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「あたしにあの山に行けって言うんですか」
「うん。日帰りで行って来て欲しいんだよ」
日帰りでねぇ
「じゃないと夢姫ちゃんの場合すぐに体調崩しちゃうしねぇ」
「そんな軟弱じゃないです。けど行けって言うなら行きますよ」
「悪いね」
仕方がないなんて思いながらもコーチの言う事も監督の言う事もほぼほぼ絶対だという事に変わりはない
「じゃ、明日の朝から行きますね」
「頼んだよ。所で例の種ヶ島君には」
「会えてないままですね。もうすでに試合に行っちゃったので」
「あらら」
「明日もきっと会えないのでまたしばらくは会えない状態ですね」
「平気かい?」
「平気だと思います?」
「思わないね」
「でしょう?だから修ちゃんにはあの部屋で寝てもいいか聞いてあるので」
「なるほど」
「なるべく早く休んだ方がいいでしょう」
「そうします」
モニタールームをでて部屋に戻るときだった
「ほんまや。女の子がおる」
「でも学校のジャージ着とらんやないか」
「アイツだろ?」
「夢姫-っ」
後ろを振り向くとジロ君を含めた氷帝学園の人間と、四天宝寺の人がいて
「なんですか」
「柳君が言っていた立海に入った子ってキミの事やろ?」
「そうですね。私立から私立へ外部入学する人間なんて早々いるはずがないですから」
「氷帝だって立海と同じくらい文武両道を掲げている私立だろ。なんで」
「ではその氷帝で一生消えない心の傷を負わされているとしたら?」
「どういう」
「それでも貴方方は学校に通えるとお思いですか?」
「どういう事やねん」
「そのままの意味ですよ」
皆の傍から離れようとしているのにだ
「それじゃ、質問の答えになってねぇだろうが」
「夢姫には答えられない質問の答えがいくつもあるっていう事だよ。跡部君」
「んだと?」
「カナ…君」
「1つだけ夢姫の事で言えるのは氷帝の幼稚舎で起きた事実によって夢姫は1度メンタルをやられている。それも学校に通えなくなるほどにね。夢姫を氷帝に居られなくしたのは紛れもなく氷帝の人間だよ。それと同時に学園自体が恐怖になってしまっているんだよ夢姫はね」
カナ君の言葉に跡部君と忍足君の雰囲気が変わったのは言うまでもない
「夢姫は明日から早いんだろう?」
「うん」
「早めに部屋に行って休もうか」
「そうする」
カナ君に修ちゃんの部屋まで送ってもらうと
「ちゃんと鍵はかけるんだよ?」
「かけるよ」
「それじゃ、おやすみ」
カナ君が部屋を出ると直ぐに鍵をかけて修ちゃんの布団に潜り込むあたしはそのまま眠りについてしまった
翌朝、コーチに言われた通り食料を運びながら山に向かうと、既に脱落していた人たちはへばって居て
「あらら。相変わらず容赦ない」
「加減をしたところで良い事なんて1つも無いからな」
「監督はそういう人ですね」
しかしこの早朝の練習に既に出ている高校生と中学生
「いいんですか?あたしの作った物なんかで」
「構わん。何もないよりかはましだろう」
それはそうだろうけど
合宿所でカットしてきた野菜を大きな鍋に入れて水を入れて煮込んでいる間にご飯も炊いて行く
「ん?」
「何でお前がここにいんだよ?夢姫」
「お前の知り合いだったか」
「お兄ちゃんが言っていたでしょう?あたしに幼なじみがいると言うこと」
「あぁ」
「彼がそうですよ」
「そうか」
監督に目配せをしていると黙って居ろとの合図
「何でってこの人の指示だもん。あたしはここに来る予定じゃなかった。だけど山籠もりでちゃんとした食事をとらないどころじゃない。食事すらつくらないこの人の前で何を食べるつもり?」
「あるもんを」
「また下に降りて探すのだって大変だよ?」
「確かに。朝食を食べずに体を動かしているときの体の鈍さを感じるが」
「そうでしょう?だから今日からあたしが日帰りで皆があの合宿所に戻る日まで食事面でのサポートに回るの
まぁ、ついでに言えば食料の調達はいいけど水はくんできて貰う事になると思うからそこはよろしくね?」
「あ…あぁ」
「取り合えず1度手を止めろ」
監督の指示だからなぁ
「もう出来上がってんだろ」
「えぇ。出来ていますよ」
紙の器に入れられている豚汁とお握り
「うまそう」
「そうじゃの」
「食べてもいいのか」
「どうぞ?」
「お前らは感謝しておけよ」
「え?」
「こいつの飯を食えているのは合宿所の中でも限られた奴等だけだ。お前たちに作れと行ってもその様子じゃ作れねぇ。だから夢姫を合宿所からここに召集を掛けている」
「まじかよ」
「夢姫は食事面だけじゃねぇ。一通りの処置も出来るからな。だからと言ってあまり怪我をしすぎるなよ」
「何も暴露しなくても」
「本当のことだろう」
「まぁ、あたしは夜には合宿所に戻りますけど」
「は!?」
「ここに泊るんじゃ」
「食料の調達が出来ないので」
「マジか」
次々と食べ終わっていく食事を見ると感心してしまう
「旨かったぜよ」
「そう?」
「そうだな。あれだけ動いた後だからかもしれないが」
「それなら良かった」
強い選手ばかりなのに此処にいるという事はそれ以上の強い選手がいるという事だ
「あ…あの」
「ん?」
「この間は」
「あぁ気にしてないから平気だよ。呼ばれたのに脱落なんて嫌でしょ?
合宿所にいる人たちは確かに最先端のトレーニングマシーンも使ったりしながら練習をしているようだけど。皆もこの間見ているけど徳川カズヤ君」
「居たな。越前と切原が試合をしたいと申し出ていた」
「そう。カズ君もこの人に特訓してもらって1軍1番コートに入った人だよ」
「な!?」
「つまり皆はこの人の下で強くなればあの合宿所にいた人達よりも強くなれるかも知れないってこと。
その為の協力ならあたしはいくらでもする。食事面だろうが処置でも」
「そうっすか」
皆が食べ終わったタイミングで再び練習に行ってしまった皆
「監督もどうですか」
「握り飯だけで十分じゃ」
お昼ご飯も考えなくちゃいけない。夕飯も考えなくちゃいけないのは大変だけどまぁそれもあたしの仕事だ。
なんて思っていたら
「電話だ」
画面には修ちゃんの文字
「もしもしっ」
「おー。合宿所に帰って来たのに夢姫、お前今どこにおるん」
「今?コーチと監督の指示で監督の所。これから毎日日帰りで山生活」
「そらまた偉い仕事任されたなぁ」
「まぁ仕方がないよ。監督じゃご飯作れないし。あ、そうだ!」
「なんや?」
「なんや?じゃなくて戻って来た日から探してるのに1度も会えないままじゃん!」
「すぐに会えるやろ」
修ちゃんのすぐはすぐじゃない事を知ってるもん
お昼の練習も終わりちゃんと食事もしてもらった後再び練習に戻って行った高校生たち
修ちゃんからはきっと明日からもしばらくはこの生活なら会えないからとコーチ達に言われて連絡をくれた。
夕方
「おおよその地形と反射角はインプット出来たか?貞治」
「あぁ蓮二。データは十分取らせてもらったよ」
「皆すまないが出ていてくれないか」
なんて言った柳君に従ってくれているのなら
「じゃあ、誰かあたしの手伝いをしてくれる?」
「え?」
「初日で疲れたでしょう?夕飯はしっかりと栄養を取って貰わないと。いいですよね?」
「構わん」
手伝いを申し出てくれたのは亮君とがっ君で
「ありがと」
「気にすんな」
皆から離れた場所で山菜やキノコ類を集めて貰うと
「随分と集まってるのぉ」
「!?」
後ろを振り向くと仁王君までもここに来ていて
「びっくりした…」
「それは良かった」
何が良かったんだろうか
「そろそろかな」
「何がじゃ」
電話が鳴ったと思ったら
「おーおー。やってやがるな」
「随分と久しぶりにこんな所へ来た」
「な!?」
色々と食料調達をして呉れたジュウ君とカズ君
「ありがとう」
「構わん」
「修さんから帰りはお前をちゃんとにつれて帰って来いって指示もあるからな」
「ちゃんと帰るに決まってるじゃない。野宿なんてあたし出来ないもん」
「野郎だらけだからに決まってんだろ。野宿以前に」
合宿所の中だって大して変わらないけどなぁ
料理をする場所にまで運んでくれたジュウ君たちはそのまま高校生の練習もみて行くらしい
「随分と凄い量じゃの」
「そう?」
汁物を作ってご飯を火にかけている間におかずも作るけどこの山の中では大したものは作れないのも事実で
出来上がるころには皆疲れ切っているようだ
「ありがと」
カゴに入って居る蜂蜜レモンを取り出すと
「食べてみる?」
「いいのかよ?」
「いいよ。あたしが持ってても中々減るものじゃないし」
3人がレモンを取るとすっぱそうな顔をしていて
「すっぺぇ」
「でも、旨いのぉ」
「でしょ?それだけ体は正直なんだよ」
「これってあいつ等は」
「食べてないね。これは朝あたしが漬けて持ってきたものだもん」
「マジかよ」
「本当。ここにいる人たちしか食べられないよ」
「やりぃ」
その日の夜。合宿所に帰るときだった
「夢姫」
「入道コーチ?」
本当は監督なのにコーチとあたし達に呼ばせる当たりまだ言うつもりは無いのだろう
「明日と明後日は休め。山には上がってこなくていい」
「え?でも」
「たまにはお前にも休息が必要だ。あいつ等は強くなる為に来て居る。少しは実力も付けているだろ」
「そう…ですか。じゃあ明日と明後日はあたしはここには来ないので」
「そうしろ」
なんて言ってくれたのはきっと何かあるんだろう。それが分かったのは翌日で
翌日、合宿所にジャージを着てコートを見ていると
「今日はコートに来ているんですか」
「え?」
「ここ最近こっちには来ていないから休んでいるのかと」
成程。コーチたちは何も言っていないのか
「あたし休んでたわけじゃないよ?」
「え?」
「そうだな。山の方に行ってたしなコイツ」
「山?」
「そう。山。だけど向こうにいるコーチに今日と明日は山に来なくていいって言われたからこっちにいるだけの話」
「へぇ」
いつものコーチがいる場所の方から視線を感じて見上げると
「ぁ…」
見つけちゃった!
「じゃあね!」
「あ、おいっ」
別のコートに行くとちょうどベンチコートに座って居て
「修ちゃん!」
おもいっきり修ちゃんに抱き着くと
「なんやもう見つかってもうたか」
「ずっと探してたんだよ?見つからなかっただけで。折角早く帰って来たのに」
「すまんすまん。立海の制服も貰ったんやろ?」
「うん。でもまだ着てない。修ちゃんに制服姿見せようと思ってて」
「ツッキーが先やないんか」
「修ちゃんが最初って決めてるもん」
「相変わらず」
「あ、カズ君も昨日はありがとう」
「いや。あれで足りたのか?」
「うん。練習量尋常じゃなくて全部なくなっちゃったけどね」
「そうか」
修ちゃんの隣に座ると
「なにか見える?」
「ここんとこ毎日のように中学生や高校生が上がって来とるなぁ」
「どうやら5番コートは鬼さん以外中学生と高校生で埋まりそうですね」
へぇ。ここ数日の間でそんなに這い上がってるんだ?皆
「まだ
「実力を半分も出してないで5番まで来れてるのは凄い事だと思う。けど、それじゃ上には行けない。それに修ちゃんが何だか楽しそうだね」
「種ヶ島さん楽しそうですね。夢姫に同意見です」
「さよか。言うてもここからはコートナンバーが1つ上がる度レベルがけた違いにちゃうからなぁ。滅多に
「確かにそれもそうだけど」
「ほら、見てみぃ」
コートを見てみれば
「チームシャッフルしてたんだ?」
「せや」
でもカナ君率いている3番コートも強いけどね。それ以前に4番コートの人間じゃまだその実力に追い付かないよ
「3番コートと4番コートの
「チームシャッフルだってよ」
「あーん?チームシャッフル?それを使えばもっと手っ取り早く俺達も上位と対戦できんじゃねーのか」
「キミたちにはこのコートはまだ早いかなぁ。まずは鬼を倒してからおいで。キミ達にそれが出来たらね」
クスクスと上で笑っていると
「夢姫も楽しそうやね」
「練習を見ているのは楽しい。それに嘘はないよ?山頂で脱落者の食事面や処置を任されているのもうれしい事には変わりはないけど
やっぱりテニスをしている皆を見ているのが1番好き。修ちゃんは断トツだよ?」
「さよか」
「先ずは鬼を倒してからおいで。君たちにそれが出来るとは思えないけど」
「カナ君も後輩の面倒見いいよね」
「そうか?」
「うん。じゃなかったらここに残ってないじゃない」
「そらそうや」
U-17の強化合宿は高校を卒業と同時にここを去っていった選手が何人もいる。4年間で泣いた数も計り知れない。
「夢姫があまりにも泣くから帰れんかったのとちゃう?」
「酷くない?修ちゃん」
「何も酷い事あらへんやろ。それに夢姫最近あの山小屋行くの楽しみだったんとちゃう?」
「何で?」
「いや。そう思っただけや」
「そういう訳じゃ…ただあたしの作ったご飯を美味しいって言ってくれてたからちょっとだけ嬉しかった」
「さよか。コーチに頼んで俺も行ってこよかな」
「修ちゃんが行くならあたしも行く」
「相変わらず」
ここに修ちゃんがいてくれる限りあたしはきっと修ちゃん一筋だし
「かまへんよ。徳川」
「ですが」
「夢姫。明日は私服でズボンとスニーカーや」
「うん?」
「俺も行くんや。連れて行っても問題ないやろ」
流石修ちゃん
「好き!」
「はいはい。俺も好きや」