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「いいですね?平等院」
「好きにさせろ」
「と、言う事です」
「せや夢姫」
「はい?」
「明日、夢姫の時間俺に少しくれへん?」
「え?」
「何を」
==
翌日、昨日言われたように着替えて出かける支度を終わらせると
「悪い悪い」
「あ、いえ」
「固いなぁ」
固い…?
「まぁええか。ほんじゃツッキー夢姫は借りてくで」
「あぁ」
「行ってきます」
「気を付けてな」
「うん」
合宿所を出て来たのは遊園地で
「なんで遊園地?」
「そりゃ夢姫との距離を縮める為やろ」
「あたしと?」
「せや。あの合宿所に来て半年。昨日サンサンに言われてもまだ警戒しとるやろ。壁もまだまだ高いみたいやし」
あ…
「せやから、誰かが夢姫のその警戒心と壁を壊さなくちゃいけないやろ」
「でも昨日自分で…って」
「そう言われてできるもんやない。ましてや今の夢姫はその高い壁の上で震えて座って泣いてるただの子供と同じや」
「え?」
「ま、とりあえず色々と乗って行こか」
あちこちと色々と乗せられたあたしは
「ね、ねぇこれにも乗るの?」
「当り前やろ?」
「む、無理無理!」
「大丈夫や」
「だいじょばない…」
結局無理やり乗せられたあたしに
「怖かったら掴まっとき」
「あ、うん…」
高い所から急激に下に急降下した時に修ちゃんの腕にしがみ付いたあたし
「ほんま怖いんやな」
「だから怖いって言ったのに」
「まぁ、ええやろ」
午前中で乗るもの全部乗ったあたし達に
「最後はここやな」
「え?い…いや…」
「夢姫?」
「やだっ」
「暗い所は苦手か」
「嫌い…」
「さよか。ならここは止めや。少し早いけど歩いても帰れる距離やしな」
「え?」
「無理に嫌いな所入れたってしゃーないやろ」
お兄ちゃんが言ってたのはこういう事だったのかも
遊園地を出て歩いているときだった。目に入ったのは小さな広場
「アスレチックやな。なんや夢姫は遊園地よりもアスレチックの方が好きなんか」
「え?」
あたしそんな顔に出てたかな
「少し寄ってこうか」
アスレチック広場に入ると色々と揃っていて
「ほな、少し遊んでき」
「え?」
「夢姫の為の外出でもあるんやからお前が楽しまんと意味ないやろ」
そんな事を言われたことがないあたしにとってどう返事をしていいか分からないでいると
「俺はここで見ててやるさかい。息抜きして来ぃ」
なんて言ってくれたからアスレチックで遊んで、遊び終わったころにはもう暗くなり始めていて
「ぁ…」
「夢姫」
「しゅ…」
「大丈夫や。何もされへんよ。俺が一緒におるやろ」
「あ…うん」
修ちゃんが手を繋いで一緒に合宿所に戻ると
「ありがとう」
「ん?」
「今日、楽しかった…から」
「そら良かったわ。少しは夢姫の壁も崩せたやろうしな」
「え?」
レストランまで一緒に行くと、丁度皆も食事をしていて
「なんだ、種ヶ島と一緒にいたのですか」
「え?」
「今日は越知と一緒にいなかったようなので」
「あ、今日は修ちゃんと出かけてたから」
「おや」
「最初は種ヶ島だったのか」
「え?」
「いや、なんでもない」
「でも種ヶ島とはだいぶ距離が近づいたのでしょう。夢姫が彼の手を離そうとしていないのが見えますしね」
「そうだな」
「いや、ある意味簡単かもしれへんで」
「ほう」
修ちゃんが皆と話している間にご飯を取ってお兄ちゃんの所に行くと
「何事もなかったようだな」
「うん。楽しかったよ」
「そうか」
「夢姫」
「んー?」
ちょいちょいと修ちゃんに呼ばれたあたしはそっちに向かうと
「今日は種ヶ島とのデートは楽しかったようですが」
「デ…!?」
「えぇ。デートでしょう?2人きりで遊園地に行って来たのですから」
「せやなぁ」
「あ、あれって…デート…なの?」
「おやおや。まずはそこからですか」
だ…だって…
「2人きりで出かけて、その行き先が遊園地なら」
「確実にデートだね」
うぅ…
「何騒いでんだ」
その低い声にびっくりして修ちゃんの後ろに隠れると
「すぐに隠れるその癖をどうにかしろ夢姫」
「へ?」
「なにもお前を怖がらせてぇわけじゃねぇよ」
そう言ってくれた鬼君の言葉に何かが崩れるような音が聞こえてきて
「夢姫」
「お兄ちゃん」
「先に食事を済ませて来い」
「あ、うん」
席に座って食事をしているときに急に隣に座った修ちゃんに
「本当に平気そうだな」
「ん?」
「隣に来ているぞ」
隣?
そう思って隣を見ると修ちゃんが一緒に座っていて
「気づかなかった」
「やろうな」
ご飯を食べ終わると
「ツッキー」
「なんだ」
食器を片しに行っている間にお兄ちゃんに何かを耳打ちしている修ちゃんの姿があって
片付けてから戻ると
「戻って来たな」
「うん?」
「夢姫。氷帝でやっていたようなマネージャー業務をしてみないか」
「え?」
「毎日とは言わない。決めるのはで俺達ではないからな。それに中にばかりいても気が滅入ってしまうだろう。息抜き程度で構わないんだが」
息抜き程度…
「やって見ようかな」
「そうか」
「無理やと思ったら少し休んでんのも俺達のテニスを見てんのもありやで」
「え?」
「言うたやろ。氷帝でされたことを俺達がする訳ないやろ」
そう言えば、ここに来てから自分の事で精いっぱいで真面にお兄ちゃんのテニスも見てない気がする…
「ほな、明日見とけばええやろ」
「そうだな」
「うん」
