楽しい雪遊び
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「え?雪かきってまだやってんのか?朝に終わったかと思ってたけどな」
「除雪車が通れない所をスタッフが手動でやっています」
「はい。範囲が広いから大変そうで。昼休みだけでも手伝おうと思ったんです」
なんて言うもんだから、ブンちゃんと雅君で顔を見合わせていて
「へぇ。さっすが、氷帝の3年生は一味違うだろぃ。なぁ赤也」
「え?」
「そうじゃのう。自ら手伝いを買って出るとは、氷帝の3年生は偉いぜよ。のう、赤也」
「別に雪かきの手伝い…」
「馬鹿夢姫。こんな所に居やがったか」
「遠野先輩」
「篤君」
「例の荷物が届いてやがる。さっさと着てきやがれ」
「届いたの?」
「あぁ。今ちょっと前に、大量のリンゴと一緒にな」
「着替えてくる!」
「コケんじゃねぇぞ」
「はーい」
合宿所の中に入ってコートを脱ぐと
「おや、随分と可愛い雪だるまだと思っていたのはてめぇだったのか。夢姫」
「跡部君」
「にしては随分と小さいじゃねーの。なんなら」
「あー、いらないよ。新しいの届いてるもん」
「あ?」
上の部屋に行く前に自分の部屋に上着を置いて篤君の部屋に入ると袋に入って夢姫と書かれている上着を発見。
それに着替えると、大分大きいけど防寒対策はちゃんとしてある奴なんだろう。再び外に出ると
「まぁ練習に影響が出ても困るしのう。それでも氷帝の3年生はやっとるわけだが」
「まぁ雪かきって言っても結構な重量になるしね」
「そだな」
「でも随分と」
「1回だけ、青森に遠征に行った事があってね。篤君の地元なんだよね。ここに積もってる雪もそうだけど結構重たいんだよ」
「へぇ」
「あの上着もこれも篤君のお下がり」
「は?」
「まぁこれは今届いたものだからデカいけど、来てれば馴染んでくるし」
「どういう理屈じゃ」
「そのまま。ちゃんと着られなくて毎回篤君に直してもらうのも日課だもん」
「おいおい」
「高校生になって、それは可笑しくないか?」
「うーん…」
なんか毎年篤君に直されるからそれが結局普通になってるんだよね
「もー、なんすか。氷帝氷帝って。おい、鳳、樺地。どっちかそれ貸せ!」
「え?じゃあ俺のを」
鳳君の持っていたものを赤也君が受け取ると
「よし、樺地!これくらいチャッチャッとやっちまおうぜ」
「ウス」
「おー、流石立海のエースじゃ」
「いざとなると頼りになるだろぃ」
「お前たち、棒読みだぞ」
「確かに」
「あの、良かったんでしょうか?」
「いいっていいって。子供は風の子だからな」
「プリ」
「まだ、日も高いってのに、朝より寒くなってきた気がするな」
「練習でかいた汗が、冷えたのではないですか?」
「かもな。自主練切り上げて、風呂にでも入るか」
「もう沸かしてはあるよ」
「早いのう」
「朝から寒かったし、風邪ひいちゃっても大変だからさ」
「そうじゃのう。風邪を引いてもいかんぜよ」
なんて中に戻るタイミングで
「おや?あれは」
「おいおい、あそこまで雪かきやってんじゃねぇか」
「屋根から落ちて来たんじゃねぇか?ほら、あちこち山になってる」
「てことは、朝からずっとやってんのかよ」
「それは流石にスタッフが交代でやって居るとは思いますが」
スタッフの中に紛れ込んでいる修ちゃんを発見
「静かにね?」
「どういう意味だよ」
山になっている雪を丸めて修ちゃんの方に投げると、交わされてしまって
「マジ?」
「やりよるな夢姫」
「だってこの時期しか出来ないもん。修ちゃんにめがけて何かをするなんて。お兄ちゃんは身長がありすぎて投げられないし」
「せやなぁ」
「で?何作るの?」
「夢姫の大好きな雪だるまや」
「修ちゃんまで雪だるま言う」
ブスーっとしていると
「散々言われとったしな」
なんて話をしていると
「夢姫が楽しそうだ」
「ここまで楽しそうなの初めて見るだろぃ」
なんて話をしていると
「どこに行くんだよ、仁王」
「ちょいとスタッフと、雪遊びでもしようかと思っての」
「雪遊びって、かまくらでも作るのか」
「雪かきと言う雪遊びでしょう。私も手伝いますよ」
「あー、なるほど。じゃあ俺も手伝うぜ」
「大丈夫なのかよ、ジャッカル。さっき寒いっつってたろ」
「雪かき手伝うなら、また温まるさ」
「雪遊びぜよ」
「じゃあ、ちょっと皆で遊んでくるか」
なんて話した後、雪かきをはじめた雅君達
「お?」
「お前ら、
「あぁ、雪かきしてんだ。この辺、雪だらけだろ」
「アイツは」
「あそこで遊んでますよ。先輩と」
しっかりと聞こえる範囲にはいるんだけどね
「随分とでっかいもん作ってるよなぁ」
途中でお兄ちゃんも一緒に作ってくれたおかげで
「出来たー」
「去年よりもデカいのが出来よったな」
「だね」
「さて、俺達は中に戻るが」
「もう少し外にいる」
「風邪をひかないうちに中に入っておけ」
「はーい」
皆の方に行くと
「トレーニング代わりという訳です」
「なんか、面白そうやし」
「おまんらには無理ぜよ」
なんていうから
「雪かきは経験が重要じゃき。まずは雪用一輪車を1年、スコップは3年。それだけやってやっと1人前になれるんじゃ。面白そうなんて舐めてかかると痛い目見るぜよ」
「しんけんか?」
「いやお前、さっきまで遊びっつってたろい」
「あまり人を揶揄うものではありませんよ、仁王君」
「ピヨ」
クスクスと笑うと
「でも雅君の言う事も一理あるよ。面白そうなんて舐めてかかると本当に痛い目に遭うからね」
「マジか」
「お前らもやってみるか」
「いいばぁ?」
「気を付けてね」
「夢姫」
「篤君?」
「わりぃな。実家からお呼び出しだ」
「あらら」
「ちゃんと着るなら防寒しろよ」
「はーい。篤君も気を付けてね」
「あぁ」
キャリーケースを引っ張りながら合宿所を出た篤君は
「一体」
「実家って」
「青森」
「マジか」
実家からの呼び出しってことは雪かきも含まれてるんだろうなぁ。篤君あれでも1人っこだし
「人手は多い方がいいしな。道具もあるし」
「そんじゃあ、やってみるさー」
「これだけ人数がいれば、雪かきも早く終えられそうです」
「おまんらやるのう」
「いや…雪ってこんなに重かったんだなー」
「踏み固められて、カチコチに凍ってるとこもあるやっし
雪の山を見たブンちゃんは
「あの辺り、全然足跡ねぇな。よし、雪に飛び込めジャッカル!」
「俺かよ!?」
「そんじゃ一緒にやろうぜ。せーの!」
ジャッカル君と一緒に雪に飛び込んだブンちゃん
「アイツら、急に倒れたさー」
「フフフ。雪の上を見てみてください」
「おお、すげー人型がクッキリやっし」
「おまんらもやってみんしゃい」
「痛くないばぁ」
「大丈夫ですよ、でも、一応雪質を確かめてから倒れてくださいね」
「大丈夫。固くないからブンちゃん達みたく飛び込んでも平気だよ」
「ほう」
「よく分かるな」
「だってほら」
あたしの指さした方には普通の雪ダルマよりもでかい雪だるまがあって
「随分でっかいやっし」
「雪が降るとあぁしてでっかい雪だるまを作るの」
「へぇ」
「だから固いか柔らかいかもわかるよ。今の内なら飛び込んでも平気。柔らかかったよ」
「前からじゃなくて、後ろっていうかケツから倒れる方が安全だぞ」
「わかったさー」
せーので雪に埋もれた平古場君と甲斐君
「冷てー!?」
「やしが全然痛くないばーよ」
「勢いよくいったのう」
「やるじゃん。お前ら、そのまま腕を上下にバタバタさせてみ」
「こんなーか?」
「そうそう、うまいうまい」
「何がどうなってるばー」
「おまんら翼が生えたぜよ」
「スノーエンジェルってやつだろぃ」
「スノー」
「エンジェル?」
「そういうのはあたしよりも篤君の方が詳しいんだけどなぁ」
