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ドイツ戦前夜
「時間がねぇんだよ。時間が」
そう言った赤也君と越前君がコートに入って居て
「時間?」
「あ、夢姫さん」
「仁王先輩と一緒に」
「ちょっとね」
2人で顔を見合わせていると
「D2デューク君とまー君。D1修ちゃんと赤也君」
「俺!?」
「そう。修ちゃんと頑張ってね」
「S3ジュウ君。S2せーちゃん。S1ほー君がでる。向こうもS1はボルク選手を出してくる。手塚君も出ると言う情報は出ているから間違いではないと思うけど」
「まじっすか!?」
「本当」
「練習するのなら無理をしない程度にね」
「うぃっす!」
コートから離れると修ちゃんが来ていて
「明日のオーダー教えたんか」
「うん。きっと此の儘練習してるだろうから」
「さよか」
宿泊所の中に戻ると既にみんな集まって居て
「野郎ども!明日は大一番ドイツにリベンジして世界奪取に弾みをつけるぞ!」
「「おぉー!」」
元気だなぁ
「明日のオーダーを発表する」
「あれぇ?」
「金ちゃんどないしたん?」
「コシマエがおらへんで」
「ん?赤也もいないぞ」
「あぁ。あの2人やったら離れたコートに居るのを見かけたで」
「集合に遅れて来るとはたるんどる!」
「呼んできますか?」
「ふん。やりたい奴はやらせておけ。夢姫」
「ん?」
「あの2人にオーダーは」
「知らせてあるけど。組ませたオーダーで教えちゃったよ?」
「ならばいい」
ため息をついた弦君
「明日のオーダーを発表する。まずはこの俺が行く!次、鬼十次郎。デューク渡邊。種ヶ島修二。幸村精市。仁王雅治。そして切原赤也」
「なんや随分なメンバーやな」
「まぁドイツ戦だしね」
解散した後
「夢姫」
「レン君?」
あたしに耳打ちをしたレン君は
「いいな?」
「分かった」
弦君と其の儘外に行ってしまったレン君は
「蓮二になにを吹き込まれたんだい?」
「乾君」
「でなきゃ蓮二が耳打ちなんてするはずがないからな」
うぅ…
「乾。訊くだけ無駄だよ。どうせ仁王絡みだから」
「仁王が関係しているのか」
「あぁ。きっと今夢姫がこんな表情をさせている原因なんだろうからね」
「それは善いことを聞かせてもらった」
全然よくないんだけど
「そうそう。明日は仁王が昨日言っていたスープでも作ってあげたら?」
「食べてくれるかな」
きっと食べてもくれないし見てもくれないんじゃないかと思ってしまう
「食べてくれるさ」
「それとね。先にせーちゃんには言っておこうと思って」
「ん?」
「あたしね」
部屋に戻る直前育人君がせーちゃんを呼んで欲しいと頼んできたのだ
再び高校生のいるフロアに行くとブンちゃんにも遭遇
「珍しいじゃねぇか。こんな時間に」
「せーちゃんを探してて」
「幸村君を?何で」
「育人君が呼んでて」
「君様が?」
「うん」
「じゃ、探すの手伝ってやるよ」
「ありがとう」
暫くしてエレベーターの前に来たせーちゃん
「一体何の」
「あたしも何も聞いてないの。ただ呼んできてほしいって育人君に言われてるから。でも何かなければこんな前日の夜に呼んだりなんてしないよ」
「それもそうだね」
育人君たちがいる部屋に行くと、既にコーチも揃っていて
「幸村君。ドイツ戦の直前に申し訳ないが」
「はい」
「君には伝えておかなければならない事があります」
「え?」
「それは本当ですか?」
「えぇ。合宿所から君の血液サンプルを送ったでしょう。それをアメリカの医療機関に送ったところ、何も問題は見つからなかったそうだ」
その瞬間崩れ落ちたせーちゃん。泣いている姿なんて初めて見たかもしれない
「君の病気はもう完全に治っているよ」
「夢姫さんもここまでついて来てくれてありがとうございます」
「いいえ。あたしは何もしてませんから。血液サンプルを送るように指示を出してくれたのは育人君。それまでの流れを作ったのも育人君。せーちゃんに血液サンプルを取るようにしてくれたのは大和君だもの」
「それでも貴方が幸村君の食事に気を使っていてくれたことは承知していますよ」
「選手の健康面を支えるのがあたしの役目だもん」
ドイツ戦当日の早朝
昨日の夜から煮込んでいたテールスープは圧力鍋で煮込んでいるから1晩でもお肉もほろほろになっている
朝はザ・和食といった食事にしようとご飯を炊いていると
「朝からいい匂いがするだろぃ」
「そうじゃの」
「おはよう。2人とも」
「おはよう」
「でも少し早すぎない?」
「其れはお前さんも同じじゃろ」
「残念。あたしは大体この時間には起きてるよ」
そのあと少し寝るって言うのを条件にさせられているけどね。なんて言えないけど
「そういや今日は朝飯って」
「和食」
「マジか」
「たまには食べたいでしょ?」
「確かに。全然食ってねぇんだよなぁ和食」
暫くして起きて来たお兄ちゃんとサブちゃん
「おはようさん夢姫」
「おはよう。サブちゃん、お兄ちゃん」
「あぁ」
いつも通りお兄ちゃんとサブちゃんの前に水を出すと
「「水?」」
「お兄ちゃん、水が好きだからさ。毎朝水を出すようにしてるの。お兄ちゃんもサブちゃんもそうだけど、ここに来ている選手たちはさテニスをするし思っている以上に体も使うから汗もかくでしょう?そのための水分補給。本当はデトックスウォーターもいいんだけどね?」
「普通の水でいい」
「ってお兄ちゃんが言うから」
「へぇ」
「俺的にはそのデトックスウォーターって言うのも飲んでみたいけどね」
「同感」
話に入って来たのは何時から聞いていたのだろうか不二君とせーちゃんがいて
「おはよう。飲むなら作ってはあるよ?デトックスウォーター。あたしも飲むし修ちゃん達も飲んでる奴だし」
「へぇ」
冷蔵庫から取り出すと
「一見ただの水にしか見えないね」
「でも飲んだたら確り味が着いてるからね」
「本当だ。柑橘系のいい味がしているね」
「ありがと」
皆が起きてきて朝食を食べると
「夢姫」
「うん?」
「昨日の話」
「うん。まだ確定をしてないから誰にも言ってない。だから立海の皆にも黙っててほしい」
「そうか」
試合前にこんな話なんてしなければ良かったのかな。とも思ったけどどうせすぐに分かってしまう事でもあるだろう
「夢姫が決めたことなら俺達は何も言えないしね」
「ごめんね」
「謝らなくていいんだよ」
謝らなくてもいい?
「だって夢姫が俺達に悪い事をしているわけでもないし、したわけでもない。謝る要素なんてどこにもないだろう」
「そうかも知れないけど…」
「なら、立海に戻ったら俺から話しを付けてあげるよ。ただし」
ただし?
「仁王には内緒にしておくから」
「え?」
「でも仁王の事だからなんか勘づいてはいそうだけどね」
「そう…かな」
「まさか夢姫が仁王の事でこんなに悩む日が来るなんて俺達には想像もつかない事だろうけど」
「あたしも想像つかない。でも事実修ちゃんも好きなのにって思ってる自分もいる」
「そうか」
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