はぁ……
「全くまるって奴は………。」
俺は国木田 独歩（くにきだ どっぽ）。
「なぁに？国木田くん」
可愛（かわい）らしい声で俺の名前を呼んだのが、
同棲（どうせい）しているまるだ。
「そんな可愛らしい声を出しても駄目（だめ）だ！！」
俺がそう云（い）うとまるはキョトンとして、へにゃ。と笑った。
其（そ）の拍子（ひょうし）に着ていた服がはらりと。
俺の顔が紅に染まったのが判（わか）る。
「そう云（い）う処（ところ）だ！！」

俺は朝に弱い。観る夢が仕合（しあ）わせすぎるからだ。
「早く着替えろよ。もうじき探偵社に行く時間だからな。」
「は〜い」
とまるは返事をした。
して、あ。と何か思い出したのだろうか声を上げ、
「今日は国木田くんがご飯作ってね」
と云った。
「仕方無いな。」

5分で目玉焼きとトーストを作った。
「美味しそぉ〜！！さっすが国木田くんだぁ〜」
「そんな事無いぞ。まるの料理も美味い。」

「いっただっきま〜っす！」
「頂きます。」
はふはふっとまるが食べている。

「………可愛い。」
「え？」
は。つい声が漏れてしまった。
「いや、何でも無い。」

「ごっちそぉ〜さぁ〜まで〜したぁ〜！」
「御馳走様（ごちそうさま）でした。」

「さぁ行くぞ。まるの異能力は万能だからな。」
「ぬんむいえおむんぐむぐ？」
「ぷふっ。敦の真似しなくて良い。」
つい吹き出してしまった。