頼れる先輩
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「なぁ幸村」
「ん?」
練習時間も終わり、あたしも立海テニス部が終わったのを確認すると、皆が飲み終わったボトルを回収していく
「悪いんだけどよ、アイツ少しだけ借りても平気か?」
「あぁ、夢姫の事か。いいよ」
「悪いな」
なんて会話も聞こえているのに聞こえていないふりをしたのは、相手が氷帝学園だからだ
「なぁ夢姫」
「ん?」
「少しだけ俺と長太郎の練習に付き合え」
「何で」
「お前ほどの適任がいねぇんだよ」
ふうん、なんて思っていると
「いいじゃないか」
「お兄ちゃん」
「先輩」
「たまには氷帝のテニスを見るのも悪くはない」
なのかなぁ
お兄ちゃんと一緒にコートに入ると
「大分時間が経過しているな」
「そうだね」
息も切らした亮君は
「もうこんな時間か。仕方ねぇ、今日の練習はここまでにするか」
「はい、お疲れ様です、宍戸さん」
「お前もな、長太郎。なぁスカッドサーブ、また早くなったんじゃねーか?」
「そ、そうですか?」
「ま、俺は返せるけどな。夢姫はどう思う」
「そうだね。確かに鳳君のサーブの威力やスピードは格段に上がってる。変に力んでいる様子も会ったりするから、そこだけ気を付ければ何も問題ないんじゃない?」
「本当ですか?」
「あたしは嘘は言わないよ」
「ですよね」
「もっと肩の力を抜け」
「え?」
「力が入りすぎると、入るサーブも入らなくなるぞ」
「は、はい!」
「鳳君は」
「はい?」
「亮君にきっとサーブは返されちゃうと思うけど」
「はい、宍戸さんは凄いです!」
なんて純粋にそんな事を言うもんだからハハっと思っていると
「バーカ、自分のサーブ返されて喜んでんじゃねぇよ。っと、ガムがもうないな。買ってこねーと。長太郎、ガムやるよ。ラス1」
「俺はいいですよ。宍戸さん、食べてください」
「俺は今感出るのがあっから。ほら」
「それじゃ、遠慮なく…」
受け取っていたガムは
「いいよな、ミントガム。気分がスーッとする気がしないか?」
「そ、そうですね」
「お、いいもん持ってんじゃん」
「え?」
「お前気付いてたろぃ」
「もちろん」
「夢姫」
「お兄ちゃん?」
「先に戻っている」
「あ、うん。分かった」
なんて話をしていると
「ほとんどのガムは膨らまんじゃろ」
「んなことねーよ。俺の持ってるガムは、膨らむのが多いぜぃ」
「そういやお前、よくガム噛んでるよな。今噛んでんの、何味だ」
「グリーンアップル。いるか?」
「お、悪い。催促したみてーになっちまったな」
「俺まで、すみません」
ガムを噛み始めた鳳君は
「あ、思ったほど甘くないんですね」
「…」
「亮君、どうかした?」
「お前も膨らまないよりは、膨らんだ方がいい派か?さっき、ミントガムやった時、ちょっとがっかりしたような顔したろ」
「そ、そんなことありませんよ!」
なんて言い合いをしているときに
「しょうがないのう。ほれ、仲直りしんしゃい。俺のガムやるき」
そう渡していたのはパッチンガムで
「うわぁ…痛そう…」
「痛くなんてねぇよ!」
あ、そうなんだ
「そんじゃ、夢姫は貰ってくぜよ」
「だな」
貰ってくってあたしはモノじゃないんだけどなぁ。なんて思ってると
「そんじゃ、夢姫ありがとよ」
「え?」
「お前と久々にコートに居られたのは楽しかったぜ」
あ、楽しかったんだ?
「それなら良かった。鳳君も無理だけはしないようにね」
「え」
夕食後、図書室の方に行こうと思って歩いていたら
「へぇ」
「お前も興味あんのか」
「ビリヤードにはあまり興味はないけど、見てるのは楽しいよね」
「マジ?」
「うん」
「そういや、お前の趣味って」
「料理を作ること」
「好きな遊びは」
「秘密」
「あーん?」
「お前それじゃ答えになってねーだろ」
「教えないものは教えないよ。じゃあね」
「え?これからどこかに行くのかい?」
「図書室。読みたい本が入ってるって教えて貰ったから借りてこようと思ってね」
「へー…」
「じゃ、また明日」
「どうせ、帰りにまた通るだろうが」
「だね。でも帰る時にはきっと見向きもしないだろうけどね」
そう言って図書室に向かったあたしとビリヤードを続けていた亮君達。
戻ってきた時にまだ白熱していたのは言うまでもない
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