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夢小説設定
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「夢姫、入るぞ」
何度声をかけても返事がない夢姫の部屋に入ると荷物を整理している途中で寝てしまっている様子がすぐに分かって
「疲れていたんだな」
「そうだな」
「まぁ、色々とあり過ぎたのと夢姫も女の子なのですね。我々よりも体力は残らないという事ですよ」
「せやなぁ」
寝ている夢姫をベッドに移しても起きない所を見るとそれだけ疲れていたんだろう
部屋を出ると
「先輩」
「夢姫は」
「寝てるだけだ。お前たちが夢姫を心配するのも分かるがもう少しだけ待って居てやれ。宍戸もお前たちも」
「でも…!」
「アイツはお前達氷帝と向き合わなかったことも後悔していた」
「え…」
「夢姫はこう言って来ましたよ。『跡部君が見てくれていたと言うなら、もっと早く、ちゃんとに跡部君や氷帝の皆を見ていれば良かったのかな…』と」
「そんな事…」
「そしてそれには続きがありまして」
「続き?」
「貴方方幼なじみがいて、越知がいてくれている環境に甘えて今の氷帝を観て来なかったのは事実だと。だからあのスペイン戦跡部君が氷帝を背負って試合をしていた姿を夢姫は確りと観ていましたよ」
「え?」
「越知以来なかなか氷帝の試合すら見なかったあの夢姫が、海外のW杯という舞台で氷帝を背負って戦っていた跡部君の試合を観ていたんです。これは夢姫にとってはちょっとやそっとではない。大きな進歩で1歩ですよ」
「「!!」」
驚いている氷帝選手を他所に
「何を群れていやがる」
「夢姫の事ですよ」
「そうか。アイツには明日以降に次のバッジ所持者を決めろと伝えているが」
「そうでしたか」
「だが夢姫は夢姫で何か考えているようだったがな」
「氷帝と向き合うからでしょう」
「そういう事か」
「氷帝に行くときには俺も一緒に同行する」
「何?」
「U-17のメンバーに跡部が入ってはいるがアイツも聞く側の人間で何かあった時の対処も今のこいつ等には不可能だ」
「そうだな」
「だがだからと言って」
「夢姫は今の氷帝にならあの時、氷帝で付けられた
その言葉に緊張が走ったのは氷帝だけじゃない。俺達も同じだ
「それを見せるって事は」
「相当覚悟がいる筈ですが」
「いるだろうな。まだ立海の奴等にも夢姫は傷を見せてはいない。恐らく見せるつもりもないのだろう」
「だがいつまでも隠せるわけがないだろう」
「そうなんだがな…」
「先輩」
「一体…」
「お前たちもアイツの傷を観れば俺達が夢姫に対する態度も分かって来るだろうよ。あの3人も呼んでおいてやれよ」
「な!?」
「今の中坊が知らなくてどうする。それを対処することも部長の役割だろうが」
そんな中スマホが光っていて
「越知。タイムリミットです」
「そうか」
「「タイムリミット?」」
「えぇ」
「行って来る」
君島のスマホには夢姫の名前が載っていて
「一体」
「氷帝の事があってから夢姫は今でも1人で深く眠ることが出来ません」
「「え?」」
「深く眠りにつく前に悪夢を見るそうです。それは7年前からだそうですが、ずっと越知だったのがここに来て越知がいない間は種ヶ島や我々が一緒にいることが多いです」
戻ってきた越知の腕には越知にしがみついている夢姫の姿
「大丈夫そうですか?」
「このまま寝ている」
「そうですか」
「でも向こうでもそうだったけどよ、少し悪化してねぇか?夢姫の奴」
「しているでしょうね」
それはきっと越知を含む我々がよく知っている
「一体」
「実母と面談をした後からでしょう」
「え?」
「実母って」
「夢姫を捨てた本当の母親だろ?」
「えぇ。今はドイツに在住しています。旦那さんはU-25のドイツの監督、ケン・レンドール。悪化させない方が可笑しい」
「なんで」
「母親は夢姫を1人の女性として見ているわけではない。かといって娘として見ているかと言われればそうでもない。だからこそ、いつどこでどう出てくるか分からない母親にも恐怖心が沸いているんですよ」
「マジか…」
「ん…」
「起きるかぁ?」
「いや起きないな」
「先輩」
「なんだ」
「夢姫にあるあの時の傷って」
「まだ残っている。どこの病院へ連れて行っても、その傷は治せないと言われている。俺と種ヶ島しか知らないこともまだある」
「どういう意味だ」
「夢姫は種ヶ島にメンタルケアをしてもらっているが、夢姫は精神科にも通っていた」
ピクリと反応をしたのは大人組で
「なるほど」
「だから修二がメンタルケアをする時にスゲェ嫌がってたのかよ」
「そういう事だ」
「俺がやっても嫌がるくらいにメンタルケアを嫌がるからなぁ。でも俺がやっても駄目なもんを医者はしないやろ」
「そうだな」
「種ヶ島はそういう事も踏まえて夢姫のメンタルケアをしてくれている」
「因みにオーストラリアでもやってたで」
「良くなっては」
「いたんやけどなぁ」
「「いた?」」
「どういう」
「この合宿所に今のU-17のメンバーを招致した時、お前たちの傍にいたやろ」
「そういや」
「でもそれが」
「お前らにとっては其れが普通や。でも夢姫にとっちゃ、お前たちの普通とはだいぶちゃうで」
「確かにこの大会期間中、夢姫は俺達の誰の傍にも来てはいない。寧ろ先輩達の隣にいることが多かった」
「それだけやない」
「アイツは確かに合宿所でも先輩達と一緒にいることが多かった」
「確かに、僕たち青学の皆と出かけた時にも、打ち解けようとはしてくれなかった」
「それは氷帝でも同じことや」
「なんや青学や氷帝の奴等とは出かけてたんか」
「そう言えば四天宝寺とは」
「まだ出かけとらん」
「そうやろうな。せやけどまぁ出かけるん茂時間の問題やろ」
「え?」
「コーチや監督は行かせる気があるみたいやしな。ただ」
「「ただ?」」
「青学や氷帝。立海と違うところがあるだろう」
「違う所がある?」
「我々にですか」
「あぁ」
「青学や氷帝、立海と違う所…」
成程。そう言ったのは青学の乾と立海の柳で
「何が成程なんや」
「我々と四天宝寺と比嘉の違う所は選手の方だ」
「選手…ですか」
それだけ言うと立海の奴等も分かったようで
「成程ね。四天宝寺にも比嘉にもこの合宿所に呼ばれていない選手がいるだろう」
「確かに」
「俺達立海や青学、氷帝は全員呼ばれている。だけど四天宝寺や伊賀の様に呼ばれていない選手がいるからと先延ばしにしていただけなんだよ。夢姫の気持ち次第で実現が出来る。っていう所かな」
「気持ちやないで」
「だな」
「え?」
「きっと夢姫は最初に会った頃と同じようになってしまう。それを懸念して我々の方から夢姫に自分で決めさせていただけに過ぎないのですよ」
「!!」
「ですが、そうですね。1度戻るという事ならば、夢姫が起きてから夢姫と話をして決めることとしましょうか。四天宝寺と比嘉の選手たちとの交流」
「せやな。夢姫もようやく氷帝と向き合う覚悟が出来た様やし、どうなるか分からへんけど」
「でもなんで」
「夢姫は俺達と一緒におることが普通や。俺達もお前たちが来るまではそう接してきているからな。ただ徳川や毛利が来た時にジーニアスに入れられる選手がいなかった。というのも事実で、それ待ちやったっちゅーのもあるけどな」
「そうなんですね」
「義理とはいえ、ツキさんといる夢姫は何処にでもおる普通の子やろ」
「そう見えますね」
「でも夢姫は最初であった時ツッキーも怖かったらしいで」
「「!?」」
「『妹はいない』そう言われてしまえば引き取られたとはいえ義理兄妹でも赤の他人と全く同じや」
「ずっと部屋に引きこもっていたな」
「マジかよ…」
「宍戸や向日たちに合わせたのはもう少し落ち着いてからだったしな」
「でもどうやって先輩は」
「お前たちは知っているだろう、俺達の両親がどんな職業をしているのか」
「はい」
「夢姫が来てすぐ雷が落ちた時があっただろう」
「はい」
「あの時に夢姫は毛布にくるまって玄関に座り込んでいた」
「は!?」
「夢姫が…ですか」
「そうだ。俺が妹なんていないと言ったのもあるだろうが母親も仕事でいない。父親も大学で仕事中でいない状況で鳴ったもんだからどちらかの所に行こうとしたのだろう。でも玄関に行っても鍵の開け方も分からない夢姫にとっては玄関ですら難関だったようで開けられないと分かったから玄関で包まっていたんだ」
「そん時なんだろ?夢姫を妹として守ってやろうって思ったのは」
「ああ」