おでかけ in ミニチュア・ワールド
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「まさかあのエリアで童話の本を買うとは思わなかったよ」
「俺もだ」
「新しいの見つけちゃった」
「ま、本人が嬉しそうだからいいんじゃないか」
「だな」
アジアエリアにつくと
「この辺りはアジアエリアか」
なんて話していると
「あれって金閣寺のミニチュアじゃね?」
「小さくても金色だから存在感があるよな」
「あ、万里の長城もあるんだ」
「実際に自分の足で立った事が有る建築物を見下ろすのは、なんだか不思議な気分だよ」
「あの時はどこまでも長城が続いているように見えたが視点が変わると見え方も違って面白いものだ」
「他のミニチュアでも同じような楽しみ方が出来そうだな」
「見るものは多いしどんどん回って行こうぜ」
他の場所に行くと
「ここは他のミニチュアと比べても展示の規模が大きいみたいだね」
「一昔の商店街って感じだな。レトロな感じがするぜ」
「案内によれば『懐かしい街並み』だそうだ。まさに丸井が言った通りだな」
「有名な建築物のミニチュアも感動するけど、こういう素朴な物もいいよな」
「うむ。これはこれで味わい深くも感じるものだ」
「あれ?今家の中」
「どうした赤也」
「この家の中でなんか動いているような気がしたんすよ。窓から見えねーかな」」
「ほう。俺も見てみるとしよう」
赤也君に近づいて行ったレン君を見ていると
「こっちの方からも見えるぜ」
「おお!中で扇風機が動いてんじゃん」
「テレビも付いているようだ。ミニチュアながら実際に動く家電製品とは興味深い」
「こんなに精巧なものが作れるなんてすごいな。俺達も作れたら面白いのに」
「流石に難しいのではないか?」
「そう言えばさっき此処に来る途中にミニチュアを作る体験コーナーの看板があったよ」
「マジかよ。なら俺達も参加できるって事か」
「作れるのは手のひらサイズの日本庭園の様だったがな。家電とは違うが皆でやってみないか」
「いいね。手の上に収まる庭を作ってみるのも面白そうだ」
「いいじゃん。俺達もやってみようぜ」
あたしと同じ案内を見ていたらしいレン君は体験コーナーの場所まで連れて来てくれて
んー…と悩みながらも作っているあたし達
「普段見られない花の組み合わせにしようかな、この庭なら式も自由だしね」
「丸井先輩、めちゃくちゃカラフルじゃないっすか」
「いいだろぃ。お菓子の庭」
「作るのって日本庭園じゃなかったか」
「そうだぞ。もっと…」
「まぁ待て弦一郎。こういう物は自分の心のままに作る楽しさもあるだろう」
「そうだね。作り終わったらみんなで見せ合おうか」
「俺もこだわりの庭を作って見せよう」
皆で見せあった箱庭は
「夢姫のも大分可愛いじゃないか」
「確かに」
「可愛いかな…なんか自分ちの庭しか想像できなくて」
「あー…成程な」
「本当は修ちゃんと京都に一緒に見に行くっていう事も出来るんだけど、流石に難しくて」
「なんで種ヶ島先輩なんだ」
「そのままだよ。修ちゃん旅館とかには顔が聞くから」
「へー…」
「でもせーちゃん達のもすごいね」
「ありがとう」
「まさに心のままに楽しんだ証なのだろうな」
「思いがけずいい体験が出来たな」
他のエリアも見て回っているうちに
「暗くなってきたな」
「もう少し経つと夜のライトアップが見れるぞ」
「ではこの景色は今の内ですね。写真を撮っておきましょう」
「うむ。幸村は何処へ行った」
「さっきのエリアでチュロス買い忘れたってブン太と一緒に戻ってったぜ」
「えぇ?まだ食うんすか?ずっと食ってる気がするんすけど」
「全制覇すると言っとったからのう」
「丸井君はともかく幸村君のお腹が心配ですね」
「丸井の腹もある意味心配ゼヨ」
「皆でちょっとずつなら大丈夫だろ」
「全制覇と言えば各エリアの見るべき建造物はほぼ制覇したと思うが、ショップや体験コーナーは一部飛ばしたからな。行っておきたい場所はないか」
「赤也君はピラミッドはもういいの?」
「そうだな」
「もう充分っす。ていうかなんでピラミッドなんすか」
「到着して暫くピラミッドばかり気にしていただろう」
「赤也は今日行った中では何が印象に残ってるんだ」
「そうっすね…ピラミッドとか…ピラミッド…?」
「ほらみろ」
「そんなに気に行ったんですか?ピラミッド」
「いや、そういうワケじゃないっすけど」
豪邸だとか教会とか言っている赤也君は
「ピラミッド以外名前が出てこない様だ」
「カタカナでやたら長い名前ばっかだしいちいち覚えられないっすよ」
「戻って来たね」
「何やら大量に抱えとるようじゃが」
「まさかあれ、全部食べ物だというのか」
「ついでにあれもこれもってなったんじゃねぇかな。ブン太の事だし」
「わー、幸村部長がすげーウキウキした顔をしてる」
「ライトアップの頃まで食事の時間になりそうだな」
色々と持ち帰って来てくれた食べ物を食べ終わると
「凄いねブンちゃん」
「そんな事ねーだろぃ」
「夢姫が食わないだけじゃき」
そんなことないと思うんだけどな。なんて思っているとお兄ちゃんから連絡が入って
「なんじゃすごく嬉しそうじゃの」
「丁度帰る時間お兄ちゃんと一緒になるかも」
「マジか」
「本当」
「ライトアップには」
「見れるよって言っても待てないお兄ちゃんでもないし」
「そうか」
「じゃあ、どこから見ようか。ライトアップ」
「効率を考えるならエントランス付近から見て回るのがいいかもしれないな」
「そうですね。その方がスムーズです」
「アイツはそんな効率なんて知ったこっちゃなさそうぜよ」
「アイツ?」
なんて思っていると
「む、赤也の姿が見えないようだが」
「アジアエリアのタワーがよく見える場所を探すっつってたぜ。ライトアップが派手なんだってさ」
「へー」
「なんだと?まったく、ヤツには集団行動の何たるかを教えねばならんな」
「そんな事を言ったりするとスタッフにまた勘違いされちゃうよ。引率の先生じゃないんですかって」
「む」
「まぁ、そう言うな。いざとなればスマホで連絡も取れる」
「今日は遊びだしね。それにしても写真ならそうとう撮ってるつもりだけど赤也には負けるよ」
「世界一周っぽいショットを撮りまくってたしな」
「有名な場所は全部撮らないと気が済まんのじゃろ」
「ではひとまずエントランスの方に移動してしまいましょうか」
徐々に暗くなっていくと
「お、見ろ。ライトが付き始めたぜ」
って言われた瞬間
「おお。景色がガラッと変わっちまった」
「さっきまで見てた雰囲気とはまた違うね」
「だな」
「これは…驚いたな。想像以上にカラフルと言うか」
「だが、赤也ら青やら派手な色合いのわりにどぎつさは感じられんのう」
「幻想的…」
「非日常ともいうんでしょうか。暗い通路にライトで照らされたミニチュアが浮かび上がって美しいですね」
「うむ。いっそ雅だ。日本庭園を思わせる風情を感じる」
「俺も似たことを思っていた。侘び寂びとまではいかないが」
んー。と言ったせーちゃんに
「なんだよ幸村君。思ってたのと違うってか?」
「そうじゃなくてさ。ライトアップを撮るのが難しいなって」
「あー。夜景とかってそうだよな」
「あたしも上手く撮れない」
「夢姫も写真を撮ったりするんだな」
「少しはね。でもほとんどお兄ちゃん達と一緒に行ってる遠征で時間が余った時の海外旅行の写真ばかりだけど」
「マジかよ」
「本当」
「スマホを貸してみんしゃい。モード設定でフォローできるじゃろ」
スマホをまー君に渡すと
「これでどうかの。はい、チーズ」
「わっ」
驚いたせーちゃんに
「間に合わなかったな。驚いた顔で写ってしまったかも」
「それはそれでいい思い出になるんじゃねぇか?」
「それもそうか。仁王もありがとう」
「どういたしましてじゃ」
あたしはあたしで撮ってくれたまー君
「あ、ありがとう」
「そう言えば仁王と一緒に写真撮ったら?」
「いいよ…っ」
「そうじゃの」
「あ、見てください。あの古代遺跡動き出しましたよ」
「な、なんだあれは。遺跡がロボットのように変形しだしたぞ」
良く見ると
「良く見ろ弦一郎。プロジェクションマッピングだ」
「プロ…ふむ?そういうものか」
「いや、よくわかってねーだろ」
「全然わかってない気もするけど」
