本編
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「…おはようございます…」
私はこそこそと、自分の席についた。勿論同僚は変な目で見てきたが、そんなものはどうでもいい。昨日の今日で観音坂さんに会うのは恥ずかしかったのだ。
昨日出張先で、突然受けた告白と突然のキス…あれからとりあえず帰らなくてはと、半分上の空のまま新幹線に乗り帰ってきた。
そしてそのまま眠れる訳もなく、一晩目がさえたまま今に至る。
彼氏の連絡には、ごめん寝てたと返しておいた。
一応頭の中で整理はした。
まず、観音坂さんにキスされたこと。
忘れる訳もない。あんな強引で突然なキスは生まれて初めてだし、まさかされるとは…
そして次に、観音坂さんは私が結婚することが嫌らしいこと。
好きでもない奴と結婚するくらいなら…と言われたのだ。好きな人を選ぶのは良いのだろうか…その辺は分からなかった。
そして最後、観音坂さんの好きな人はどうやら私らしいこと。
観音坂さんは私が欲しいと言った。そんな熱く言われるとは…思い返すと恥ずかしくなってしまう。
もし、私が観音坂さんすきすぎて幻覚幻聴を聞いていたのなら全て違うのだろうし、超高度な暗号とかで無いかぎり私の解釈は合ってるはずだ。
……合ってるのか?
そんな都合のいい話があるのだろうか、あるとしたら私は前世で相当徳を積んでいるようだ。
あまりの出来事に今や夢なのでは?とか本当は違う解釈かあるのでは?とか考えはじめ、だんだん訳が分からなくなっていた。
これは今日も残業になりそうだ。
飲み物でも買いに行こうと立ち上がると、奥の席にいる観音坂さんと目が合った…というより、とても、見られている。
幻覚でも幻聴でもなかったみたい……
私が自動販売機へ行こうとしているのが分かったのか、観音坂さんも財布を持って私に付いてきた。
「…おはようございます…」
「おはよう…」
互いに挨拶を交わす。
「……あの、昨日の…」
私がそう発すると、観音坂さんはビクッとしてこちらの様子を伺う。
なんだか、切り出しずらくなってしまう。でも聞かない訳にもいかない。少しの沈黙のあと、私は切り出す。
「昨日の…その、最後のあれって…私どう受け取ったらいいですか…」
めちゃめちゃ難かしい暗号ではありませんように、と思いながらふんわりと聞いてみた。
でも、これって改めて言って下さいって言ってるようなのじゃない?焦って私は続ける。
「あ、違うんですよ?ただ、私の解釈で合ってるのかなぁって不安になって…そんな、流石に図々しいこと言えないので…ってそれも違いますね…何言ってるんだろ私…」
口を開けばだんだん分からなくなって、言いたいことが遠回しになってまう。これだから…と私は恥ずかしくなって誤魔化すように自動販売機にお金を入れる。
すると、それまで黙って聞いてた観音坂さんはぽつりと呟やくように私に聞く。
「…素直に言わないと…分かりずらい、か?」
そう言われて私は頷くこともできず、ボタンを押そうとした手を止めた。
いや、確かにそう言うことなのだが…
観音坂さんを見ると、戸惑う様子もなく真剣にこちらを見ている。
これは…私の間違いとかじゃない…
そう確信した私は振り返り観音坂さんを同じように見据えた。
「私が欲しいって言いましたよね…観音坂さんの好きな人って…本当に…」
そこまで言って私は詰まる。すると観音坂さんは、少し視線をさ迷わせてからまた様子を伺うように私を覗き見て言った。
「…その、澤田のこと…だけど」
確認がとれてしまった。私は恥ずかしいやら嬉しいやらで声が出せず、ただ観音坂さんを見ていた。
観音坂さんは続けた。
「…澤田が、その好きな人を選ぶなら…それは応援しようと思った…でも、そいつを選ばないで、違う奴と結婚するなら…応援は、しない」
観音坂さんは昨日より少し丁寧に話した。
私のことが好きだっていうことを、丁寧に…
もう迷う必要はなかった。私も観音坂さんが好き…やっと言えるのだ。
私は後ろ手で自動販売機のコーヒーを押す、もうどれが出ても良かった。
「私の好きな人は、彼女持ちだったんです。前に観音坂さんに言われたときに、一瞬玉砕覚悟で告白してしまおうかって思えました。…でもそのとき、その人には彼女以上に好きな人が出来たって聞かされました…」
私は今までをさらけ出すように言葉にする。
「そんな話を聞かされたらもう言えなくなってしまったんです。だって、叶わない…それにそのとき彼氏にプロポーズされたんです。だったら、100%将来のある彼氏に着いていくほうが私が傷付かない…」
そう、その時言ってしまえば関係も何もかも全て変わってしまうと思ってた。
それなら言わないで傷付かない道を選ぶのがいい…
この時私は私のズルい性格に気づかされた。
「その人を好きでいるタイムリミットが出来たと思って、その間だけは純粋にその人に恋をしようと思っていました。
言えない恋だけれど、その期間だけは彼氏への罪悪感にとらわれずに好きでいられた……気付いてますか?」
私の好きな人はその綺麗で長い睫毛を見開いている。
「私はずっと観音坂さんが好き…」
照れも恥ずかしさもこの時は忘れて思いをぶつける。
「大好きです!」
ぎゅうっと抱き締められて、その苦しさがお互いの切ない時間の共有になる。まさか、好きって言うことになるとは…
少し前の自分が今を知れば驚くことだろう。
どんどん抱き締めが強くなる。そして、一度距離をとる。観音坂さんは真剣な表情になる。私はじっとその瞳を見つめて次の言葉を待った。
「こんな、自動販売機の前で…ロマンなんてあったものじゃないけど、言わせて…俺と…」
「付き合います!」
私は言わせずに観音坂さんに飛び込んだ。言わせろって言っただろと文句を言いながらも、観音坂さんは嬉しそうだった。そしてお互いに見つめ合い、どちらからともいわずそっと口付けをする。
周りに人が居なくて良かったが、ここは自動販売機の前だ。出てきたコーヒーをとり、舞い上がる心を抑えながらも今日も仕事を終わらせた。
また今までと違う意味で手につかず残業したのは言うまでもない。
そしてその後、彼氏とは色々進んでいたところ申し訳ないが別れた。指輪も用意してくれていたのに本当に申し訳ない、そう謝ると彼は
「ゆうかが本当に好きな人と一緒になれて、幸せなら俺はいいよ。男としては悔しいけど。」
そう言ってくれたのだ。本当にいい人だった。
観音坂さんも彼女とは別れ、私達は正式に付き合うことになった。
実を言うと、観音坂さんは夕飯を一緒にすることを彼女に許してもらっていなかった。彼女は相手が彼氏いようと許さなかったらしい。
それでも、観音坂さんは私に会うために彼女に黙っていたようだ。
…ごめん、待たせた
そんなラインが来た。
残業を終えた観音坂さんが帰る支度をして席を立つ。先に仕事を終えていた私も席を立ち、職場をあとにする。
付き合う前と変わらないのは残業して夕飯を一緒にすることだった。半分習慣化していたために、残業して夕飯までが自然な流れになっていた。
そして、付き合って変わったのはその後だった。観音坂さんを私の家に上げるようになったのだ。食後のお茶をしたり、お喋りしたりと、翌日の仕事が忘れられる一時を過ごす。
「…ゆうかを好きになれて、良かった」
「私もです…」
これを合図にお互いを求め合うのだ。
私はこそこそと、自分の席についた。勿論同僚は変な目で見てきたが、そんなものはどうでもいい。昨日の今日で観音坂さんに会うのは恥ずかしかったのだ。
昨日出張先で、突然受けた告白と突然のキス…あれからとりあえず帰らなくてはと、半分上の空のまま新幹線に乗り帰ってきた。
そしてそのまま眠れる訳もなく、一晩目がさえたまま今に至る。
彼氏の連絡には、ごめん寝てたと返しておいた。
一応頭の中で整理はした。
まず、観音坂さんにキスされたこと。
忘れる訳もない。あんな強引で突然なキスは生まれて初めてだし、まさかされるとは…
そして次に、観音坂さんは私が結婚することが嫌らしいこと。
好きでもない奴と結婚するくらいなら…と言われたのだ。好きな人を選ぶのは良いのだろうか…その辺は分からなかった。
そして最後、観音坂さんの好きな人はどうやら私らしいこと。
観音坂さんは私が欲しいと言った。そんな熱く言われるとは…思い返すと恥ずかしくなってしまう。
もし、私が観音坂さんすきすぎて幻覚幻聴を聞いていたのなら全て違うのだろうし、超高度な暗号とかで無いかぎり私の解釈は合ってるはずだ。
……合ってるのか?
そんな都合のいい話があるのだろうか、あるとしたら私は前世で相当徳を積んでいるようだ。
あまりの出来事に今や夢なのでは?とか本当は違う解釈かあるのでは?とか考えはじめ、だんだん訳が分からなくなっていた。
これは今日も残業になりそうだ。
飲み物でも買いに行こうと立ち上がると、奥の席にいる観音坂さんと目が合った…というより、とても、見られている。
幻覚でも幻聴でもなかったみたい……
私が自動販売機へ行こうとしているのが分かったのか、観音坂さんも財布を持って私に付いてきた。
「…おはようございます…」
「おはよう…」
互いに挨拶を交わす。
「……あの、昨日の…」
私がそう発すると、観音坂さんはビクッとしてこちらの様子を伺う。
なんだか、切り出しずらくなってしまう。でも聞かない訳にもいかない。少しの沈黙のあと、私は切り出す。
「昨日の…その、最後のあれって…私どう受け取ったらいいですか…」
めちゃめちゃ難かしい暗号ではありませんように、と思いながらふんわりと聞いてみた。
でも、これって改めて言って下さいって言ってるようなのじゃない?焦って私は続ける。
「あ、違うんですよ?ただ、私の解釈で合ってるのかなぁって不安になって…そんな、流石に図々しいこと言えないので…ってそれも違いますね…何言ってるんだろ私…」
口を開けばだんだん分からなくなって、言いたいことが遠回しになってまう。これだから…と私は恥ずかしくなって誤魔化すように自動販売機にお金を入れる。
すると、それまで黙って聞いてた観音坂さんはぽつりと呟やくように私に聞く。
「…素直に言わないと…分かりずらい、か?」
そう言われて私は頷くこともできず、ボタンを押そうとした手を止めた。
いや、確かにそう言うことなのだが…
観音坂さんを見ると、戸惑う様子もなく真剣にこちらを見ている。
これは…私の間違いとかじゃない…
そう確信した私は振り返り観音坂さんを同じように見据えた。
「私が欲しいって言いましたよね…観音坂さんの好きな人って…本当に…」
そこまで言って私は詰まる。すると観音坂さんは、少し視線をさ迷わせてからまた様子を伺うように私を覗き見て言った。
「…その、澤田のこと…だけど」
確認がとれてしまった。私は恥ずかしいやら嬉しいやらで声が出せず、ただ観音坂さんを見ていた。
観音坂さんは続けた。
「…澤田が、その好きな人を選ぶなら…それは応援しようと思った…でも、そいつを選ばないで、違う奴と結婚するなら…応援は、しない」
観音坂さんは昨日より少し丁寧に話した。
私のことが好きだっていうことを、丁寧に…
もう迷う必要はなかった。私も観音坂さんが好き…やっと言えるのだ。
私は後ろ手で自動販売機のコーヒーを押す、もうどれが出ても良かった。
「私の好きな人は、彼女持ちだったんです。前に観音坂さんに言われたときに、一瞬玉砕覚悟で告白してしまおうかって思えました。…でもそのとき、その人には彼女以上に好きな人が出来たって聞かされました…」
私は今までをさらけ出すように言葉にする。
「そんな話を聞かされたらもう言えなくなってしまったんです。だって、叶わない…それにそのとき彼氏にプロポーズされたんです。だったら、100%将来のある彼氏に着いていくほうが私が傷付かない…」
そう、その時言ってしまえば関係も何もかも全て変わってしまうと思ってた。
それなら言わないで傷付かない道を選ぶのがいい…
この時私は私のズルい性格に気づかされた。
「その人を好きでいるタイムリミットが出来たと思って、その間だけは純粋にその人に恋をしようと思っていました。
言えない恋だけれど、その期間だけは彼氏への罪悪感にとらわれずに好きでいられた……気付いてますか?」
私の好きな人はその綺麗で長い睫毛を見開いている。
「私はずっと観音坂さんが好き…」
照れも恥ずかしさもこの時は忘れて思いをぶつける。
「大好きです!」
ぎゅうっと抱き締められて、その苦しさがお互いの切ない時間の共有になる。まさか、好きって言うことになるとは…
少し前の自分が今を知れば驚くことだろう。
どんどん抱き締めが強くなる。そして、一度距離をとる。観音坂さんは真剣な表情になる。私はじっとその瞳を見つめて次の言葉を待った。
「こんな、自動販売機の前で…ロマンなんてあったものじゃないけど、言わせて…俺と…」
「付き合います!」
私は言わせずに観音坂さんに飛び込んだ。言わせろって言っただろと文句を言いながらも、観音坂さんは嬉しそうだった。そしてお互いに見つめ合い、どちらからともいわずそっと口付けをする。
周りに人が居なくて良かったが、ここは自動販売機の前だ。出てきたコーヒーをとり、舞い上がる心を抑えながらも今日も仕事を終わらせた。
また今までと違う意味で手につかず残業したのは言うまでもない。
そしてその後、彼氏とは色々進んでいたところ申し訳ないが別れた。指輪も用意してくれていたのに本当に申し訳ない、そう謝ると彼は
「ゆうかが本当に好きな人と一緒になれて、幸せなら俺はいいよ。男としては悔しいけど。」
そう言ってくれたのだ。本当にいい人だった。
観音坂さんも彼女とは別れ、私達は正式に付き合うことになった。
実を言うと、観音坂さんは夕飯を一緒にすることを彼女に許してもらっていなかった。彼女は相手が彼氏いようと許さなかったらしい。
それでも、観音坂さんは私に会うために彼女に黙っていたようだ。
…ごめん、待たせた
そんなラインが来た。
残業を終えた観音坂さんが帰る支度をして席を立つ。先に仕事を終えていた私も席を立ち、職場をあとにする。
付き合う前と変わらないのは残業して夕飯を一緒にすることだった。半分習慣化していたために、残業して夕飯までが自然な流れになっていた。
そして、付き合って変わったのはその後だった。観音坂さんを私の家に上げるようになったのだ。食後のお茶をしたり、お喋りしたりと、翌日の仕事が忘れられる一時を過ごす。
「…ゆうかを好きになれて、良かった」
「私もです…」
これを合図にお互いを求め合うのだ。
