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夢小説設定
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気晴らしに歩いて帰ろうと言ってくれたお兄ちゃんと一緒に宿舎まで歩いて帰って来たあたしたち
「おかえりなさい」
「ただいま…」
「「?」」
「何かあったのかい?」
「榊先生同席の元母親に会ってきた」
「それでこないな状況になってんのかいな」
修ちゃんの声をが聞こえてきて顔を上げると普段通りの修ちゃんがそこにはいてくれて
「ドイツ戦が終わった後で良かったのかもしれない」
「どういう事です?」
「夢姫の実母は俺達と同じような形でドイツに関係者がいると言っていた」
「!?」
「スポンサーなのか、あの監督なのかそれは定かではないが」
「夢姫がこうなる決定的な事があったのでしょう」
「母親に幸せなのか聞いてはいたが、恐らく自分を捨てておいて今の旦那との間にいる子供たちがいて幸せだと言った事が決定打なんだろう」
「たち?」
「息子と娘がいると言っていた」
「夢姫?」
「修ちゃん?」
「どないする?」
「何がだ」
「もともと出かけるゆーてたやろ」
「行かない」
「ほな、ここでのんびりしよか」
修ちゃんと一緒に歩いていると
「夢姫?」
「あ…」
「何かあったんだね?」
「え?」
「幸村もお前たちも少しだけ待っててやり」
「どういう」
「今の夢姫は4年前に我々と会った時と全く同じ状況だという事ですよ」
「よく夢姫の前だと4年前って言いますけど」
「夢姫」
「育人君?」
「我々も一緒にいますから、話してみてはいかがでしょう」
「…」
「!?」
「そう…だね…いつかは話した方が良い事だとは思ってたけど」
「夢姫の事です。きっと思うだけで話すと言うことはしなかったでしょうが」
「やな」
「一体…」
ロビーに入るとくつろいでいたほー君たちがいて
「夢姫」
「ほー君?」
「話すと決めたんだな」
「うん。修ちゃんも育人君もいてくれるっていうから」
「そうか」
黙って行ってしまったけどほー君はほー君なりに気を使ってくれたのかもしれない
来ていた中には亮君達の姿もあって
「夢姫?」
「亮君も来てたんだね」
「あぁ」
「だけどよ?なんで立海の奴等が揃ってんだよ」
「お前たち氷帝も知っといた方がええけどな。夢姫の生い立ちも」
「「生い立ち?」」
「そうや」
「おそらく、夢姫の生い立ちの件の話は我々しか知らないでしょうから」
「!?」
「生い立ちって何言って」
「夢姫は誰にも話すつもりは無かったようですし、越知も其れを知っていたからこそ今まで貴方方にも黙っていたのでしょう」
「な!?」
そんな中話そうとしたときに、跡部君達も来ていて
「やっぱり話すの辞めたい」
「夢姫」
「育人君?」
此処に居てくれる大人組の皆があたしの方を見ていて
「まぁお前の生い立ちは普通の生い立ちとはちょっとちげーからな」
「だから話したくないという夢姫の気持ちも分からなくもないですが、話しておいて損は無いでしょう」
話しておいて損はない…
「俺もおるやろ?夢姫」
「うん…」
「夢姫ちゃんが話せるタイミングでもいいと思うけど」
「難しいやろうな」
「え?」
「この大会が終われば我々と貴方方は同じ合宿所内にいるとはいえU-17とU-25に分けられる。そして今ここにいる中学生は合宿所からは出される。だからその前に夢姫の生い立ちを立海の皆さんにはと思っていたのですが」
「こんだけおったら、立海だけやなくて氷帝の奴等にも話しておいても損はないやろ」
なんて言うもんだから逃げ場がなくて修ちゃんのジャージを掴んで下を向いていると
「早く話せば、種ヶ島との時間も多く取れますよ夢姫」
暫くの沈黙の後
「夢姫?」
「亮君達は知ってるでしょう?あたしがお兄ちゃんとは義理の兄妹だって事」
「あぁ。異母兄妹だよな」
「うん」
「そもそもなんで異母兄妹になんて」
「越知の家にいるお母さんは…あたしからしたら継母になるのかな。お兄ちゃんを生んだ後に体調を崩して、次の子供を見込めないと言われたっていうのは聞いた事がある。だけどどうしても女の子が欲しかったお母さんがお父さんに外に作って来てもいいと言って本当に外に作った」
「!?」
「世間一般的にいう不倫相手との間に出来た子供がいる。それがあたしなの。実母の方も其れを知っていながら、子供を作ってあたしを産んではくれた。けど片親で朝から晩まで母親とも一緒にいることは出来ないけど、ある時実母が連れてきた男の人は日本人の人じゃなかったのは覚えてる」
「え?」
「その時の会話を覚えているわけでは無いけれど、4歳の誕生日。あたしは越知の家の前に捨てられた。自分の本当の母親の手によって」
「な!?」
「多分、実母が連れてきた男の人は今の旦那さん。あたしは越知の家に入るまで幼稚園にすら通わせてもらえなかったし、外にすら出してもらえなくて、外の景色すら分からなかった」
「は?」
「あたしは実母の存在しか知らなかったし、当然父親がいる事すら教えて貰っていなかったのと自分の目の前にいる大人も怖くて仕方がなかった」
「え?」
「だって、生まれてから4年。実母の存在しか知らなかったのよ?其れで自分が実の父親だと言われても信じられるはずがないでしょう?」
「確かにそうだな」
「お兄ちゃんに初めて会ったのもその日で。お兄ちゃんは既に氷帝学園の幼稚舎に通っていたけどね。何もしゃべれないあたしに、学校が終わってからいつも一緒にいてくれたのもお兄ちゃんだった」
「マジ?」
「本当。暫くしてからあたしと同じ年の子だと近所の男の子を紹介してくれたのが今の両親で、其処に居てくれたのが亮君達だった」
「じゃあマジで4歳からの付き合いなんだな」
「あぁ」
「あたしも、お兄ちゃんがいることを実母からは聞かされていなかったし逆もまた同じでお兄ちゃんも妹であるあたしがいるなんて知らなかったんだと思う」
「え?」
「越知の家に入れられて戸籍も何もかも全て越知にした時にお兄ちゃんは『俺に妹はいない』ってそう言われたのを覚えているもの。だけど、さっきも言った通りなにも喋れないあたしに言葉を教えてくれたり、学校終わりに一緒にいてくれたのもお兄ちゃんだけ」
「全然想像がつかねぇ」
「だよね。越知の家は両親が共働きなのもあって保育園に入れようと思っていたらしいけど、お婆様が家にいる環境だったおかげもあって保育園では無くて幼稚園に通わせてもらったの。途中入園という形を取ってね」
「え?」
「どういう」
「幼稚園の長期休暇が終わるタイミングであたしを幼稚園に入れてくれたの。だからそれまでにひらがなを覚えたりいろいろと話をしたりもして覚えていたけど」
「そうなんだ」
「でもそんな時に越知の家で使用人の人たちに『私生児なのになんでこ家の中で普通に生活を出来るのかが理解できない』って言われたわ」
「え?」
「『私生児の癖に』『私生児なのに』ことあるごとに『私生児』と言って来る使用人の人がいてあたしが『私生児』という言葉が駄目になってしまったの」
「その使用人は知らなかったのかよぃ?」
「何を」
「お前が浮気相手の娘だって事に」
「確実に気づいてたと思うよ。だから余計に『私生児』というワードを使って来てたんだと思う」
「そんな…」
「立海の皆は気づいてるでしょ?実家に…越知の家に来た時の使用人の態度を見ているんだから」
「まぁ」
「あの態度はあたしが越知の家に来た時からずっとだもの」