So Sweet Valentine
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3日目
「「バレンタインについて、質問攻め?」」
「はい。このところ、妹から毎日のように。私ならどう言ったチョコレートが欲しいかとか、ラッピングはどんな物がいいかとか」
「随分と頼られているんだな」
「比呂君優しいから色々と答えてくれるから余計に頼っちゃうのも無理はないか」
「ひとまず、身近にいる男性なら誰でもいいのだと思いますよ。夢姫さんはお兄さんにそう言った相談はしないのですか?」
「したことないかも。というよりもする以前に氷帝で凄い量を貰ってた方が驚きだけどね」
「おや」
「ほう」
「柳君は、そういったことはないのですか?」
「姉にか?そうだな、今年は今のところ、バレンタインが話題に上がったことはないな」
「同じ女兄弟でも、姉と妹とでは全然違うのでしょうね」
「姉や妹の性格にもよるとは思うがな。夢姫は先輩に頼るところは頼っているのだろう」
「バレンタインに関してはあまり頼ってないけど、他の事で頼る事はあるかな」
==
「最近、弦一郎がピリピリしているようだ」
「バレンタイン?」
「だろうな」
「部員の気がちょっと緩むくらい、大目に見てあげてもいいと思うんだけど」
「部長がそんな事を言っていいのか?」
「俺達が何言ったって、バレンタインにソワソワしてしまう気持ちは止められないよ。特に今年からはテニス部のマネージャーに夢姫という紅一点がいるもんだから余計かも知れないけどね」
「まぁ、それもそうだな。夢姫の事だ。どうせ渡すものはある程度決めているのだろう」
「勿論」
「なんて、真田が厳しくしてくれるから俺達がのんびり構えていられるのかもしれないけど」
「ふふ」
「それも一理ある。結局今のままが1番バランスがいいという事だな」
「確かに」
4日目
「どこもバレンタインムードですね」
「だね」
「うちの店でもやるといいと思うんだよな。バレンタインフェア」
「ラーメン屋さんで、ですか?」
「どこの店でもやってるだろ、そういうの」
「チョコレート味のラーメンとか…」
「いや。カップルで来ると替え玉サービスとかそんなんだって」
「ラーメン屋さんなら、ハート形にした海苔を付けたり、味玉の形を変えるのもありだよね」
「いいかもな、それ」
「バレンタインって何なんでしょうね」
「なんだよ、急に哲学的だな。俺達にとっちゃ、チョコ貰えるか貰えないかの戦いってとこじゃねぇか」
「戦いですか。言い得て妙ですね」
「だね」
「3倍返し、という考え方があるそうです」
「3倍?」
「えぇ」
そうなんだ?
「おや夢姫さんはあまり興味がないようですが」
「ないと言うよりも聞いたことないから」
「バレンタインのお返しじゃな」
「へ?」
「知っていましたか」
「なんじゃ、まだバレンタイン前だと言うのに、気が早いのう」
「私もそう思います。ただ、女子はその先の事まで考えているようで」
「へぇ」
「私のクラスでは、女子生徒が男子生徒全員にチョコレートを配ろうと話し合っているようなのですが、あまり高価なチョコレートにすると男子が大変だからと気を使われていました」
「気の使いどころが間違っとる気がするぜよ」
「お気持ちは嬉しいのですけどね」
「その点夢姫は逆じゃろうけどな」
「ですね」
「ん?」
「お前さん、もしバレンタインに渡すとしてその見返りを要求するかの?」
見返り?
「お返しって事?」
「そうじゃ」
「全く気にしてないかな。今年もあげようと思ってるけど、お返しとか気にしなくていいから」
「ほう」
「ですが」
「その方があたしとしては嬉しいかな。皆にはテニスを頑張って貰ってるし、バレンタインなんていつも練習を頑張ってる皆へのご褒美だとあたしは思ってるけどね」
「そうですか」
「プリ」
==
5日目
「あれ?今帰りか?」
「あ、うん。この間遠征で急遽休んじゃった分の補修を受けて来た帰り」
「あー…成程な」
「お疲れぃ」
「ありがと。2人も部活帰りでしょ?」
「あぁ」
「そういや、もうすぐバレンタインだな」
「だな。今から楽しみだぜ」
「沢山貰えるといいな」
「ああ。ジャッカルが」
「え?俺かよ!」
あ、何となくわかった気がする
「俺もジャッカルも沢山貰ったら、俺が食うチョコが増えるだろぃ」
予想的中
「馬鹿言え。俺のチョコは俺のに決まってんだろ」
「え、そうなの?」
「当り前だ。やらねぇぞ。ぜっっったい、やらねぇからな」
6日目
「珍しい組み合わせだね」
「む?」
「おはよ夢姫」
「おはよう」
「最近皆バレンタインの事ばかり聞いてくるんだけど」
「そりゃ、俺達テニス部の紅一点だからだろぃ」
「そんなんじゃ、ないんだけど」
「いやいや」
「でもなんだかんだ言っても2人だって沢山貰ってそうじゃん」
「たわけが」
「そうか?」
「うん」
学校帰り
「お前さんが歩きとは珍しいのう」
「だな」
「そう?たまに歩いて帰ってるけど」
「「は?」」
「気づいてないのは他にもいそうだけどね」
「じゃな」
「なぁ、そういやウチのクラスの女子、やけにクールじゃねぇ?」
「何がじゃ」
「バレンタインの話になると、なんかフッと話題変えんだよ。そんなの興味ねぇって感じでさ」
「そうだったかのう」
「お前、そういうの気になんねぇのかよ」
「サプライズが如何とか話しとったぜよ。当日をお楽しみにってことじゃろ」
「ああ、なるほど。そういうことって、なんだ。お前も気にしてねぇわけじゃねぇんだな」
「ピヨ…じゃが俺達には既に1つ貰えるじゃろ」
「は?」
「コイツから確実に1つは貰えると参謀が言っておったぜよ」
「それは楽しみだろぃ」
「いやいや、楽しみにしないで」
7日目、珍しく比呂君と雅君と朝から遭遇するとは思わず
「お兄ちゃん」
「仕方がない。止めてくれるか」
「おや珍しい」
「フフ。外にいるもの」
「ああ、そういう事か」
「そういう事」
途中でバスから降ろしてもらって2人の所に行くと
「おはよう」
「おはようございます夢姫さん」
「おはようさん。もうすぐバレンタインだのう」
皆してバレンタインの話ばっかりだ
「ペテンは駄目ですよ」
「分かっとるぜよ」
「おや?妙に素直ですね」
「確かに」
「妙はないじゃろ…おまんら」
「だって、いつも誰かに成りすましてるから」
「まぁ、例えば誰かに成りすましとる時に、うっかりチョコを貰ってしまったら笑えんからのう」
「当り前です。相手にも失礼です」
「けど、あげるがわなら」
「勿論、駄目です」
「あたしに成りすまさないでね?」
「プリ」
プリって
「あ、雅君」
「お、夢姫」
「珍しいね、帰りに赤也君と一緒だなんて」
「そうじゃの」
「そういや、仁王先輩は随分余裕っすけどもらう当てとかあるんすか?」
「フ…」
「なんすか、その余裕な笑み…言っときますけど、家族から貰うチョコはノーカンっすからね!仁王先輩には負けないっすよ!」
「いつから競争になったんじゃ…」
確かに
「そういや夢姫先輩って誰にチョコ渡すとか」
「決めてないよ。寧ろ渡さない方かもしれないけどね」
「えぇ!?」
「諦めんしゃい」
