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「そう思っていた。という事は何かあったんだろう」
「あったの。最初は部屋に引きこもってばかりだったあたしにお兄ちゃんが毎朝の散歩に行くからって部屋から出してくれたのがきっかけ。あたしがお兄ちゃんに引っ付いていたのもあって、部屋もずっとお兄ちゃんと同じ部屋にしてもらってたの
でもあの合宿所でお兄ちゃん以外で最初に話しかけてくれたのは修二君だよ」
「修二君?」
「あたし的にはこっちの言い方の方が慣れちゃってるけどね。修ちゃん」
「な!?」
「修二君はね。中学にあがる少し前だったあたしに“猫みたいやな”ってそう言って来たの」
「「猫?」」
「そう。でも月日が流れれば流れる程皆ともやっと顔を会わせられるくらいにはなった。けど話をするのだけはどうしても出来なくてお兄ちゃんたちがいう壁を作っていたんだろうね。
修二君と一緒にいた育人君に言われたの。我々がラケットやボールを使ってあたしを傷つけるような馬鹿な真似はしないと。だから今自分が作っている壁を少しずつでいいから壊しなさいってそう言ってくれたの」
「ほう」
「ラケットやボールであたしを傷つけないと中学の時も高校の時もお兄ちゃんたちの時代の関東大会や全国大会を見ていたなら分かるでしょうって」
それからと続けたあたしに
「まだ何かあるのかい?」
「名前で呼びにくいと言うのなら自分が呼びやすいように呼べばいいとそう話してくれたのは修二君と奏多君」
「じゃあ、あの呼び方で呼んでいて何も言わないのは先輩たちの助言もあったから」
「そういうこと。あたしとお兄ちゃんが異母兄妹だと知っても変わらない対応をしてくれたのはここの人たちで、監督とコーチ達
修ちゃんとかカナ君のように言うのにはそう時間はかからなかったけど、ちゃんと名前で呼べるようになるには半年くらいかかってる
だからこそ、修二君や奏多君も同じことを言ってくれたの。あたしの呼びやすいように呼べばいいって」
「そうだったんだね」
「だが宍戸や岳人たちは」
「幼なじみだからね。名前で呼んでいても不思議ではないでしょう?あの3人の中じゃ誰よりも亮君が1番一緒に居てくれている時間が長かったけど」
「あーん?それはどういう意味だ」
「実家同士がものすごく近い距離にあるから」
「は?」
「あたしの実家と亮君の実家は歩いて数軒の差だよ」
「まじかよぃ」
「本当」
「じゃあお前にラケットやボールを当てて来た」
「その人たちが氷帝にいない事は知ってる。でも」
「でも?」
「テニスをしているのかしていないのか。までは分からないし、知ろうとも思ってない」
「そうか」
「じゃあ、去年榊先生がお前を見て普通に話していたのはずっと中等部の方に通っていたからか」
「そういうこと」
「俺達からもう聞くことはない」
「あ、そう」
なんて思っていれば
「じゃあ今度は俺達の番だね」
そう言ったのは立海の皆で、入り口に青学や他の人たちが一緒に居るのも知って居て
「いいよ。入ってくれば?」
「気づいていたのですか。貴方は」
「気づくでしょうね」
ふふふと笑っている不二君はせーちゃんと同じタイプなんだろうな。と考えさせられてしまった
「夢姫の昔話を聞く訳じゃないんだ」
「え?」
「俺達はね今の夢姫が知りたいんだ」
今の…あたし?
「だって立海で俺達といる夢姫は今の夢姫だろ」
「ぁ…」
ふふと笑顔を見せてくれたせーちゃんには感謝だ
きっとそんな事に気づくことなんて今のあたしにはなかったかもしれない
「この間柳が話していた夢姫ちゃんのプロフィールの話の続きでもしようかと思ってね」
「へ?」
「まだまだ聞きたいことが沢山あるんだ」
聞きたいことが沢山?
「柳が言っていたことに間違いとかってあったりは」
「多少は」
「あるんだね?」
「まぁあるよね。当然。面倒だから答えなかっただけで」
「あ、そうなんだ?」
「うん」
「じゃあその間違っている答えも教えてよ」
え…
「そうだな。俺もその正しい情報が知りたい」
正しい情報…かぁ
「レン君の場合あくと君にでも聞いて行きそうだけど」
「まぁその手もあるがどうせ話す内容と聞く内容が同じであれば本人から聞いた方が早いだろう」
「そうだね」
「柳の言っていたもので訂正するものから答えて貰おうかな」
「前にも言ったけど、語学は苦手。どの外国語でもある程度書くことはできるけど発音や会話はまるっきり駄目」
「じゃあお兄さんたちと海外に行っていた時って」
「引っ付いてたよ?そりゃあもう。お兄ちゃんや育人君に」
「マジか」
「得意科目は家庭科は当たってる。家庭科の中でも調理実習は得意分野。その為に資格も取らせてもらったし、資格を取っておけば視野が広がるって教えてくれたのは育人君だもの」
「だろうな」
「嫌いな科目は理数系は当たってる。数学なんて大っ嫌いだし」
「ほう」
「体育も水泳は嫌い」
「珍しいね。水泳が嫌いだなんて」
「お風呂とかは平気なんだけど、プールや海はどうしても克服は出来ないの。昔は何回も試したんだけどね。水の中に足を入れるっていう事さえ恐怖でしかなくて…」
「へぇ」
「じゃあ陸上競技は?」
「好きでも嫌いでもない。特段いい訳でもないけど悪い訳でもないし」
「そうなんだ」
「俺が知っているのはこれ位だぞ」
「じゃあこの先は柳も知らない情報を聞こうかな」
「そうだね」
まだ何か聞く事ってあるの?
「夢姫の好きな季節は?」
「秋と冬」
「嫌いな季節は?」
「春と夏」
「意外だね」
「確かに。冬とか嫌いそうだけど」
「昔はそうでもなかったよ?」
「じゃあ好きになった理由もあるんだ」
「冬場はねー。夜は修ちゃんに抱き着いて寝るのが日課だし、昼間もジャージを着てれば多少は温かいから」
「あー…そう言うこと」
「うん。修ちゃんにくっついていられる口実が出来る季節でもあるけどね」
「好きな場所は」
「キッチンとテニスコート」
「ほう」
「お兄ちゃんや修ちゃんのテニスを見ていられるなら室内でも大丈夫」
「そうなんだ」
「苦手な場所は」
「暗い所」
「そう言えば立海の皆は夢姫ちゃんの誕生日を知っているんだよね」
「あぁ」
「なら僕にも」
「5月5日」
「こどもの日だね」
「そうだね。それと氷帝のジロ君とも同じ誕生日だよ」
「意外」
「だよね」
「でも真田も5月だね」
「はい?」
「あ、意外。そういう事には驚くんだね」
「弦君に5月のイメージがあまりないんだもの」
「でもよ、俺達はともかく夢姫が祝われてた様子もなくないかい?」
そんなことないと思うけどなぁ。なんて思っていると
「夢姫」
「修ちゃん?」
「なんや。まだ話しとったんか」
「先輩は夢姫の誕生日」
「知っとるよ。5月5日やろ?せやかて一気に出かけられへんから毎年4月の終わり位から夢姫と一緒に出かけんのや。そんでもって5日はツッキーと俺が毎年交互に一緒に出掛けんねん」
「マジ?」
「ほんまや」
「今年は皆も来てたから出かけなかったけど、まぁ修ちゃんと海外旅行にでも来たと思えばいいかなぁ位では思ってたよ」
「すげぇ。その発想は無かったぜ」
そういうものなの?
「まぁこれから俺やツッキーが知らん事もお前たちは知っていくことやろうしな」
「え?」
「えぇ事教えたるわ。夢姫は氷帝の幼稚舎の一件から暗い所が苦手なんや」
「なんかそんな事を今聞いたような」
「さよか」
その言葉に反応を示したのは跡部君と忍足君で
「お前たちと同じフロアにせんかったのは暗闇が苦手な夢姫の事を誰よりも俺達が知っとるからや」
「な!?」
「合宿所で1回お前たちの所に姿を見せんかった時あったやろ」
「そういえば」
「あん時も夢姫はリラックスルームで寝てしもうてな。夜中に震えとったんや。そん時は平等院が見つけたからよかったけどな。すぐに休ませる判断を下したのも平等院やしな」
「そうなんですね」
「でも明日にはドイツ戦が始まってしまいますが」
「せやね。せやから今日はこれから俺と出かける予定なんや」
わぁい
「嬉しそうだね。夢姫ってば」
「勿論」
「で?後聞きたいことは」
「なら趣味は?」
「趣味かぁ。料理かなぁ」
「確かに夢姫の作る飯はうまいぜよ」
「ありがとう?」
「疑問形な所も面白いよね。夢姫は」
そんな事はないと思うけど。なんて思っていると
「なぁお前さんの日課って一体なんじゃ」
「散歩。森林浴は好きだよ」
「は?」
「そういや、俺にも森林浴を進めて来たよな?」
「うん。あたしはお兄ちゃんと毎日歩いてるからね?それも短距離じゃなくて長距離。だけど街並みを見ていても飽きちゃうから森林浴をするの。ここは森林浴をするのには最適な場所だしね」
「その森林浴って」
「時間は決めてない。でも学校のある日は朝と夜。休みの日は昼間にしてるよ」
「ここに居る間って」
「基本は夜だね。試合がある日は試合が終わってから行ってる。今日はこうやって皆と話してるから終わってから行くけど、明日は夜だね」
「マジか」
「本当」
「ま、夢姫に森林浴を勧めたんは斎藤コーチやしな」
「「え?」」
「あ?」
「どういう事じゃ」
クスクスと笑っているあたしに
「立海の奴等は見ているやろ?」
「あぁ」
「ツッキーが俺達の所につれて来る前から夢姫はあんな事が起こってたらしいからなぁ。精神的にはいいからってメンタルコーチの斎藤コーチに勧めて貰ったんや。元々ツッキーも日課として歩いている事もあって一緒に森林浴をしとる」
「マジか」
「本当」
「森林浴にはな精神面の安らぎ、自律神経を調整。後はストレスの軽減をもたらすと言われてるんや。夢姫の場合、精神面の安定も戻って来て実家でのストレスも無くなっているんや」
「夢姫にはそこがいい環境だっていう事ですね」
「そういう事や」
他にもいろいろと聞かれたけど、外も薄暗くなってきたことで、立海の皆も聞きたいことは聞けたのだろう
「最後に聞きたい」
「ん?」
「毛利先輩と蓮二がダブルスを組んだあの試合の時に話していた立海の選手と言うのは、俺のことなんだろう?」
「うん。そうだよ」
「そうか」
「去年も話したでしょう?皆の事をよく見てくれてる人はいるって」
「そう言えば」
「あれはサブちゃんの事だよ」
「そうか。あの時はありがとう。俺も真田も蓮二も、毛利先輩と話せる機会なんて中々ないし、俺達との間にあったわだかまりみたいなものも取れた気がするよ」
「そう」
「ありがとう夢姫」
「いいえ」
椅子から立ち上がるとずっと座っていたのもあってふら付いたあたしを支えてくれた修ちゃん
「ありがとう。修ちゃん」
「構へんよ。ずっと座っとったからやろ」