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合宿所に戻ると、直ぐに拾ってきた栗を茹でてから鬼皮をむいているときだった
「随分と細かい作業をしているようだね」
「!?」
顔を上げると笑顔の幸村君と不二君が揃っていて
「びっくりした…」
「ごめんね?驚かすつもりは無かったんだけど。しっかし大分剥いているようだね」
「そうだね。まぁジロ君が食事量が減っているのも事実で食べて貰えるなら何でもって感じかなので」
「そうなんだ」
「でもなんだって芥川だけなんだい?」
「だって他の皆は割かしちゃんと食事量も摂取してるもの」
「へぇ」
皮を剥いた栗をクチナシの実を使って黄色くする方法をあたしは使っている
「あのままでいいのかい?」
「えぇ。一晩寝かせた方が染み込んでいくもの」
「へぇ」
「俺達も食べてみたいな」
オレタチモタベテミタイナ?何で俺ではなくオレタチなの?
「そうだね。幸村と全く同じことを考えていたよ」
「作る気はないと言ったでしょう?それにこれから明日の仕込みもあるので」
「俺様達にも少しは寄こしてみろよ」
げぇって思ってしまったのは跡部君たちもここに来ていたからで
「勘弁してよ」
「作らねぇって言ったお前が悪いんだろ」
「何も夢姫が悪いわけじゃないんだよ」
「んだと?」
跡部君たちの後ろから聞きなれた声がすると思えば
「カナ君…」
「夢姫が作らないのはね。氷帝の幼稚舎での出来事もあるからだよ」
「あ?」
「氷帝の幼稚舎?」
「夢姫は氷帝の幼稚舎の調理実習で作った食事を一緒に作っただけなのに同じ班の人たちに捨てられてるんだ。ただ夢姫と作ったってだけでね」
「な!?」
「そんな事があってここに来た時も最初は越知君にしか作って居なかったし。その次が修さんだったんだよ」
「え?」
「山の中に夢姫が作りに行っているのは確かにコーチからの指示があるかもしれないけど、食事内容までコーチたちは把握してないよ。そこは夢姫の独断。
つまりここにいる誰よりも向こうにいる彼らの方がよっぽど栄養のある食事もしているんだよ。初日から久々に嬉しそうな顔をしてる夢姫の姿も僕たちや修さん、コーチたちは確認を取っているよ」
「何?」
「それだけの表情を今の君たちに作れるのかな」
「奏多。それ以上言うのはやめとき」
「修ちゃんっ」
カナ君に言われたことが恥ずかしくて修ちゃんの方に行くと
「俺的には向こうの奴等の方が心を開いとるのも知っとるからなぁ。ここでも何人か開いてそうやけど」
「開いてそうだけど?」
「こっちに残っている奴も向こうにいる奴も比嘉の奴等には夢姫は全く心を開いとらん」
「な!?」
「どういう意味やさ」
「そのままの意味やろ。去年の全国大会の時のことはコーチ共は知らんくとも監督は知ってんで」
「え?」
「は?」
「言うてあん時俺は実力の半分も出しとらんけどな」
「修ちゃんは栗ご飯と栗のおこわどっちがいい?」
「俺はおこわの方が好きやな」
「じゃ、明日はおこわにしよ」
「これが今の君たちと僕たちの中にある差だよ」
悔しそうな表情をしている不二君たち
「じゃあ」
「?」
「今度のシャッフルマッチで5人勝つことが出来たら1日だけ作ってあげるよ」
「本当かい?」
「本当。5人勝たなければ作ることはないけど」
「やってあげるよ。立海の名に懸けて」
「それは僕たちも同じだよ」
「頑張ってね」
皆が出て行った後
「チームシャッフルかぁ」
「夢姫」
「んー?」
「鬼からはきっと何も聞かされていないと思うけど」
「うん?」
「5番コートは鬼を抜いて今年高校生になった人間が多数。その中に中学生も入っているよ」
!?
「つまり夢姫は鬼に作る=5番コートだと思っているけど作る気かい?」
「ジュウ君には言ってあるけど。一応」
「そっか」
「なら夢姫」」
「ん?」
「試合が終わった後のアレ。作っておき。山の中にいる奴等にも作ったんやろ」
「うん。分かった」
==
翌朝キッチンに立つと栗にクチナシの色がちゃんと染み込んでいるようで
「これで作れる」
そう思ってクリームを泡立ててからマロンケーキを作っておく。
その後に栗のおこわを作って握ってジュウ君たちのいるコートへ持って行くと皆練習していて
「頑張ってるなぁ」
「あ?」
「なんでてめぇみてぇな女がここに居やがる」
「阿久津仁。こいつは特別だ。俺達の食事面のサポートをしている」
「んなもんいらねーんだよ」
「いらないのなら結構。ジュウ君昨日言ってた朝ごはん作って来たよ」
「悪いな」
重箱を開けると確りとした朝ごはんをきっちり詰め込んでいて
「すげぇ」
「全く。シェフがなげくので事前に言っておいてくださいね」
「わるいな」
「どういう」
「今日はチームシャッフルをすると言うから特別です。明日からはシェフの作ってくれる食事をとってください。
ジュウ君、あたしは向こうに行かなくちゃいけないからこれで戻るね」
「みて行かねーのか」
「見ている暇なんて無いもの」
コートから立ちあがってキッチンへ行くとジロ君と丸井君が揃っていて
「おっはよー夢姫」
「おはよう?」
「悪いな朝早くから」
「ううん。それは構わないんだけどまさかもう食べに来たの?昨日言ってたケーキ」
「そうそう。丸井君とも話したんだけどさー丸井君も甘いものめっちゃ好きなんだよね」
へぇそれは初耳
「でさ!夢姫の作ったケーキ丸井君と食べようと思って」
あ、なるほど。そういう事
「いいけど。昨日のうちに言ってくれればちゃんと作ったのに」
「だって夢姫の場合絶対に作らないじゃん」
「どうだろうね?」
冷蔵庫からケーキを取り出すと
「すっげぇ」
「うっまそー」
「なら良かった」
ドーム型に作ってあるケーキを見たジロ君と丸井君は目を輝かせていて
「相変わらずだね。ジロ君は」
「そんな事はないと思うけどな」
「変わらないよ。まぁ変わってたらそっちの方が驚きだけどね」
「まぁ、其れもそっか」
「丸井君も一緒に食べよー」
「いいのかよ?」
「ジロ君がいいと言っているのならいいんじゃないですか」
「へぇ」
キッチンの中では今日これから持って行く野菜を切っていくあたしとマロンケーキを食べている2人
「朝から随分と凄いものを食べているね。丸井も芥川君も」
「本当ですね」
「幸村君に鳳じゃねぇか」
「でもこれは一体」
「昨日夢姫が栗を持って帰って来たから俺のリクエストー」
「へ?この人こんな物まで作れるんですか」
あたしを一体何だと思ってるの
「おー夢姫。おはようさん」
「おはよう修ちゃん」
「朝からええ匂しとるなぁ」
クスクスと笑っていると
「昨日の修ちゃんのリクエストご飯もう少しで出来上がるよ」
「へぇ。ジュウのとこには」
「おおちゃくして炊飯器で作っちゃった。でも修ちゃんの奴は今蒸し器で作ってるよ」
「流石やな」
「一体」
「何を作っているというんだい?」
「栗のおこわ」
「「おこわ?」」
「そう。どうせ沢山作ったってすぐなくなっちゃうしね」
「夢姫もちゃんと食わんと何時かの時みたく倒れんで」
「あぁなるとは思わなかったもん」
「ツッキーが帰ってきたら確りと食べさせるやろうけどな」
「面倒くさーい」
ポカンとしている幸村君たちを差し置いて野菜を切り終わらせたあたしは下茹でも初めて行く
「へぇ。ここで其処までしていくんか」
「じゃないと直ぐに食べられないじゃない。あんな山の中で生活をしているのに」
「まぁそうやな」
下茹でもある程度終わらせたころ蒸し器の中を確認すると栗のいい匂いがしていて
「本当だ」
「栗の匂いが凄いね」
「修ちゃん、味見する?」
「おーするする」
小さなお皿におこわと栗を乗せると
「おーうま。相変わらず美味いな」
「じゃ、これでいいか」
「これは持って行かないんやろ?」
「うん。これは合宿所の人たち用」
普段は気の知れた人にしか作らないから重箱とかに入れて皆で食べることが多いけど
今は高校生も中学生もいる。18歳以上の選手だっている。
「俺達も食べていいんですか?」
「今日だけね。練習前に食べておかないと体力は持たないよ」
「わー。ありがとうございます!」
へ?
「鳳ってば普段こういうの食べないから」
「あ、初めて?もしかして」
「はい」
そうなんだ
「夢姫が出してくれるなんてめったにないで」
「え?」
「きっと昨日持って帰って来た栗がぎょうさんあったから作っただけやろ」
「当たり」
炊飯器に入っている栗ご飯も炊き終わり、ご飯を握って下茹でした野菜も持って
「お前、これからどこに行くんだよぃ」
「山」
「「山?」」
「お前らもウカウカしてるとアイツらに抜かされるで」
「そう言わない。抜かされるような人たちが早々いるわけじゃないでしょ」
「それもそうやな」
修ちゃんはきっと今日もどっかで見ているか1番コートで練習してるんだろう
「いいなぁ修ちゃんはこっちに居られて」
「夜には会えるやろ」
「それまで会えないじゃん」
「夢姫。アイツ等が帰って来る頃には山籠もりしてる奴等も降りてくる。そしたら帰って来れるやろ」
「うん」
「しゃーない。また時間作って見に行ったるわ」
「ほんと?」
「ほんまや。俺が夢姫に嘘言った事あらへんやろ」
「ない」
「あのコーチにも伝えとき」
「うんっ」
山に行く支度をしていると
「夢姫さん」
「祐大君?」
「僕もご一緒しても?」
「構いませんが、今日はシャッフルマッチのはずじゃ」
「それまでには間に合いますよ。これだけ早ければ」
確かに起きるにはまだ早い時間だけど
「なのでついて行くことは、可能です」
「じゃあ」
そういうとあたしの持って行くはずの荷物を一緒に持ってくれていて
ある程度の所まで来ると
「おや」
「越前君を知って居るのですか」
「えぇ。関東大会の時に少しだけですが。夢姫さんらしくない。すっとぼけたでしょう」
「ばれちゃった」
「相変わらずですね」
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