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「ほー君の精神が強すぎる。勝とうが負けようが精神が揺さぶられることがない。でも普通の選手は」
「負けたら悔しがる」
「そう。負けた悔しさをバネに2度と負けたくない一心で練習し、そして強くなる。弱さゆえに負けたショックでテニスを辞める奴もいる。けどそんなほー君に今のほー君じゃ自分より強い奴に負けても、その強い相手には一生勝てない。ほー君は監督にそう教わってた」
「「!?」」
「だから4年前監督がほー君を1度負け組の練習からも出してくれたの」
「え?」
「出した?」
「強くなりたかったら自分の弱さを知って来いって。ほーくんの心を折るほどの強敵と戦ってこいって。たしか送り出した場所って千葉ですよね」
「あぁ」
「千葉?」
「監督が師匠とと呼んでいるお爺さんがいるの」
「それはまた」
「これは、ほー君にも黙ってたし監督にも黙ってましたけど」
「何をだ」
「昨年六角と比嘉の試合で六角の監督の顔面にボールを当てた選手が比嘉の選手です」
「「!!」」
「そして、その六角の監督が監督とほー君の師匠でもあるの」
「「嘘だろ」」
「本当」
これを知ったらほー君がきっと怒っちゃいそうで黙ってたけどね
「修ちゃんとお兄ちゃんが比嘉の選手相手に全く本気も出さずに勝ってくれているので何も言いませんでしたけど」
「そうか。夢姫」
「はい?」
「この大会が終わったら平等院と行ってこい」
「そうします」
「ゲームドイツ3-0!!」
戻ってきたほー君は
「何が世界を震撼させるだ。クソッ本当に俺は叶わぬ夢を…」
「ほー君…もう十分だよ…」
「またアンタと試合がしたい。このままでは…」
ベンチから立ち上がったほー君は
「すまねぇデューク、夢姫」
「ほー君!?」
「こ、こんな平等院を見ることになるなんて」
「精神的に限界値を超えたことで肉体的にも限界が来ている…」
ほー君の打球を呆気なく返されてしまい、タイムループが再び始まってしまった
「お頭ぁーー!!これ以上は全てを失ってしまいますぞ!」
別の技を出したところで
「螺旋の洗礼への無駄な足掻きは止めろ!!返って死期を早めるだけだ」
ボルク選手には手も出ずコートに横たわってしまったほー君
「立て!精も根も尽き果てたかね?」
ピクリと動いたほー君の手はまだ諦めていない様で
「び平等院…」
「黙ってみておれ!!日本代表を背負いしお前らのお頭を!」
立ち上がったほー君に
「そんな無茶な!?」
「精神レベルを弱くすることで再起できない程破壊される可能性だって」
「自分の精神力の強さを信じたんだ…1度精神が死んでも再び強く蘇る力を!」
「約束通り…プロだろうとぶっ倒しちゃってよ」
「ヤツのテニスは何度でも蘇る…」
「!?」
ベンチコートには行って来ていたのはスイスのアマデウス選手で
「そう、不死鳥の様に何度でも蘇る」
「でも…」
「小舟じゃ大海原を漕ぎだせねぇよな」
ほー君まで…
「精神力でタイムループを抜け出すとは見事だ!!」
ボルク選手が打ったサーブをそのまま打ち返したほー君
「あのボルクから完璧なリターンエースを!?」
「海賊を進化させたのか」
「ゲーム日本1-3!!」
「…まるで別人の様だ」
別人…?
「黄泉の国から舞い戻ったぜ!」
「平等院の強すぎる精神力は当時悔しさを感じる事すら無かった」
「だからお頭はデュークと世界を渡り歩き猛者たちを倒し回っていたのか」
「ところで
上の観客席から聞こえたのはスイスの選手の声で
「あの日、平等院は死んだ」
し…んだ?
「平等院は雷の直撃を受けそのまま病院に運ばれ試合はノーゲーム。心配が停止し、1度は死亡診断書も書かれた」
「うそ…」
だってほー君はあたしが合宿所に来た時から知ってる。あたしのお兄ちゃん的存在でもある人だ
そして、今はコートで試合をしている…
「だが」
だが?
「13時間後に何も無かったかの様に息を吹き返した」
「!!」
「マジか…」
「肉体的にも不死身かよ…」
「ゲーム日本3-3!!」
「平等院はこう言っていた。『俺が帰る場所に泣き虫な妹がいるうちはそう簡単には死ぬことは出来ない』とな」
その言葉に納得をしたような顔をした大人組とコーチ達
「ほー君…」
「何を言っているのか分からなかったが、今なら分かる気がする。平等院の言う『泣き虫な妹』と言うのはキミの事だろう」
「あたし、ほー君の前で泣いた記憶がないんだけどなぁ」
なのに、泣き虫だと理解しているのはきっとあたしが知らない所でずっと観て来てくれているからだろう
「テニスを全て破壊された状態から蘇るたび強くなる男がいると、日本のベンチコートで見ているスイスのアマデウスから聞いてはいたが…自分の目で見極めさせて貰った」
「そうかよ」
サーブ打ったほー君は
「ならプロの力で俺を止めて見な!」
打っては打ち返しを繰り返されていて
「流石はプロ…」
「GargantuahailinLibya」
?
「平等院に伝えておけ」
「ほー君に?」
「アイツがそう言われているのも変な感じだが。いつでも再戦は受け入れると」
「!!」
ベンチコートを出たアマデウス選手
コートを観ればほー君が打ち返した打球が複数に見えていて
「10球打ちなんてもんじゃねぇーー!!」
でも
「全て返して来たぁー!」
「やっと汗かきやがったな」
「…戻る時間を巧く稼いだか」
「キサマも人間って訳だ」
それからというもの
「お互いのサービスキープ、続いてるね」
「あぁ」
そして
「ゲームドイツ6-6!!」
タイブレークまで来てしまったこの試合で
「1-0日本!」
タイブレークは2球交替で行われる自分のサービスポイントを失わない事が絶対条件と言える」
「夢姫」
「お兄ちゃん」
「信じてやれ」
「え?」
「平等院がお前を見ていたように、お前も平等院のテニスをしっかりと見てやれ」
「うん」
「2-0日本!」
ボルク選手の打つサーブを拾った直後
「平等院が前に!?」
「勝負に行った!」
けどそれも打ち返されていて
「焦ったら奴の思うツボや平等院!」
でもそれにも確りと届いていて
「まただ」
「ん?」
「ほー君が左右に走らされてる」
「3-0日本!」
「お頭が取った!」
「いきなり2つ平等院がミニブレーク先取!?」
「まだ分からないね」
「あぁ」
「お頭の動きがここへ来て更にキレ始めてる」
「6-0日本」
ほー君?
「どうかしたのか」
「ほー君いつもと違う気がするの…」
いつもの試合をしているほー君とは別人の様で
「この試合に命を懸けるつもりか平等院」
「いつもとは違うって」
「タイブレークに入ってから、ほー君が阿久津君と同じ状態の様な気がする」
「「!?」」
「いや」
観客席から聞こえた声に
「アクツジンのそれとも違う!?」
「阿羅邪識」
あらじゃしき?