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あれから数か月。
あたしは立海と合宿所の往復をしている。テニス部の練習は越知の家でしているという事もあり立海での練習はほぼしていないとお兄ちゃんから連絡を受けている
「夢姫」
「あ、せーちゃん、レン君」
「少しは落ち着いたみたいだな」
「え?」
「先輩の家から出る時笑気のない顔をしていたから」
「他の奴等も心配していた」
そうだったんだ
「特に氷帝のあの3人はね」
「昔のお前に戻ったようだったと言っていたが」
「そっか」
「でもきっと空港に夢姫は来ないだろうから」
「そうだね」
「どうやって」
「修ちゃんと船で行くつもりでいるの」
そう反応したのは今来たのであろうブンちゃんとまーくんで
「船!?」
「危険じゃなか」
「そんな危ない船乗ってこないよ。むしろ船を選ぶのは修ちゃんだもん」
「まじかよぃ」
「本当。皆と同じ日には集まれるけど、時間帯的には遅くなるかもしれないし」
「まじかよぃ」
なんて話している中コーチから連絡が入ってきて
「えー…」
「なんじゃ随分不満そうな声じゃの」
「飛行機で来いって。修ちゃんはその前に1試合してからの合流だから完全に遅くなるって」
「ほう」
「へぇ」
「いいなぁ。修ちゃんの試合見てから行きたいのに」
「なんでそうなるんじゃ」
「だって修ちゃんだよ?練習でならシングルス見てるけど、公式試合のあの選抜メンバーじゃなかなかシングルスの修ちゃん見られないもん」
「相変わらず先輩信者か」
「勿論」
返ってから修ちゃんに確認すればいいだけの話か
「あの家にいた時よりもいい顔をしている」
「昔はもっと酷かったよ。だからこそあの家に味方でいてくれるのはお兄ちゃんだけだと思っていた時期もあったわけだし」
「酷かった?」
「真冬の雪の降っているときにパジャマで外に追い出された事もあったし、全身水を掛けられるなんてしょっちゅうだった
ただ唯一1人だけあたしにそんな事をせずお兄ちゃんと同様に可愛がってくれた使用人の人がいたんだけど」
「「いた?」」
「いないの間違いじゃねぇのかよぃ」
「いたの。働けない年齢でもないのだけれど4年前にあたしがあの合宿所に言ったタイミングで辞めてしまったとお兄ちゃんから聞いているわ」
「嘘じゃろ」
「嘘じゃない」
「でもちゃんと皆の様子も聞いているよ?お兄ちゃんが確実にテニスの腕も上達しているって」
「へぇ」
「お兄ちゃんは次の高校生選抜のお兄ちゃんの持っていたバッヂを誰に渡すか決めているし、修ちゃんもすでに決めているよ」
「「は!?」」
「選ばれていないからバッヂが貰えないわけじゃない。きっとサブちゃんも渡す相手はすでに決めているみたいだし」
「マジか」
「本当。唯一知ってるのは修ちゃんが渡す相手だけ。後は分からないけど」
「先輩も決めているのか」
「うん。修ちゃん本人から聞いている話だし嘘ではないと思うけど」
「そうかい」
当日
「本当に空港に行かなきゃダメ?」
「我慢しいや。平等院から各国の予選行かなきゃいけんのやろ」
「うん…」
本当はそんな物よりも修ちゃんと一緒に居たかったのに
「当日の試合が何処が相手でも俺は間に合わんからなぁ。夜に付くやろうし」
「うん…」
「向こうであいつ等と一緒に待っとき」
「分かった」
コーチ達と一緒に空港に行くと青学に氷帝。それと立海は揃っている
「おはよう夢姫ちゃん」
「お、おはよう…」
「おどおどしている夢姫ちゃんも新鮮で可愛いね」
「か、かわ…!?」
「にしてはゆっくりすぎじゃね?」
「そうでもないよ」
「どういう意味や」
「だってまだ比嘉の人たちも来ていない。そこのコーチをしている強化選抜選手も来ていないからね」
「だからって」
「そういや。お前らんとこのもう1人のコーチは如何したんだよ?」
「そういやいねぇな」
「成程な。こっちで行けと言われたな?夢姫」
「は?」
「ったく。今生の別れでもねーだろし」
「どういう」
「へそ曲げてんなよ。夢姫」
「だってぇ…」
「先に向こうで待って居ろと言われているだろう」
「どういう事なんです?」
「夢姫は修二と一緒に船でオーストラリアに入りたかったんだよ」
「嘘だろ」
「本当だ。帰りは種ヶ島と帰ってくればいいだろ」
「絶対にそうする」
比嘉も揃い、日本代表の飛行機に乗り込んで皆が座ったのを確認すると、直ぐに飛び立っていく飛行機の中で
「夢姫には伝えておく」
「ん?」
隣に座って居るお兄ちゃんに
「あの使用人は一斉に解雇をした。そしてお前を可愛がってくれていた使用人たちがいただろう」
「いた。でもその人たちは」
「戻ってくることになった。お前が其れで実家でも安心して暮らせるならと」
そっか
「着くまでに時間がかかる。少し寝ておいた方がいい」
「でも」
「問題ない」
後ろに誰もいないのをお兄ちゃんが確認すると椅子を倒してくれて、掛物まで確りと用意してくれていたお兄ちゃんは其れを懸けてくれている
「随分と古い」
「これは夢姫が昔実家で使っていた毛布だ」
「は?」
毛布にくるまったあたしに
「芋虫みたいじゃな」
「だろぃ」
「きっとお前たちと一緒にいる時にこれで来いと言われた後に種ヶ島とも平等院とも話しているんだろう」
「仕方がなかろう。それでも昨日は種ヶ島と一緒に寝ていたようだが」
「また寝ぼけて潜り込んだのかよ」
「だろうな」
「いいや。戻ってきたあの日からずっと種ヶ島と同じ部屋で過ごしていますよ」
「慣れてるんですね」
「大体ランダムで潜り込んでくる可能性があるからな」
「まぁ実家でのこともあったから余計だな」
オーストラリアについたあたし達は
「まだ眠そうだな」
「眠たい」
「バスに乗ったらもう少し寝られるから我慢しろ」
「うん」
バスに乗り込んだあたし達は
「ここがU-21の開催地。僕たちがここに居るなんてなんか夢みたいだね」
夢…か
「貴様たちが此れから見るのは夢ではない。地獄だ。この地で貴様らは世界という者の恐ろしさを思い知る」
寝る間もなくついてしまったホテルで、あたしはほー君から一緒に来いと言われて付いてきた予選リーグの抽選
「ワールドカップ前に明日1日、プレワールドカップとしてエキシビジョンを行う
各国我々と高校生や中学生で組んだダブルスを3チーム出して戦う。スポンサーやマスコミに対しての顔見世のようなものだ。夢姫お前は知って居るだろう」
「3年前だっけ?来たの」
「そうだ」
「え?君もここに来て」
「此奴はな俺達とずっと一緒にいるだけあって前回の試合も来て居る」
「まぁ戦力を隠してくる国もあれば全力を出して勝ちにくる国もあるよね」
「あぁ。戦いは既に始まって居る」
各国の代表が集まって居る中、ドイツ代表として現れたのは手塚君とプロのボルク選手と
その後に入ってきたアメリカの代表に越前君がいるのには正直驚いてしまった
「ふぅん」
「越前?越前じゃないか」
「ん?」
「お前何やってるんだ。こんな所で。連絡したんだぞ?あ、そっかそれで駆け付けたんだな」
「なんのことっすか」
少し離れた場所にいたあたしでも気づいていたのに大石君は気づいていないのか
「彼、アメリカに渡っていたのね」
「その様だな」
「ま、1人欠けた所で痛手にはならないけれど」
「そうだな」
「聞いてないのか?お前、日本代表に選ばれてんだぞ」
大石君の言葉で雰囲気が変わったのはアメリカも手塚君も同じだ
「悪いっすけど俺、アメリカ代表なんで」
離れて行く越前君を引き留めようとしているけど無駄な話だろう
「そう言えば、お兄ちゃんたちと一緒に帰って来たあの男の人もいなくなってたよね」
「あぁ」
同じ時期に日本から2人も消えるなんて誰も想像もしないだろう
まぁ、あたしもあまりかかわりを持って居なかったからどうでもいいのだけれど
籤を引きに行くのは
「夢姫はどうしたい」
「引きたくない。まぁ大石君のクジ運がどれくらいなのかも見てみたいって言うのもあるけど」
「そうか」
大石君に引いてもらったクジで選ばれた対戦相手はドイツ
「へぇ」「ほぉ」
修ちゃんはこれに間に合わないだろうなぁ
「エキシビジョンだ。アイツが居なくても試合は別の国で見られる。我慢しておけ」
「はぁい」
戻ってきた大石君は
「すいません。よりによってドイツ引いちゃいました…俺、くじ運無くて…」
「良くやったタマゴ坊主」
「え?」
「最強ドイツで今の実力を試せるいい機会だ」
「はい」
「夢姫、帰るぞ」
「うん」
「何故予選抽選会に女性であるお前も来ていた。越知」
「手塚?」
「それは貴方に関係のない事では?」
大石君があたしの声色に固まったのがすぐに分かった。手塚君はさほど驚いていないようだけれど
「何?」
「だって本当のことでしょう?どこの国でも女性が居てはいけない。そんな規則はないわ」
「そうだな。お前たちよりも俺やドイツのボルク、そして夢姫は世界の恐怖を知って居る」
「え?彼女も知って居るんですか」
「あぁ。3年前のワールドカップにもこいつは来ている。俺達と一緒にな。それに今日コイツがここに来たのは気晴らしだ」
「気晴らし?この予選会にか」
「そうだ。手塚お前には分からない苦労をコイツはずっと抱えている。それも俺達でも計り知れないな。誰よりも信頼もされていない奴等とずっと一緒に居るのと俺と一緒に居るの夢姫は」
「それはもちろん平等院君だね」
「そういう事だ」
「だからと言ってそれは甘えでもあるわけだろう」
甘え…ねぇ
「残念だな。コイツが甘えんのなんて早々見られるもんじゃねぇぞ」
「どういう」
「そのままの意味だ。帰るぞ」
「あ、うん」
「はい」
手塚君と離れてからバスに乗り込むと
「震えているな」
「少しだけ、怖くなった」
「だろうな」
「え?」
「タマゴ坊主。覚えておけ」
「な、何をです?」
「夢姫を怖がらせる発言や言い方をするな。特にあの中にはそういう奴がお前たちの中に居るだろう」
「俺達の中…ですか」
「あぁ。ホテルに戻ったら分かることだが、夢姫」
「うん?」
「アイツらと話してから上がって来い」
「ヤダよ」
「越知もお前と一緒に居させる」
お兄ちゃんとかぁ
「分かった」