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夢小説設定
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翌朝
「お、おはよう…」
「まだ眠そうだね?夢姫」
「まだ、ねむぃ」
「そうかい」
目を擦りながらも練習はないとはいえ立海のテニス部だ。学習をしようという話になりあたしも其処に入ることになっているのだ
「大丈夫かなぁ」
「問題ない」
学校に行くまでの間に少しだけ名前で呼ぶ練習をしながら立海へ行くと
「ようやくついたか」
「ね、ねぇやっぱり名前で呼ばなくちゃ駄目?」
「駄目だよ」
意地悪だ。せーちゃんもレン君も皆揃って意地悪なんだ。なんて思いながらも校舎の中に入ると
「おはようございます夢姫さん」
「お、おはよう比呂君」
「しかし珍しいものだな。幸村と蓮二が夢姫と一緒に来るなど」
「少し試そうと思ていてな」
部活がないと知らない仁王君は普通にコートに来ていて、せーちゃんの事も精市君とレン君の事も蓮二君と言っていたあたしの事を見ていたなんて知るはずもなく
「すぐに分かるよ」なんてせーちゃんに言われた直後
「ジャージに着替えておいで」なんて言われて使っていなかった部室を今はあたしが使っていてそこで着替えると
ドアをノックされて開けた時に仁王君の姿があってすぐにドアを閉めようとしたのにだ
「え…」
「なんで急にしめるんじゃ」
「だって話すことなんて」
「さっき」
さっき?
「柳が俺の所に来たぜよ」
レン君が?
「うかうかしているなら俺が貰うと。ただ1つだけ言うならばお前さんが熱を出した原因が本当に俺だとは思わなかったぜよ」
あ、そうなんだ。なんてドアを持っている手の力が一瞬抜けたすきに入ってきた仁王君
「で?」
「で?って何?」
あたしの背後は部室のドア。目の前には久々にこんな間近で見ている仁王君の姿
「お前さんは何で幸村と柳の事を今まで見たく呼ばんで名前で呼んでるんじゃ」
「そ…それは」
「せっかく立海の中で最初に名前で呼ばせる気じゃったんじゃがのぉ」
「!!」
「驚いとるな。幸村も言っておったぜよ。夢姫は自分が思っている以上に俺の事を見ていると」
「それと、夢姫も俺に対してヤキモチを妬いていると」
!!
「あ…あの…それは…」
なんて思っていると久々に話したせいか緊張までしていて
仁王君に部室に置いてある椅子に座らされたあたしの前にいる仁王君
「そんで俺の事は名前で呼ばんと苗字に戻っとるしのぉ」
「だ…だって」
「夢姫」
ドクンッと心臓が波打つような感覚があって仁王君に名前を呼ばれただけなのにって思ったあたしに
「もう俺も遠慮はせん」
「どういう…」
「
「無理ぃっ」
「無理じゃなか」
だって散々あの時だって呼べなかったのに何で急に名前呼びになるのぉ
「ま、明日からは俺が迎えにくるけぇの」
「でも」
あの女の人がいるんじゃ…ましてや合宿所にまで来れるはずがないんじゃ…
「成程な。夢姫のヤキモチを妬いた時の表情の1つは分かったぜよ」
「へ?」
「ヤキモチ妬きの夢姫じゃの」
下を向いたあたしの顔を上げた仁王君は
「明日からは行きも帰りも一緒じゃき」
「何で?」
「決まっとるじゃろ。どっかの誰かさんはヤキモチを妬く癖に自分の気持ちにはすぐに答えてはくれんからのぉ」
そんな事無いもん…
「ま、学校の中で俺を探してヤキモチ妬いとる夢姫の姿はよぉ見ておったけぇの」
「な!?」
「じゃがまさか苗字に戻されておるのは想定外ぜよ」
うぅ…
「ましてや氷帝に逃げられるとは想定外だったぜよ」
「?」
「夢姫」
「に…」
「雅治」
「え?」
「そう呼べって言ったはずじゃ」
あ…
「まさか幸村と柳を呼べて俺のことが呼べないはずがないじゃろ」
「無理ぃ」
「名前で呼ばなかったら夢姫の前で別の女と一緒におることにするぜよ」
「意地悪…」
「意地悪じゃなか」
「意地悪じゃん」
椅子に座らされているあたしと目の前にいる仁王君の顔を見ていられなくて下を向くと
「そんな顔、幸村や柳たちの前でもするんじゃなか」
「そんな顔って」
「へそ曲がりみたいな顔じゃな」
な!?
慌てて顔を上げれば
「やっと俺の事見んさったな」
「うぅ…」
「夢姫。俺の名前、ちゃんと練習しておきんしゃい」
「え?」
「幸村や柳に先を越されたのは仕方がないとしても好きな女に名字で呼ばれ続けんのは流石に辛いもんがあるぜよ」
「あの…」
「それと、熱を出したからって俺以外の男に倒れ込むんじゃなか」
「それは不可抗力」
「ほう。先輩には自分からくっついておった様にも見えたがのぉ」
「それは…」
仁王君が他の女の人と一緒に居るのを見ていたくなかったからで
「次からは何でも最初に俺に言いんしゃい」
「でも」
「間違っても幸村や柳には言うんじゃなか。特にやぎゅーにもじゃ」
なんで比呂君にも言っちゃ駄目なんだろうなんて思っていると
「先輩にも言われたぜよ」
「え?」
「夢姫に思わせぶりな態度を取ったり話をするなと。夢姫はそれだけで再び氷帝の時と同じことになってしまうからとな」
「お兄ちゃん…」
「流石にそれじゃ俺も困るけぇの」
なんで仁王君が困るの。なんて思っていると
「後で合宿所に行くことになっても夢姫に会えないって事じゃろ」
「そうだね」
でも、きっと他の選手がいればそんな事言ってもいられないのも事実で
「しかも俺の事は呼べん癖に跡部の事も名前で呼び始めとるし、その内立海じゃなくて青学や氷帝の奴等の方が先に名前で呼びそうじゃけぇの」
どうなんだろう…
「氷帝にいた時も青学の皆とはそんなに接点なんてなかったし」
四天宝寺で思いがけないトラブルがあったけど
「まぁ、柳にはある意味助けられたがのう」
なんでレン君?
「こうでもしなきゃ夢姫とは、話すチャンスすらなかったじゃろうからな」
「それはそうかもしれないけど」
「じゃけ、あいつ等には負けるかもしれんが俺の事もちゃんと名前で呼びんしゃい。宿題じゃ」
しゅ…!?
なんて思っていながらも一緒に更衣室を出ると
「夢姫と仁王が一緒に更衣室から出てくるなど!」
「真田」
「む?」
「仁王と夢姫に話すチャンスを与えたんだ。俺達の練習が無くなったのはこの2人の為でもある」
「そ、そうだったのか」
「で」
で?
「昨日俺が言ったように俺の名前を言えるように」
「なる訳ないじゃん」
「ほう」
ずっと別の女の人と一緒にいたのは仁王君の方だ
「だって、海原祭の返事も待っててほしいって言ったのに、試験前になって来てから仁王君は」
「仁王君じゃなか」
「仁王君のままでもいいじゃない。どうせいつまた同じことをされるか分からないもの。現に仁王君は試験前くらいからずっと違う女の人と一緒にいるんだから」
それが今のあたしの本音だ
「な!?」
「少しは話そうと思ったよ?だから仁王君の名前も呼んだりもした。だけどあたしなんていない扱いでしょう?だったらあたしの事なんてもう放って…」
「夢姫」
何時になく真剣な声色の仁王君に口を出すことが出来なくなって、其の儘仁王君の腕の中に入れられたあたしは
「別に夢姫がいない扱いなんてしとらんぜよ。夢姫が呼んでいたことにも気づいとらんかった」
嘘だ。そんな筈はないっ
「それに、熱を出したことも知っとったら」
「知ってたら、あたしの所に居てくれた?」
「どういう」
「熱を出した時、確かに氷帝にいて景吾君が生徒会室まで送ってくれたけど、その後は修ちゃんが来るまで誰も来ていなかったでしょう?
景吾君にも誰も生徒会室の中に入れなかった。そう言ったのはあたしを寝かせるためだったのかもしれないけど。でもそれでも少しでも一緒に居て欲しかったよ」
「じゃあ、あん時俺が一緒におったらお前さんは俺にくっついてたって言うんか」
「だろうね」
「そんじゃ、夢姫もしっかりと俺の事を見ておきんしゃい」
「なんで?」
「なんでもじゃ」
それじゃ答えになっていないと言うのに
「それと、俺の事をちゃんと名前で呼べるようにしておきんしゃい」
「え?」
「幸村や柳、赤也を名前で呼べて俺の名前は呼べんなんてことはさせんぜよ。後、むやみやたらに泣きそうな顔をするんじゃなか」
「なんで赤也君?それにむやみやたらに泣きそうな顔なんて」
「しとるからのぉ。好きな女の泣き顔なんて見たいなんて思わんじゃろ。赤也の事はそのままじゃろ」
訳が分からず首をかしげると
「その内誘拐されそうじゃの夢姫」
「はい?」
「本当に目が離せんのう」
酷いなぁ…