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翌朝
「おはようございます」
「おう、おはよ」
掲示板には鳳君と円城寺君の名前が再び載っていて
「お前が何か言った?」
「何も」
「何も?」
「何も言ってない。これを組むのはコーチ達であたしは関与しないから」
「へぇ」
「今日はジロ君と鳳君…なの?」
「あぁ。ってか本当に知らなかったのかよ」
「知らない」
「っていうか鳳は?一緒じゃねぇのか?」
「あーあぁ、アイツなら試合辞退して屋内練習場で自主練だって」
だから昨日あたしに聞いてきたんだ
「今やっても負けるだけだからってさ」
「そっか。なぁちょっとお前も付き合えよ」
「なんであたしまで」
「同じ立海生で氷帝だろぃ」
「元ね、元」
氷帝を出ている身としては氷帝だとは言え荒れたくはない
「そんでもアイツがお前の後輩になることには変わりはねぇだろ」
「そうかも知れないけど」
「んじゃ決定な」
丸井君と一緒に屋内練習場に行く前に
「じゃあ、ちょっとだけ待ってて」
「は?」
「飲み物持ってくる」
キッチンに入ると
「レストランとはまた違うんだな」
「ここはねあたし専用にって監督とコーチ達から作ってくれたの」
「マジ?」
「本当。中学に通えなくて。コーチ達からここで自由にしていいと言われたときにその自由の意味さえ分からなくて。その時にある資格を取ったらって言われて取った後に監督から合格祝いにってこのキッチンを作って貰ったの」
「合格祝いでこのキッチンかよ」
「家電に関しては、ここの選手たちのご家族からいただいたものだけどね」
「は?」
「もういらなくなって新しいものに買い替えるとかで使わないと言った家電を貰ってるの」
「すげぇラインだな」
「だよね。あたしもそう思ってる。でも実際まだまだ使えるものだからあたし的にはすごく助かってるけどね」
「ふーん」
冷蔵庫から取り出したのはデトックスウォーターで
「なんかすげぇもんが入ってねぇか?」
「これはデトックスウォーターっていってね。フルーツや野菜を水の中に入れて必要な栄養素を体に取り込んでいくの」
「へぇ」
ここで飲んでる人たちの方が数少ないけどね。ボトルに飲み物を入れて屋内練習場の方に行くと
「丸井さん?それと越知さんも」
「円城寺君との昨日の試合で自分の実力が追い付いていないと?」
「そんでビビッてすっかり試合放棄か」
「そんなんじゃ…」
「いいか?1日に数百回。いや数千回、ラケットのグリップを握っては離し握っては離しを繰り返すんだ」
「え?」
そんな方法が良くもまぁ思いつくことで
「そうやって握力をアップさせりゃもうラケットを弾かれる事もないだろぃ」
「あ…」
「お前まで連れて来ちまったけど」
「大丈夫だよ。じゃああたしからも」
「越知さん?」
「お兄ちゃんが帰ってきたら越知が2人になるからもうしばらくしたら名前で読んでね?鳳君も丸井君も」
「どういう」
「はいこれ」
そう渡したのはお兄ちゃんが中学、高校の時の氷帝でのテニスの試合とここでの試合のビデオだ
「なんでこれを」
「サーブに力を入れていきたいのならお兄ちゃんの試合を見ることをお勧めするわ」
「でも」
「鳳君のサーブはお兄ちゃんの打つサーブによく似ている」
「「!!」」
「練習も大事。だけど鳳君はもっと他の選手の試合や練習を見て行った方がいい」
「え?」
「今から凄い練習が見られるから一緒においでよ」
「今から…ですか」
「そう。今から」
ジュウ君からはそろそろ始めると連絡が入って来ていて
「その凄い練習って一体なんだよぃ」
「ジュウ君とカズ君の練習風景」
「は?」
「え?」
「これだけ言っておこうかな。今この合宿所に元No1の実力者がいて、No2もいるって言うことは覚えておいた方がいい」
「そんな凄い人が…」
「元No1の人間の練習後継が見られるって言うのは幸せ者だよ」
鳳君と一緒にコートに行くと既に始めていたジュウ君とカズ君
「ようやく来たか」
「ちょっとね。鳳君と話を」
「ほう」
コートの中ではボールをいくつも打ち合っていて
「こんな練習風景があるんですね」
「ジュウ君、カズ君ドリンク置いておくよ」
「おうよ」
「でもなんだってこの人たちの練習を」
「教えたでしょ?元No1の実力を持ってる人間の練習風景だよ」
「そう言えば」
「ジュウ君がそうなの」
「え?」
打ち合っている割にはあたしの方にも気にかけられるほどの余裕はあるようで
「お前、越知の」
「うん?」
「試合のビデオ」
「鳳君に渡してあるよ」
「そうかよ」
==
数日後
「試合。出るのか?」
「はい。アドバイスありがとうございました。夢姫さんにも助けられました」
「コイツに?」
「はい。いいものを見させて貰って」
「そう?ならもう1つ」
「え?」
「ジュウ君からの伝言。夜にまたコートで。だそうだよ?」
「夜にコート?」
「良かったね鳳君」
「どういうことだよぃ」
「ジュウ君が自ら練習相手になってくれるって事だよ」
「マジかよ」
「それにまだ見てるんでしょ?例のもの」
「まだ見ていなくって」
「早めに見ることをお勧めするわ」
「そうします」
鳳君の使っているグリップはボロボロになっていて
「おーおーやってんなぁ」
「おはようございます」
「おはよう修ちゃん」
「おはようさん。にしても凄いグリップやな」
「握力強化してるんだって」
「へぇそら凄いわ。今日も試合なんやろ?」
「鳳君はね。円城寺君と再選なんだって」
「さよか。せやから昨日ジュウの練習見せてたんかいな」
「!?」
「知って…」
「知ってたで。あのコートは夢姫が夜にあそこにいてもすぐに見つけられる場所やからな」
「どういう」
「すぐに分かる。けどそんだけボロボロの方が使われてて気持ちええけど、ちゃんと治しときや」
「どういう」
「その手首、ちゃんと治さんとあとにも響くで」
「「!!」」
「そろそろ時間だね」
「やな」
「ほら、コレ使え」
「でもこれ」
「ジャッカルの忘れもんだ」
それを受け取った鳳君はお辞儀をして走って行って
「でもなんでアイツの手首の件」
「冷やした後があったからな。手首を故障して選手生命を短くするやつも多い。それを未然に防ぐんも自分自身や。せやけどその前に夢姫がやったんやろ」
「あたり」
「夢姫がツッキーの試合の映像まで見せるんは驚きやったけどな」
コートの方まで行くと
「だってちょっと似てない?鳳君とお兄ちゃん」
「そうか?」
「だからかな。鳳君を見捨てられないのは」
「夢姫らしいけどな」
コートでは
「今度は逃げずに現れたか。だが何度やっても結果は同じだ」
「それはやってみないと分からないと思います」
「彼、顔つきが変わったね」
「あぁ。ええ選手の目をしとるわ」
「1セットマッチ鳳トゥーサーブ」
円城寺君の打ったボールを打ち返していて
「打ち返しよった」
「お前、アイツに何を教えたん?」
「見せただけだよ。同じパワーテニスをする彼のテニスと氷帝学園にいたお兄ちゃんのテニスをね」
「さよか」
お兄ちゃんのテニス。それに反応をしたのは跡部君と忍足君だ
「どういう事や」
「夢姫ってば先輩の試合」
「全部見てるよ。学校に行けなくてもお兄ちゃんの傍にはいた」
「ホンマかいな」
「嘘やないで」
そんな中でも経って居るのがやっとな2人
「ちょっとー2人とも経ってるのがやっとって感じだC」
「どっちが先に倒れるか。やな」
コートに倒れこんだのは円城寺君で
「そこまで!」
「鳳長太郎、6番コート昇格!」
「鳳が世話になったみてぇだな」
「別にぃ」
「お疲れ様」
椅子に座り込んだ鳳君に渡したのは
「持ってきてたんかいな」
「まーねー」
「いいんですか?」
「勿論」
「なんや、お前等ん中で夢姫が最初に渡すんはコイツやったんかいな」
「だってちょっとだけ、お兄ちゃんに似てるところがあるからね」
すぐに修ちゃんの隣に戻ると
「そのお兄ちゃんって」
「慈郎が先輩って言ってる人間と」
「同一人物だよ」
「そんじゃ夢姫」
「うん?」
「お前は今日の夜から俺の試合に同行な」
「支度しておくね!」
「即答で返答した」
「夢姫はな俺達の試合の同行は即答するけどお前等にはきっとそれはないやろうな。夢姫の心を開かんうちは」
「どういう」
「じゃ、夜まで自由にしてよ」
==
夜修ちゃんと外に出ると
「せっかくやしもう一汗かくか」
っていう声が聞こえてきて
「いろいろゆーても、皆気にしてるんやな。去っていった仲間の事」
「誰も忘れてなんかないさ。ただ、それを口に出して言うか言わないかの違いだけだ」
なんて声が聞こえて来ていて
「テニスを続ける以上、勝者にもなれば敗者にもなる。結果的に誰かを傷つけることになっても勝ったものは負けたものの想いを受け止めながらただ前に進むしかないんだ。それが勝負の世界に身を置く僕らの宿命なんだよ」
「せやな」
その中には鳳君の姿もあって
「ねぇ修ちゃん」
「ん?」
「あのね」
あたしの言葉に納得をしてくれたらしい修ちゃんを見届けると
「で?キミはこんな時間に女の子1人だと言うのに出てきて平気なのかい?」
「え?ホンマや」
「大丈夫だよ?ほんのちょっと前まで一緒に居た人がいたけどね」
「へぇ」
「でもなんだって急に」
「まぁちょっとね」
==
「あのね…ほんのちょっとだけ、彼らのテニスここで見ていたいかな。ここで、この場所で」
==
「あまり長く外にはいない様にね」
「え?」
「風邪ひいちゃうといけないから」
「跡部さん、さっきは」
「構わねぇよ。奴等はまた這い上がってくる。こんな所で終わるようなヤワな奴等じゃねーだろ」
「はいっ」
「今の氷帝は今の氷帝で面倒見がいいのかもしれないね」
「どういう意味や」
「そのままの意味」
同級生にも後輩にも慕われる
==
翌朝
「お前、種ヶ島について行ったんじゃ」
「途中でやめちゃった」
「そうかよ」