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カズ君のサーブから始まった試合
「ならば試してみるがいい!!」
だけどリターンエースも読まれているようで
「無駄だ!!」
「巧い徳川先輩!メダノレの逆を突きネットを取った!」
「夢姫」
「うん?」
「お前もよく見ておけ。奴の強さは『相手の時間を奪うテニス』」
相手の時間を奪う?
「そうまるで止まった時間の中を支配できる刹那のテニスだ」
「そんな事が可能なの?」
「奴には可能なんだ」
そっか
「その刹那、お前は驚く事すら許されない…『
そう言いながらも打ち返していたメダノレ選手。だけどS1に選ばれているくらいだ。カズ君だって相当な実力があっていい
「その言葉そっくりお返ししますよ!」
「15-0!!」
「…」
「私が破壊した徳川君の阿修羅が」
「あ、あれは…」
「ほー君、何か知って…」
「千手観音!!」
千手観音?
「ゲーム日本3-0!」
「向こうは帰って来たみたいだね」
「あぁ」
越前リョーガ君。リョーマ君のお兄さんであると言うことしか記録には入れてはいないけど、実際にはどんな選手なのか未だに分からないことがおおい選手だ
「でもリョーマ君はまだ帰って来ていないようだけど」
「そうだね」
だけどそんな中でも試合は続いていて
「今度はなんだ!?『千手の神道』とは防御に特化した」
「決して貫けない最強の盾だ!!」
「ゲーム日本5-0!!」
「なんだかいつものカズ君の試合とは違うような気がする」
「お前がそう思うのならそうなんだろう」
「どういう」
「カズ君の日本の試合でもついて行くことがごくまれにあったんだけど、こんなカズ君あたし知らない…」
「凄い…キミはいつの間に『阿修羅の神道』から『千手の神道』に!?」
「それだけじゃない」
「徳川先輩の『予感』がさえていますね」
「プロ相手に全ての攻撃を多彩な防御で防ぎカウンターで決める!」
「最強の盾を手に入れた徳川は無敵やわ!!」
「お前強くなり過ぎたんじゃねーか徳川ぁ!!」
「遠野君…茶化すのは止めなさいよ」
「確かに
「お頭の目論見通り…」
「這い上がって来ちゃったようだね。カズ君」
「どういう意味じゃ」
「昨日の決勝戦メンバー決定戦でデューク君にカズ君の『阿修羅』を破壊させてデューク君の妹であるクロエちゃんを助けたい一心でカズ君は『千手観音』を纏い蘇った」
「ある意味賭けでしたなぁ」
「フン…あくまで『義』かよ」
「ほー君?」
「ここまで奴がずっと『義で世界を獲る』と言っていたのは夢姫も知ってんだろ」
「そう言い続けてたからね」
「拘って戦っていたのは、どうやらあそこに座っている男にそれを証明しようとしているようだ」
一瞬で何が起こったか分からなかったけど
「”見つけられない打球”!?」
「”見つけられない打球”じゃブラックホールも通用しないんじゃ!?」
全面に出したブラックホールですらすり抜け、カズ君に当たっていて
「と、徳川ああ!!」
「
「まるで『ダークマター』だ」
カズ君…
「
「向こうの座っている方のメダノレ選手でも驚いてるようだけど」
「あぁ」
「まさかこれは向こうの選手でも想定外の事だとでもいうの?」
「だろうな」
「う、嘘だろ」
「U-22W杯決勝第4試合シングルス1は徳川選手の試合続行不可能により…」
そう言われている中立ち上がったカズ君は試合を続行していて
「夢姫が俺達の試合で誰よりもなく理由がよく分かるだろ」
「どういう」
「恐怖だ」
「恐怖?」
「あぁ。嘗て氷帝学園で自分にされてきたことと似た環境になればなるほど、コイツは恐怖で泣いている」
「ですがその状況で1人になってもいい事がない。そう思っている夢姫は我々の前から動くことはしない。彼女はこの試合にとらわれずこういった試合でも恐怖と戦いながら泣き続けているんですよ」
「俺は全世界に証明する!!」
証明する?
「何故徳川は”見つけられない打球”を…」
「最強の矛『ダークマター』を返し続けられるんだ」
なんて観客席から聞こえてきている声もある
「カズヤめ…”ブラックホール”を通過する瞬間の僅かな光から打球を見つけ出し、『千手の神道』で全て返している」
「『最強の矛』と『最強の盾』の戦い。こんな試合確かに中々みられるモノじゃないけど」
「でもこのままじゃ拙いだろぃ」
「不吉な事言わないでくださいよ丸井君!」
「でも…」
「徳川先輩はずっとブラックホールを作りながら戦っている」
「でもさっきよりもカズ君のブラックホール…小さくなってない?」
「!」
よく見れば最初に出していた時よりも数段小さくブラックホールを出しているのはカズ君だ
「『ダークマター』をピンポイントで捉え、『ブラックホール』による身体への限界タイムリミットを遅らせるとは」
「奴の『予感』がそれを可能にした。いくつもの修羅場を経験し、片時も鍛練を欠かさなかった真面目な徳川だからこそ持ち前の勘の良さが磨かれ対戦相手が次にどこに打って来るのか『予感』出来る!」
「でもそう簡単に打球って読めるモノなの?」
「いやそう簡単に打球は読めんが」
やっぱり
「慰安の徳川は『予感』というより」
予感というよりも?
「確信…」
バチバチと何かが起こっていて
「あ、あれは…!?」
「ドイツとのエキシビジョンで見せた」
「徳川先輩と幸村の『
「なるほど。そういう事かよ」
「どういう…だってあれは」
「あぁ。過去に経験した『能力共鳴』を1人で起こすなんて芸当をボルク以外に出来る奴がいるとはな!!」
「ゲーム&1stセット日本6-4!!」
戻ってきたカズ君はもの凄い汗の量で
「はい、ドリンク」
「すまない」
タオルも一緒に渡すと
「夢姫」
「カズ君?」
「あの時も泣いていたな」
!?
「もうそんな顔をさせるつもりは無かったが、悪いな」
「ううん。試合だってちゃんとわかってるから」
「そうか」
「やりやがったぜ徳川ぁーー!」
「す、凄いよキミは!」
「越前リョーマは戻りましたか」
「まだです。病院はとっくに出たと聞きましたが」
「消息不明なんだって」
「今は越前君の事は考えないで」
「うん!試合に集中していこう!」
「はい!!」
「それより、身体は大丈夫なのか?ブラックホールを最小限に抑えて使っているとは言え、試合序盤からかなり使い続けた負担がこのままだと」
だけどカズ君の意思はきっと変わらない。あの時からきっとずっとそうだったように
「約束覚えてますよね?」
約束?
「卯木のセットで必ず勝利を掴んで来ます!」
コートに戻って行ったカズ君を見届けると
「夢姫」
「うん?」
「さっき徳川先輩が言っていた『あの時も』って言うのは」
「2年前の話だよ」
「「2年前?」」
「そう。あたしが氷帝の中等部に上がれなかった時だね」
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