素敵な朝の過ごし方
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夕飯を作りにキッチンへ入ると
「今日は随分とゆっくりのようだな」
「まぁ、うん」
「歯切れが悪いな」
「仕方あるまい」
一緒に来たお兄ちゃんがそう言っていて
「なぜ仕方がないと言うのですか。先輩も兄ならば」
「この時期は俺でもどうにでも出来ん。氷帝の幼稚舎で体育館倉庫に閉じ込められた時期なんだ夢姫は」
「「!?」」
「そう言えば閉じ込められたという話はしたけど」
「時期までは言っていなかったよな」
「まさか、こんな変な時期だったなんて」
「あぁ。夜はどうしてもフラッシュバックするのだろう。この時期だけは種ヶ島でも他の奴等も駄目なんだ」
「まじかよぃ」
「本当だ。だがまぁこれでも少しはましになったものだが。俺もコーチ達もこの時期は特にアイツには無茶をさせたくはないんだ」
「そうですね。何が原因でフラッシュバックするか分からない時期でもある」
「あぁ。夢姫にだらしがないと言ったそうだな。お前も聞いているだろう夢姫のされてきた過去を。ただ時期を言わなかっただけで」
「む…」
食事はほとんどシェフの人たちが作ったものを食べたらしく
「お兄ちゃん、お蕎麦でもいい?」
「問題ない」
「すぐに作っちゃうね」
お蕎麦を茹でるのに、再び中に戻ると
「おっと」
「ありがとう」
「かまわんぜよ」
「夢姫」
「大丈夫だよ」
ザルが取れなくて後ろに立っていたまー君にザルを取ってもらうと
「ほう、ざる蕎麦かのう」
「うん。皆と話をしてなくてもいいの?」
「構わん。俺の話は終わったけ」
あ、そうなんだ
「次はお前さんとも話す番じゃと思ったんじゃがの夢姫」
「あたしと?」
「そうじゃ」
「答えられる範囲なら」
お蕎麦を茹でながらまー君と話をしていると
「おまたせ、お兄ちゃん」
「いや、待って居ない」
「夢姫も蕎麦なんだ」
「うん」
「まだ仁王は話したりなさそうだけどね」
「そうだな」
そんなに話すことなんてないと思うんだけどなぁ
「そう言えば、モーニングルーティンの話をしていたな昼間」
「モーニングルーティン?」
「あぁ。氷帝で試しているらしいが、睡眠習慣の改善でいい効果をもたらすと言われているな」
「そうなんだ。育人君なら何か知ってるかな」
「どうだろうな」
今は育人君は外の撮影でこの合宿所の中にはいなくて
「知識としてならあるが」
「そうなの?」
「あぁ」
「夢姫」
「終わったらお兄ちゃんの部屋に潜り込むから大丈夫だよ」
「分かった」
「一体」
「ここ最近はお兄ちゃんと一緒に寝てるから。きっとサブちゃんにも迷惑かけちゃってると思うけど」
「あの先輩がそう思うかと言われると悩みどころではあるがな」
「だね」
「では、先に戻っている」
「うん」
お兄ちゃんが先に部屋に戻って行った後
温かい飲み物を入れて皆の所に行くと
「では話をしよう。モーニングルーティンと言うのは簡単に言うと、起床後からのやるべきことをあらかじめ決めておき、毎日実践する事を言う。
一般的には生活習慣の改善により生活リズムを整えたり、質の良い睡眠が取れることで頭がすっきりするなどの効果があるそうだ」
へぇ
「そういえばテレビで朝活として特集が組まれているのを見ましたね。いかがでしょう?今の仁王君には、丁度いいじゃないですか」
「夢姫お前もだ」
「なんで?」
「いや、弦一郎。夢姫の場合は特殊だ。睡眠がどうこうという問題ではない。寝ていてもフラッシュバックする人もいるんだ。簡単にできる事ではない」
「む…」
「俺は最近、寝つきが悪くてのう。おかげで目覚めも悪いんじゃ」
「そういう事か。急に柳に相談してるから、てっきり健康意識に目覚めたのかと思ったぜ」
「健康意識は別として、嫌だよなぁ。スッキリしないのは気分もよくないき、目覚めをよくする方法があるのなら試してみようと思っただけじゃ」
「でも夢姫は何かを試しているのかい?」
「どうしてもだめな時にはお兄ちゃんが起こせって言ってるけど、はなれに出てることもある。その前に修ちゃんに見つかる可能性も高いけど」
「如何いう事だ」
「お兄ちゃんと修ちゃんの部屋が隣同士だから」
「そういうことか」
「後はこうして温かいものを夜は飲んだりしてる」
「そうだな。それも1つのナイトルーティンなんだろう」
「ナイト?」
「そうだ。毎朝することをモーニングルーティン。毎晩することをナイトルーティンという」
「初めて知った」
「そうか」
「じゃあ、毎朝何してんだよ」
「この時期でなければ寝てたいからベッドにいることが多いけど、そうだなぁ、朝はもうずっと散歩してるよ。お兄ちゃんや修ちゃんともしてるけど」
「そうか」
「それは素晴らしい。私も興味が出たのですが、具体的にどのような事をすればよいのでしょうか」
「特に難しい事をする必要はないと思うぞ。人によっては朝起きて直ぐにカーテンを開けて日光を取り入れる事だったり、ベッドメイクをすることをルーティンにしているそうだ」
「そうなんだ」
「そんな簡単な事でいいのかよ」
「構わない。あまり複雑な行動にすると習慣化するのも難しいだろうからな。夢姫のように散歩をするのもいい事だと思うぞ」
「あー。言われてみれば確かに」
「まずは習慣化させるという事が大切という訳ですね」
「あぁ」
「せっかくだし俺達もやってみるか」
「だな。氷帝の奴等もやってるなら、部屋に戻った時に話してみるか」
そっか。皆も部屋割りシャッフルして決められてるんだっけ
「まー君?」
「いや、なんでもないぜよ」
