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朝食後、会場入りをしたあたし達。
「夢姫?」
「あたしはここで見てるよ。折角準決勝まで来たんだから、勝っても負けても今日の食事はお祝いにするから頑張ってね」
その言葉にフッと笑ってくれたほー君達大人組
「U-25W杯準決勝。ドイツ(1位)VS日本(23位)の試合を行います」
なんて案内が流れてきて、コートに入った皆を見送ると
「夢姫」
「うん?」
「見ているだけとは言っていたが、お前も俺達の仲間であることには変わりはない」
え?
「越知の妹である前にこの中に居る間は我々の妹でもあるとあの時にも言ったでしょう」
「うん」
「それは今でも同じことですよ夢姫」
そう言ってくれたほー君と育人君の言葉に泣きそうになっていると
「泣きそうな顔をするくらいなら、行ってくればいいでしょう夢姫」
「黒部コーチ」
「彼らが貴方に嘘を言わない事も誰よりも夢姫ちゃんの頑張りを見て来てくれていることも知っているからねぇ。行っておいでよ夢姫ちゃん」
「はい」
コーチ達の所から皆の所に行くと
「遂に絶対王者ドイツと本線で戦う
その言葉に怒号が響いて来ていて
「しかし、生半可な覚悟では奴等ドイツをは倒せねぇぞ。そうやって挑んだ国々が大会毎に散って行った」
それは、前回の大会の事も含まれているのだろう
「俺達は弱ぇか?もしそうなら、ギリシャ・オーストラリア・フランスを倒しちゃいねぇ。3人のプロ選手がいようがビビる事は無え…お前らと同じラケットを持った人間にすぎねぇ。俺達日本代表には夢姫というマネージャーもいる。試合に挑む者も応援する者も心を1つにしろ勝つぞ。全員の力でな!行くぞ!野郎共ーーーー!!」
そう言ったほー君の言葉に更に怒号が響いていて
「それでは前大会優勝国ドイツ代表の入場です!!」
入って来たドイツの選手は
「やっぱり圧巻だね。ドイツの選手」
「あぁ」
ドイツの選手たちは自分たちの方に入っていて
「世界最強の男、現役プロテニス選手ユルゲン・バリーサヴィッチ・ボルクを筆頭に、今大会№1ダブルスのダンクマール&ベルティの現役プロダブルスペア」
「大会後にはプロに転向を表明しているミハエル・ビスマルク。ドイツ天才集団テニスアカデミーの最高傑作…Q・P」
「それに手塚国光」
「大会10連覇へ堅城を誇る」
ベンチにノートを置いていると
「例のドリンク用意しとけよ」
「もちろん。ジュウ君も」
「おうよ!」
出て来たドイツの選手は
「まさか初戦からドイツ№2のQ・Pが出て来た!?」
「ちっ」
「絶対王者に隙無しって所かな」
「団体戦の初戦の重要性を熟知してやがる」
「なんで夢姫さんはあまり驚いていないんですか」
「3年前にも夢姫は当時の俺達U-17のマネージャーをしていたからな」
「だが日本代表も最強の男で挑ませて貰うぜ」
そう出て行ったのはジュウ君で
「第1試合Q・P(ドイツ)VS鬼十次郎(日本)」
「無理だけはしないでね」
「あたぼうよ」
「初戦から鬼先輩のシングルス…」
っていう声が聞こえてきて
「そっか、キミたちは知らないね」
「え?」
「何をっすか」
「3年前に平等院を倒した元日本代表No1の実力は今も健在」
「あぁ」
心配をよそに
「ザベストオブ3セットマッチ日本サービスプレイ!!」
その言葉と同時にジュウ君のサーブで始まった試合はすぐに激しい打ち合いになっていて
「全てセンターマークに返している」
「答えるように鬼先輩もセンターマークに!?」
相手の選手はあまり驚いていないようだけど
「夢姫」
「うん。久々に見てるよジュウ君のあんな試合」
「え?」
「鬼はその風貌からパワープレイヤーの様に見られがちだが本来はその下半身や体感の強さから打球のコントロールにおいても他を圧倒するほどズバ抜けた高い技術力を兼ね備えている」
「スゲェ何て正確無比なコントロール」
「何て打ち合いだ」
「お互い一歩も譲らねぇ」
なんて声が聞こえてきて
「譲るはずなんてないのにね」
「あぁ」
「だけど」
「夢姫も分かったようだな」
「勿論。あの時と同じだもん」
「そうだな。このまま打ち合えば力のある鬼の方が有利だ」
前に出て来たQ・Pの行動も読んでいたジュウ君は
「ブラックジャックナイフだ!」
決まった。そう思っていたのに
「え?何が…起きたの」
確かにあのブラックジャックナイフは打ち返された。なのにポイントはジュウ君に入っていて
「あの時と同じ顔をしているな夢姫」
「心配しかないんだもの。3年前といい今回といい」
「そうか」
一瞬の隙が命取りになる重圧の中、ジュウ君とQ・P、それぞれが確実にサービスをキープしていく
「ゲーム日本6-5!!」
「よっしゃぁーー!鬼先輩頼りになり過ぎだろぃ!」
中高生達がなんかいろいろと言っている中
「鬼は彼らに慕われてますなぁお頭」
「嫌味か」
「ですが夢姫は行く気はないようですなぁ」
「だってジュウ君が慕われているなんて今に始まった事じゃないもの」
「お前の場合は種ヶ島なんだろうが」
「うん」
結局1セット目はドイツのQ・Pに取られてしまい
「あのドイツの監督」
「ん?」
「アイツがどうかしたのか」
「前回、3年前の監督と違うね」
「!?」
「あの人、ドイツのテニスアカデミーで確かコーチしてるって言ってた人だと思うけど」
「何?」
聞いた話はQ・Pがコーチを捨てたという事になっているようだけど
「あのQ・Pと監督。噂と全く違う気がするけど」
「「噂?」」
「Q・Pが監督を見捨てたと言う噂があるの。だけどあの2人そんな風に全く見えない」
「確かに」
2セット目が始まってそうそうに3-0と3ゲームをドイツに取られてしまったジュウ君
ジュウ君が天衣無縫になったことでそのまま2セット目はジュウ君が取ってくれて
「ジュウ君楽しそうだね」
「あぁ」
「ほー君との試合をしてた時も楽しそうだったけど」
「そうか」
戻ってきたジュウ君は
「はい」
「わるいな」
「全然。その為のあたしでもあるんだから」
「助かるぜ」
「そういや、先輩が飲んでるのって」
「デトックスウォーターに蜂蜜を入れてある奴」
「マジかよぃ」
「本当」
「行って来る」
「気を付けて」
「あぁ」
コートに戻って行ったジュウ君
「セットカウント
Q・Pが特典を入れ始めたことにより
「夢姫」
「はい?」
「あの監督について何か」
「若き名将ケン・レンドール監督。3年前のドイツの監督とは違うので恐らくその3年の間に監督に変わったのかと。近年のドイツの堅城鉄壁の立役者と言われていますね。あのQ・Pと同じテニスアカデミーにいたという情報もありますけど」
「何」
Q・Pの打ったボールを返せずラケットを落としてしまったジュウ君
「今変な音しなかった?」
そう言った越前君の言葉の後に
「!!」
ラケットを持とうとして持てなくなってしまっていたジュウ君は戻って来て
「おい医療班」
「ジュウ君!」
「大丈夫だ。テーピングでラケットと右手をグルグル巻きに固定してくれ!」
!?