はね、わざと肩を脱臼させることがあって、お兄ちゃんとの試合でもそれをやったの。それで通ってたから」
「そうか」
「なぁ柳。最後まで1人でとない飛ばす気かいや。お前の本来のダブルスは
その言葉にはっとしたのは蓮二で
「夢姫話しておいてやれ」
「そうだね」
「何を」
「去年の全国大会。じゅさ君は立海の全試合見に行ってるよ。本人はそれを話すつもりは無かったようだけど」
椅子から立ち上がった蓮二は
「毛利先輩…リハビリの精市の事、全国大会でも我々を見守って下さっていたんですね。それなのに俺は…すいませんっ毛利先輩、俺は」
シッと指を口に手を当てたじゅさ君は
「お喋りはもう止めんせーね。さ、セットポイント…リラックスして行こかや」
「はい!」
コートに戻っていった蓮二とじゅさ君を見た後
「だがなんで夢姫は俺達にそれを黙っていたんだい?」
「そうだな」
「じゅさ君が精市たちには話すつもりもないって言ってたからあたしも話さないようにしてた」
「そうか」
だけど次のターンが始まったタイミングで
「15-0!」
球にフランスの選手たちが押し始めたのだ
「ゲームフランス1-5!」
「あれが『芸術テニス』…」
「アート?」
「そう。彼はね『コート上の芸術家』って呼ばれているの」
あっと言う間に5-5とゲームを取られていて
「コートというキャンバスを彼色に染める。それがエドガー・ドラクロワ選手」
「やばぁなんちゅー爆発力や」
「エドガー・ドラクロワの『芸術テニス』けれどそれを可能にしているのは我々から易々とデータを奪い彼に伝えているジョナタン・サン・ジョルジュですね。ですが」
ですが?
「アイツ諦めてねーな」
「あぁ」
そうそう諦めて貰っちゃ困るけど
「毛利先輩、この柳蓮二…日本代表として、そして立海大附属の参謀として負けるつもりはありません」
蓮二とじゅさ君があたし達の方を見ていて
「昨年の関東大会と全国大会の様な悔しく寂しい思いを再び彼女にさせるわけにはいかない」
「だって」
「蓮二らしいけどね。勝負の世界なんだから、勝つ人間や勝つチームがいるのと同時に負ける人間もチームもあるのに」
「ほなデータ集めは頼むわな。俺は寝やる!」
あたしを含めてお兄ちゃん達はあまり驚きはしていないけれど、精市たちは驚いていて
「アイツ今『寝る』って」
「久々だねじゅさ君」
「久々に
コートの中ではじゅさ君は本当に寝ている状態で
「お前らも、其処に居る餓鬼どももよく見ておけ。これが日本代表No10のバッジを獲った男の実力だ!」
竜巻の様なショットも打ち返したじゅさ君は次々と打ち返していて
「何なんだアイツ一体!?」
「エドガーの『芸術テニス』をもの凄い体制で次々と打ち破っている!?」
コートに寝そべっているじゅさ君を起こしてくれている蓮二を見るのもなかなか新鮮だけど
「よく
「じゅさ君の場合も其れに似てるよね」
「でもコーチ達が脳波を科学的に調べてビックリ。深い睡眠状態にいるみたいだよ」
それに驚いているのは赤也だけではないようで
「睡眠状態が故雑念など皆無。自然体で極限の集中力を見せる。そして奴はその状態に自ら数秒で到達だ」
それこそ立海の皆も驚いているようだけど
「夢姫は驚いていない様だね」
「ずっと見て来てたからね」
「今年は言って来たばかりのお前たちがこの後何人Genius10に入れる?毛利寿三郎。奴は時代の日本代表を背負う逸材だ」
「俺、アップに行って来るっす」
「あまり遠くには行かないようにね」
「うぃっす」
フランスの選手は相棒の選手にもアートを施していて
「これは予想外かな」
「だろうな」
「予選でも全く見せていなかっただけに蓮二も想定外のはず。まるで別人と戦っているようなものだろう」
やっぱり…
「フランスは世界を獲る為にこんな秘策を用意していたのか」
「でもいつもの蓮二らしいテニスだね」
「あぁ。先輩のプレイで蓮二もデータ収集に集中できているね」
「そうこなきゃ柳先輩!やっぱデータテニスでも負ける訳ねぇ!」
「ゲームフランス5-4!」
「次のゲームは必ずとるぞ!柳データは取れたんか?」
「はい!」
だけど、フランスのジョナタン選手は再びペイントを変えられていて