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「ここにいる人たちはね自分たちの出ている学校の試合のほとんどを見に行ってる。祐大君だってその1人。あたしは関東大会は見に行けなかったけど祐大君は見に行ってるよ」
「気づかなかった」
「あぁ」
「そして全国大会も見に来てくれてるよ。祐大君喜んでいたもの」
「そこまで見に来てくれていたのか」
「そう。だからチームシャッフルをするとあたしは聞かされたし、オーダーも昨日のうちに知ってた。祐大君も昨日のうちには知ってたよ。
だからこそ、あの早朝に越前君に見に来ないかとまで誘いに来ていた。でも祐大君の事を知って居る同じ学校の人間ならやはり見たいでしょう?自分たちの先輩の試合をしている姿を」
「だから僕たちをここにつれてきてくれたのかい?」
「それもある。でも中々学校で部長をしていた人間同士の試合なんて見られるものじゃない」
「「確かに」」
あたしが後ろに下がると
「え?越知さんは見ないのかい?」
「夕飯の支度とコーチに頼まれているものを持って行かなくちゃいけないから」
「「??」」
「試合は最後まで見ていて構わないよ。終わったらトレーニングしながら戻るし」
「は?」
皆から離れてキッチンへ戻ると
「おや。随分と早くないですか」
「監督からの指示ですよ。筋力トレーニングを向こうも開始しました。その為には食事面も少し変更しなくてはいけないのも事実なので」
「確かに」
お肉やらいろいろなものに下味をつけて食材を仕舞いこむと
「斎藤コーチ」
「んー?」
「あの時とはやはり違うようです」
「おや」
「越知の家で異母兄妹だと言うのに優しくしてくれるお兄ちゃんがいるというだけで一緒に作った食事を目の前で捨てられたり、ラケットやボールを当ててくる選手はあの山の中にはいない事
きっとこの合宿所の中にもきっとそういう人たちは大勢いて、今日だってジュウ君が率いている選抜メンバーの人たちはちゃんと食べてくれている」
「そうだねぇ。確かにここに来て4年。夢姫ちゃんが食事面でのサポートをしたいと中学生になった時に言って来たのは驚きだけどね
それでも選手にとっては物凄くいい傾向になっているのも事実だよ。でもそれだけじゃないんだろう?」
「ばれちゃいました?」
「勿論。君に頼んだ時きっと初日で辞めると思っていたからね僕も黒部ぇも。そして三船コーチも」
「あたしもそのつもりでしたよ?でもあたしの作ったご飯を美味しいって言って食べてくれる人たちだからこそ作ってあげようって思ったのも事実ですもん」
「そうかい」
「そうそう。明日からの食材にたんぱく質を多く含まれる食材を増やしてほしいです」
「構わないよ」
それだけ言って戻って行ってしまったコーチと食材を持ってキッチンを出ると
カズ君と一緒にラリーをしていたのであろう修ちゃんもコートにはいて、手塚君と祐大君の試合を見ていた
「修ちゃん」
「随分と早いなぁ」
「そんな事無いよ?また山に戻っちゃうし。それに今は」
フェンス越しに見せている青学の選手たち
「成程そういう事かいな」
「そう言うこと。あのおっさんとうとう始めよったな」
「うん。だから食事面も少し変更」
「やろうな」
「修ちゃんもカズ君もお昼ご飯は作ってあるから食べてね」
「助かる」
「いいえ」
皆の所に行くと
「あの人たちと随分親しげに話してるっすよね」
「全国大会も一緒にいる比率の方が多いようにも見受けていたけど」
「あの2人は1番コートから動いたことないからなぁ。まぁコーチが筋力トレーニングを開始させたことも踏まえたらそろそろ1軍メンバー全員揃うと思うし。その間に筋力はしっかりと付けて貰わないと」
「へ?」
「じゃあ戻ろう」
「見に来てくれたんですね。君たちも」
そう言った大石君と皆の目の前に来てくれた
「部長」
「祐大君。お疲れ様」
「えぇ僕も楽しかったですよ。己の信じる道に身を任せるのも悪くは無いですよ」
「そっか。でも修ちゃん達も見てたよ?1番コートで祐大君の試合」
「そうですか」
「僕は僕の信じる道を歩んできてよかった。今日はそれを確信出来ました。君も君たちも自分の信じた道を歩んでください」
背を向けた優ぢあ君の背中が何だか寂しそうで
「皆は先に戻ってて」
「え?」
「でも」
「大丈夫。あたしもどうせすぐに戻るから」
食材を持たせてあたしは大和君の方へ行くと
「おや。ついて」
「祐大君、なんか寂しそうだから」
「そうでもないですよ」
「嘘だ。だって…」
「僕の引退試合でもあったわけです」
引退…試合…
「でも別に」
「テニスを辞めるわけではない。5番コートに入るだけの事です」
「また、戻れるんだよね」
「えぇ戻ってきますよ3番コートに。なので今は彼らの食事面でのサポートをしっかりと頼みますよ」
「はい」
頭を下げて山に入った途中で皆と合流したあたしは
「随分と話し込んできたのかい?」
「そうでもないよ。祐大君と話してただけだし合宿所に戻ればまた会えるから」
「え?」
「そのためにはまず皆がするべきことは基礎体力に筋力づくり。コーチの指導も厳しいと思うけどちゃんと皆にとっての意味があってしている事だから」
「どういう」
「そのままの意味」
必要な食材を先に受け取り、お米は皆に運んでもらおうとお願いして先に上に上がると
「もう帰って来たのか」
「はい。青学にいる選手も大石君もみんないい表情をしていますよ。見せてあげられてよかったです」
「そうか」
他の人たちが見当たらないと思えば走り込みに行ってしまったのだとか
「随分と張り切ってるなぁ」
「他の奴等に負けてられないだろう」
それもそっか
食事を作り終わると
「夢姫」
「はい?」
「夕飯を早めに作って今日はさっさと下に降りろ」
コーチがそう言うくらいだ何か考えがあるのだろう
「革命を起こしてやる。そしてぼちぼちあいつ等も帰って来る。お前は向こうで待っておれ」
「はい」
夕飯も作ってメモ書きを残して帰る支度をしていると
「あれ?」
「もう帰るんか?」
「うん」
「俺らの飯は~?」
「ちゃんと作ってある。じゃあ、コーチあたしは一足先におりますね」
下に降りるとチームシャッフルは終わっていたようで
「終わってる」
「どうかしたのか」
「カズ君。ううんチームシャッフル終わっちゃってるなぁっておもって」
「あぁ3番コートの負けだ。3番コートに鬼さんと鬼さん率いる中高生が入る」
そうなんだ。カズ君が1人だという事は修ちゃんはどっかに行ったんだろう
「だがお前も早いだろう」
「入道コーチに一足先に下に降りろってね。こっちでもう待って居ろって言われたから山に行くことはないだろうけど」
「そうか」
「これで修ちゃんの練習がたくさん見られる」
「お前はそういう奴だな」
「じゃ、あたしは修ちゃん探しに行って来るね」
「その前に、水分をしっかりとっていけ」
カズ君に水を渡されると持ったまま探しに出たあたしは、水道で顔を洗っているカナ君を先に見つけて
「お疲れ様」
「あぁ」
「おーい奏多?」
ばさりと投げ渡されているタオルをしっかりとキャッチするカナ君も凄いけど、その声の先には探していた修ちゃんの姿
「あれれ?腕上がらんのとちゃうんか」
「腕?」
「奏多はな今年来た高校生の跡部との試合はノーゲームや」
「へ?カナ君に限ってそんな試合なんてあるの?」
「今回が初めてだよ。それに修さん。詮索はなしにしてよ」
「その内足元救われるで?」
「でも」
でも?
「人の気持ちがわかるって言うのも善し悪しだね」
「え?」
「やっぱり負けたんだよ僕は。あの跡部って子の心意気にね」
「奏多」
「カナ君…」
「それに彼らの進化をもうちょっと見届けたいでしょ」
そう笑ったカナ君だけど内心はきっと複雑なんだろう
「そういや夢姫」
「うん?」
「帰って来るのはやないか」
「入道コーチ…監督からね?もうそろそろお兄ちゃんたちも帰って来るし山籠もりしてる人たちももうしばらくしたらあの山から降ろしてくるっていうから。で、あたしは一足先に下に降りてここで待ってろって」
「へぇ」
「あのコーチがねぇ」
「そう。だから戻って来ちゃったしあの高校生たちの食事はシェフが作るでしょ?あたしは修ちゃん達の食事をこれからしっかり作れるよ」
「そら助かるわ」