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夢小説設定
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「「夢姫」」
「お兄ちゃん、修ちゃん…」
「仁王ちゃんと仲直りしたんか」
「そもそも喧嘩じゃないもん」
「さよか」
「やっと仁王と話したようだな」
「うん。でも」
「「でも?」」
「仁王君がよく分からない」
「仁王が分からないとは」
「せーちゃんやレン君の事を急に名前で呼ぶなんて思ってなかったとか。赤也君まで名前で呼べるのに仁王君の事は名前で呼べないとか言われた」
「そうか」
「仁王もしっかりヤキモチを妬いていたようだな」
へ?
ヤキモチ?
「仁王君ってヤキモチなんて妬くの?」
「妬いている証拠だろう?そんな事を言うなんてね」
「後ね」
「なんだ」
「自分の名前を最初に言わせようと思ったって言われたの」
「それはまた」
「でもきっと帰って来てからずっと話してなかったし、話そうと思っても仁王君は別の人と一緒に居てきっとこの先もそうなんだって思ったら海原祭で告白された返事には答える事は出来ないってそう思ったの」
「そうか」
「其れならそれでもいいんじゃない」
え?
「どんな結果でどんな答えを出しても夢姫が決めたことに俺達が何かをどうこう言う事はないよ」
「精市の言う事も一理あるが、あの仁王だぞ?諦めるような男でもないだろう」
「まぁそうだろうね」
「夢姫」
「レン君?」
「暫く答えを出さないで今の仁王を見てみたらどうだ」
今の仁王君?
「お前が見ていなかっただけであの合宿所やワールドカップでは見られなかった仁王が見られるかもしれないという事だ」
あ…
「仁王の反応を見るのに手っ取り早いのは俺や精市と一緒にいる事だが、放課後の部活の時には大概終わって居ればお前は先輩たちと一緒にいることが多いからな」
「まぁずっとお兄ちゃんや修ちゃん達と生活してたし、誰といれば安全か。なんて分かり切って居る事でしょ」
「だな」
「夢姫はどうして其処までの情報を」
「お兄ちゃんも修ちゃんもそこまで隠すような話をあたしにはしてこないよ。この立海のテニス部でテニスの強化選抜合宿の事に関して話してくるって言うのはあたしが皆に話してもいいよっていう2人からの指示でもあるけどね」
「そうなんだ」
「随分と早く話も終わった要やし、練習するつもりもなかったんやけど、どないしようか?ツッキー」
「夢姫が平気ならば問題ない」
あたしが平気ならって言うのはどういう事なんだろうか?
「取り合えず今日はストレッチだけにしとこか」
なんて言われて軽い準備運動的なものしかしておらず、あたしも病み上がりだからと何もさせては貰えなくて
「夢姫、ちょっとええか」
「んー?」
「仁王ちゃんから話は聞いとるんやけど、夢姫自身はどうしたいん」
「分かんなくて…」
「まだ、完全に治った訳やないみたいやな」
え?
「仁王ちゃんに壁作っとるの崩し切っとらんなぁって思ってるだけや」
「だって…」
「まぁ、夢姫の事やししゃーないわな。でも昔と違ってちゃんと相手の事を見る努力はしとるようやし」
なのかなぁ。でも部活後仁王君と一緒に帰る…なんて想像できないなぁ
「夢姫?」
「修ちゃん、合宿所に戻りたい」
「さよか。ほな俺と一緒におり」
「大丈夫?」
「構へんよ。今日はツッキーもおるさかい」
「そうだね。お兄ちゃんも来てくれるんだもんね」
「せやから少しだけ頑張り」
「ありがと」
修ちゃんが帰ったのを見送った後
「随分と嬉しそうだろぃ」
「その様ですね」
「何か先輩と話していたようだけど」
「仁王君には悪いけど」
「「仁王には」」
「悪い?」
「どういう事だよぃ」
「今日の練習後からはお兄ちゃんや修ちゃん達と一緒に合宿所に帰ることにした」
その言葉に驚きを隠せていない皆と少し離れた所に居た仁王君はあたしの腕を取って歩き出したと思ったら、着いた先は屋上で
「なんで屋上?」
「ここなら誰にも邪魔されんからのぉ」
誰にも邪魔されないって
ベンチに座らされたあたしの膝の上に頭を乗せて来た仁王君は
「こうしとれば下を向いた夢姫の姿も丸見えじゃのぉ」
「な!?」
「夢姫の膝は誰にもやらん。夢姫の隣もじゃ」
「なんで」
そんなこと言うの?
「それだけお前さんが好きじゃという事じゃ」
「!?」
「言うたじゃろ。遠慮はせん。それが学校であっても合宿所であってもじゃ」
そのまま寝てしまった仁王君に動けなくなってしまったあたしはどうする事も出来なくてただ、ぼーっとしている事しか出来なかった
ガチャリと開いたドアからは比呂君が来ていて
「やはりここにいましたか」
「どういう」
「屋上は仁王君の好きなスポットのようなので」
そうなんだ?初めて知ったかも
「ですが、仁王君」
「なんじゃ」
「貴方私が来てからずっと起きていたでしょう」
え?仁王君起きてたの?なんて思う暇もなく
「なんじゃやぎゅーには敵わんぜよ」
起き上がった仁王君に
「柳君からの伝言です」
「レン君?」
「参謀からのぉ」
「2人でいる時間を与えるのでちゃんと話して来い。との事です」
「話すこと?」
仁王君が離れてくれた事で立てるようになったのに
「あわわっ」
仁王君の膝に座る形で座らされてしまったあたし
「あの?」
「流石は参謀じゃの」
「どういう事?」
「夢姫さんには分かりませんか?仁王君と話せと言うのは早く名前で呼んでやれという事ですよ」
「そうじゃの。名前で呼べって言うたのに無理じゃと答えたんは夢姫じゃしの」
うぅ…
「本当に名前で呼ばなくちゃ駄目?」
「駄目じゃ」
「では私はこれで。そうそう、柳君は早急に何とかしろとの事なので」
早急にって言われても…
「夢姫がさっさと俺の名前を呼べば済む話じゃろ」
「無理ぃ」
「無理じゃなか」
「無理なんだって」
そう言っているのに離してくれそうにもない仁王君はあたしのお腹に当てている腕にさらに力を入れていて
「ちょ…っ痛い」
「痛くしてるんじゃ」
「酷くない?」
「酷くなんてないぜよ。俺の事を名字で呼んでる夢姫の方がよっぽど酷いじゃろ」
「うぅ…」
なんて思っているとチャイムが鳴ってしまって、仁王君も渋々と言った形で手を離してくれて立てたものの仁王君はたつ様子がない
きっとここに別の人が来るんだろうなぁ。なんて思いながらも屋上から出ようとしたときだった
「え?」
後ろにいた筈の仁王君に再び腕を引かれながらコートに戻ると
「さっきぶりだね夢姫」
「せ…せーちゃん」
「いやだなぁ。名前で呼んでも構わないんだよ?夢姫」
「え…っと、その」
「夢姫を誑かすんじゃなか」
「誑かしてなんかいないよ。そもそも夢姫を手放した仁王が悪いんじゃない?」
何だろう2人の間に見えない何かが起こって居て
「精市。そこまでにしておいてやれ」
「そうだね。夢姫がまた熱でも出したら大変なことになるね」
なんて言う2人と
「でもよぉ」
「ん?」
「散々口も聞いてねぇ。顔も合わせてねぇのに名前で呼ぶなんて無理じゃね?」
ブンちゃんの言っていることは確かだ。この数週間ろくに顔を見ていなかったのになんで未だに好きだなんて言えるんだろう
「そりゃあ、夢姫に俺の事を意識させるために決まっとるじゃろ。ただ夢姫が俺の事を呼んでたのは気づいとらんかったけどな」
「そりゃ、駄目な奴だろぃ」
珍しくコートに来た先生が
「越知」
「はい」
「悪いが毛利と一緒に今から選抜強化の合宿所に向かえるか」
サブちゃんと?何かあったっけ?
「分かりました」
「それと」
それと?
「仁王。お前も呼ばれている」
「何で仁王だけなんだよぃ」
「そんなん俺が知る訳なか」
「夢姫は何か知って」
「知らない」
すでにジーニアス10のバッジ所持者は決まって居る。決まって居ないのは11~20のバッジ所持者の方だ。
仁王君は既にバッジを所持するという事も決まって居る。なのになんで、仁王君だけが合宿所に呼ばれるんだろう
「行けるか?越知」
「行きます」