秋がたくさん
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少し歩いていると
「あ、見えマシタ!」
「何が…」
「!すごい」
「でかっなんだあの大きいイチョウ」
「こんな山の中に、こんな大木があるとは」
「見事に紅葉してる。地面が黄色い絨毯みたいだ」
「不二」
「え?」
声の先にいたのは
「手塚。先に着いてたんだ」
「あぁ、少し前にな。ここが中間地点の様だ」
「そうみたいだね。夢姫ちゃんにヒントを貰えなかったらきっとまだ探してたかもしれないね」
「そうか」
「なんだか久しぶり」
「4時間前に別れたばかりだが」
「そう言うと思った。夢姫ちゃんのお陰でおいしい野イチゴもちょっとだけ堪能できたしね」
「ん?」
「帰ったらこの野イチゴでジャム作るから、好きなデザートにかけて食べるといいよ」
「どういう」
「そうだな。今回はお前たちの為に摘みに来た様なものだからな」
「「え?」」
「合宿所に野イチゴがあったと夢姫からは聞いている。はまへびいちごだから食べられないという事もだ」
「確かに話してはいたが」
「おまんじゅうだ!!」
なんてジロ君の声が響いていて
「おやつも出るなんて、マジマジテンション上がるC~」
「スポーツドリンクとお茶、どっちにしますか?」
「お茶にしようかな」「そうしておこう」
「帰りは其の儘降りるのかい?」
「ううん。まだ摘んでから帰るよ」
「おまんじゅうにデザートか」
「どうかしたか?」
「裕太が喜んでるんじゃないかと思って。今日はグループが分かれちゃったから」
「1年生の面倒をよく見ていたぞ」
「そうなんだ。お兄ちゃんしてる裕太も見たかったな。それにしても、こんなに立派なイチョウがあるならやっぱりカメラを持ってくれば良かった」
「スマホで撮っている者もいたようだが」
「うん、でもカメラじゃないと」
なんて言っている不二君はきっとスマホのカメラじゃなくて普通のカメラで撮る良さを知っているんだろう
「待った。そのまま動かないで」
「なんだ」
「スマホでもいいか」
「ん?」
「写真は撮らないでおくよ」
「カメラがあれば撮るつもりだったのか」
「さぁ、どうかな」
「手塚君。休憩を終えたら…おや不二君もいたんですか。陰で見えませんでした」
「何か用かい?」
「残り半周の事で相談しようと思っただけです」
「そうだな。来た道も険しいが帰りもかなり険しいからな」
「そっちの道はそうでもなかったんだ」
「険しいと言うほどでは無かった。そうだな、情報交換しておくか」
「夢姫。そろそろ降りるぞ」
「あ、うん。じゃあ合宿所でね」
「うん」
帰りは帰りで野イチゴを積みながら歩いていると
「あ、随分と早かったね」
「夢姫ちゃんこそ」
「まぁあちこち止まってたりするからね、あたしもお兄ちゃんも。でもやっぱりこっちには野イチゴ無かったね」
「あぁ」
合宿所についてレストランに入ると
「また随分と」
「此れは中高生たち用に」
「珍しい事も」
「ジャムにしてデザートに付けて貰おうと思って」
「それがいいですね」
ジャムを作り終わらせると
「随分と早かったよだな」
「いろいろあってね」
「?」
「お前んとこの3年が終盤ずっと競り合ってて、つられて全体のペースが速まったせいだな」
「海堂と桃城か。世話を懸けた様だ」
「皆のやる気にもつながってたし、問題ねーよ」
「あ、皆丁度いたね」
「夢姫も帰って来てたのか」
「途中でいなくなったんだよ」
「近道をしたと言ってよ」
「ほう」
「今日言った山で取れた野イチゴでジャムを作ったから、中高生達が揃ったら出すね」
「へぇ」
「でもその前に鳳、お前もさっさと風呂に行ってこい。レストランで皆と待ってるぜ」
「もしかして夕飯まだなんですか!?」
「中高生たちはみんなまだ食べてないね。大人組とあたしは食べちゃったけど」
「食べながら、いろいろと話を聞きたいなって。すごく楽しかったみたいだから」
「俺が?」
「そういう顔してる」
「お前たちほどではないと思うが」
「そう?」
「あぁ。後で話を聞くとしよう」
レストランに入ってきた皆がそろって食事後に出したジャムを出すと
「あの黒い見た目からは想像できない綺麗な色だね」
「美味しいんだよ?」
「そうなんだ」
翌日
無くなってしまっている野イチゴをみて悲しそうな顔をした天根君と鳳君
「フフ」
「なんですか?」
「じゃああの山の近くだけで野イチゴ取って来ようか」
「え?」
「いいんですか?」
「勿論。敷地内だし、問題ないよね?ほー君」
「好きにしろ。あまり遠くにだけは行くなよ」
「はーい」
「それじゃ、行こっか」
3人で野イチゴを摘んで2人が食べていたのはいうまでもない
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