秋がたくさん
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合宿所も涼しくなってきたころ
「朝からやけに賑やかだな。何人か集まっているようだが」
「植木を熱心に見てるようだけど」
「おはよう」
「おひょう夢姫」
「おはよう夢姫ちゃん」
「で、あの人だかりは一体」
「さぁ」
「俺達も今見たばかりなんだ」
あ、そうなんだ
「どうして、こんなところに…」
「何かいるのかい?」
「あ、おはようございます」
「ベリーがベリー沢山生えている」
ベリーが沢山?
「「?」」
「ちょっと、話をややこしくしないでください」
「えっと、野イチゴを見つけたんです」
ほら、と見せてくれたのは確かに野イチゴで
「あれ、本当だ」
「よく見たら、あちこちに生えているようだ」
「鳥が種を運んできたんじゃないかと話していた所です」
「きっとそうだね」
「夢姫ちゃんの物じゃないんだ?」
「こんな風にあちこちには種はまかないよ。ちゃんと決まった場所に植えたいから」
「そうなんだ」
「このいちご、食べられるんだろうか」
「え、どうかな…野イチゴにもいろんな種類があるから。へびいちごっていう物騒な名前も聞いた事があるよ」
「そうだね。あたし的にはマルベリーが好きだけど」
「「マルベリー?」」
「うん。野イチゴにも種類がいろいろあるって言っていたでしょう?マルベリーも野イチゴの1つ。ベリーとは裏腹に意外と黒いからね。でも小さい実なんだけど1つの木に沢山なるんだよ。コーチ達には果実酒にしてるけど、あたしたち用にジャムも出来るしね」
「へぇ」
「でも皆も1度は見た事が有ると思うけど、マルベリーの葉は桑の葉なんだよ」
「そうなんですね」
「うん」
「コーチたち用という事はこの合宿所に」
「敷地内に沢山あるしね」
「なるほど。其れはいい話を聞きました」
「でもこれは」
鳳君が持っている野イチゴ
「これがへびいちごだね」
「えぇ?」
「へびいちごは食べる事は出来ないけど、虫刺され予防にはなるんだよ」
「良く知ってるね」
「育人君とか、大和君とかよく教えてくれたんだよ。まぁへびいちごも食べられないわけじゃないけど、食べても美味しくないから甘く煮てジャムにするのがお勧めかな」
「へぇ」
「野イチゴにもちゃんと時期もあるですよ」
「時期…ですか」
後ろから声がするかと思えば育人君で
「えぇ。本来このへびいちごは6月~8月、夏に実る苺とも言われています。そうですね、これからの時期なんかはバライチゴやフユイチゴが実る時期でしょうね」
「山に行ったら取れると思う?野イチゴ」
「取れると思いますよ」
「夢姫ちゃんが取りに行くのかい?」
「うん。お兄ちゃんと一緒に」
「へぇ」
フフフと笑いながら行ってしまったけど
「毒のあるなしは白石あたりに聞けば分かりそうだけど」
「野イチゴに毒のある種類はないはずだ。夢姫の言う通り味の良し悪しはあるようだが。味の悪いものを、ヘビイチゴなどと呼んで敬遠したのではなかったか」
「それも1つの理由としてあげられているね。でも湿った草地や蛙道っていうヘビが出そうなところに生えているって言う理由もあるけどね」
「へぇ、詳しいんですね」
「そうか?山草に多少知見があるだけだ。夢姫の方が詳しいのではないか」
「そんな事は無いけど」
「前に文化祭でそんな展示をしてたよね。中学1年の時かな。山草を色々スケッチしてさ」
「よく覚えているな」
「そうなんだ」
「さて、そろそろ練習の時間だ。行くぞ」
「フフ。分かったよ」
不二君たちがコートに向かったと思ったら
「珍しいな。こんな所に野イチゴとは」
「ですね。お兄ちゃんって今日いましたっけ?」
「いる筈だが、どうかしたのか」
あ、育人君がいるからここに居ないという事は無いか
「実はそろそろ」
「成程な。ならば先に行っていろ」
「え?」
丁度出るタイミングが重なったあたしと手塚君達
「おい、2人とも。ペース配分を考えて歩け」
「あれで意外とペースが落ちないから、大したものだよね」
「感心している場合か」
そう言ってあきれている手塚君と感心している不二君の姿。その前には桃城君と海堂君の姿があって
「でも夢姫ちゃんは何で籠なんてしょっているんだい?」
「すぐに分かるよ」
「「ん?」」
後ろから来たお兄ちゃんに籠を持ってもらって
「こういうこと」
「なるほどね」
「コーチの話によると、山までの距離は2時間。山と合宿所の往復だけで4時間のウォーキングだ。山歩きを含めれば、どれだけの時間を歩くことになるのか分からない」
「それはそうだけど、今から用心しすぎることはないんじゃないかな。それにほら、桃もさっき言ってたけどいい天気だ。カメラを持ってきても良かったかもね」
「これはトレーニングだぞ、不二」
クスクスと笑っていると
「確かにトレーニングだけど、多少の気分転換にはなると思うよ」
「何?」
「あたしもお兄ちゃんも野イチゴを探しに行くけど、ある意味森林浴と大して変わらないし」
「森林浴か」
「そう」
「俺にとってはトレーニングと何ら変わらない。という事だ」
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