秋がたくさん
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山の中に入って数時間
「色々と摂れたね」
「そのようだ。だが」
「だが?」
「向こうを見てみろ」
お兄ちゃんの目線の先には別の野イチゴがあって
「合宿所で見たんだ。たぶん、同じ種類だと思う」
「本当だ。この山から種が運ばれてきたのかな」
「どうだろうね?」
「え?夢姫ちゃん」
「なんでこんな所に」
「というか先輩は」
「すぐに追いつくよ」
「「え?」」
「野イチゴには毒がないと思うと、すごく美味しそうに見えて来た」
「なんや、よう知っとるな」
「手塚と夢姫ちゃんが教えてくれたんだよ。野イチゴに毒のある種類はないって」
「せやったんか。手塚君も毒に詳しいんやな。今度話してみよかな」
「特別詳しいわけじゃないと思うよ。山草には詳しいかもだけど。夢姫ちゃんはどうなんだい?」
「毒があるかどうかは全く詳しくないけど、初めて見るものに関しては写真を撮って、聞いたりしてる」
「そうなんだ」
「でも、天根君の持ってるその野イチゴは食べられるよ。ちょうど摘みに来たところだし」
「ん?」
「摘むんか」
「うん。この野イチゴを使ってジャムを作るの」
「それはまた」
「美味しそうだね」
「美味しいかどうかは別として、毎年作ってもすぐになくなっちゃうくらいには人気があるからね」
「へぇ、それはいいことを聞いたよ」
「せやな」
「じゃ、また後でね」
お兄ちゃんと一緒に別の場所に探しに行くと
「すごいなぁ」
っていう声が聞こえてきて
「こういう時、みんなを奮い立たせられるのが部長なんだなって」
「ああ、そういう話か。部長言うてもいろいろやろ。あの2人もタイプちゃうし」
「それを言ったら跡部さんだって違うけど」
「まぁ、どの部長も頼りになるんは確かやな」
「あ、越知先輩に夢姫さん」
「あ、本当だ」
籠の中に野イチゴを放り込んでいると
「そう言えば」
「うん?」
「合宿所にも野イチゴがあったんだよ」
「それはまた」
「でもへびいちごだったの」
「ジャムには出来なさそうだな」
「うん」
なんて話をしていると
「そろそろ中間地点のはずだけど」
「あとちょっとで着くはずデース」
「そう言って30分くらい歩いてるぜ」
「もしかして、実はとっくに過ぎてんじゃね?目印とかねーかもだし」
「そうだとしたら、逆から歩いてる奴等とすれ違うはずだろ」
なんて険悪な雰囲気になっている亮君達が目に入っていて
「2人とも、深呼吸だ」
「「え」」
「だんだん喧嘩腰になってるぞ。まぁ無理もないけど」
なんて言われている始末だ
「あ夢姫じゃん」
「本当だ。先輩も一緒なんだね」
「うん。喧嘩っぽくなってるなぁくらいには観てたけど」
「傍観してたのかよ」
「まさか。あたしは野イチゴを取りに来てるだけだもん」
「にしてはお前は疲れてなさそうじゃねーか」
「無理のない程度に休憩は入れている」
「あ、そうなんっすね」
「山道に入ってそろそろ4時間だからな。疲労がピークに達しているだろうし」
「悪い。言い合いのつもりは無かったんだけどよ」
「でも確かに気はたってたかもな。歩いても歩いても目的地が見えねーっつーか」
「歩いてりゃ、その内着く。もうひと踏ん張りだ」
なんて言われていて
「お兄ちゃん」
「なんだ」
「しゃがんでくれる?」
「「え?」」
「問題ない」
しゃがんでくれたお兄ちゃんの背負っている籠から取り出したのはマルベリーで
「随分と黒いな」
「これも野イチゴの一種だよ。朝話しをしたでしょう?」
「あぁ、それが言っていた野イチゴなのかい?」
「そう。これがマルベリー。そのまま食べても美味しいんだよ」
「マジかよ…んなも…」
そう言われてすぐに亮君の口の中に放り込んだあたし
「あま」
「へぇ」
不二君たちもマルベリーを食べていて
「あ、本当だ」
「少しは気休めになった?」
「おう」
「気を張ってても疲れるだけだからな」
「気楽に…までは無理だろうけど、あまり力まずに行こうよ」
「フフ」
「ん?」
「流石部長だなって思って」
「はは、そうか?誉め言葉として受け取っておく」
「部長っつーなら先輩も部長でしたよね」
「そうなんですか?」
「お兄ちゃんは氷帝学園の中等部から高等部のテニス部だった6年間ずっと部長だよ」
「へぇ」
「トレーニングの一環とは言え、あまり無茶だけはするなよ」
「え?」
「そうだね。気負いせず、森林浴でもしながら歩いてたらいいんじゃない?」
「どういう」
「せっかくの紅葉シーズンだ。秋の空気に触れるのもトレーニングの一環だという事だ」
「どういう」
「なら俺と夢姫が知っている大きなヒントをお前たちにはやろう」
「大きなヒント?」
「この先に大きなイチョウの木がある。行ってみるといい。見晴らしもいいぞ」
「「イチョウの木ね」」
「夢姫も一緒に行こうぜ」
「え゛」
「どうせ行く方向は同じだろ?夢姫」
「同じだけど」
「なら問題ないね」
