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Hope Estheim





おかえりなさい ホープ・エストハイム

この挨拶がホープの耳に届くことはないので、返事は当然返ってこない。
それでも朝起きたらおはようございます、外出時はいってらっしゃいと此方側から挨拶をするのはマナーであり、基本中の基本だ。
何せホープはこの家の主なのだからーー

時刻は深夜十二時。
毎度のことながら、ホープの帰りは遅かった。
帰宅して早々ネクタイを緩め、そのネクタイをアカデミーのジャケットと共にリビングにあるソファーの背もたれに放り投げる。続いてズボンのベルトを外し始めたので、恐らくシャワールームへ向かうのだろう。

今日も相当疲れているようだ。
シャワーを浴びて、そのまま食事も摂らずベッドにダイブすれば、朝まで起きることはない。それがいつものパターンだった。
こうして不養生な"主"を間近で見るたびに、彼の帰りを待ち、ご飯を作ってくれる恋人が出来ればいいのにと思うが、それをホープ本人に言えば"余計なお世話です"と苦笑されるのだろう(会話なんてものは出来はしないのだが)

そんなホープはただいま脱衣所でパンツを脱ぐところだ。

ブリーフ、トランクス、ボクサーパンツ。彼はどれ派か?その問いにはボクサーパンツとお応えしておこう。しかし、その程度で興奮するのはまだ早い。
パンツを下ろせばぼろんと露わになるホープのそれは、実はものすごく立派なのだ。着痩せするタイプで、衣服を脱げばその逞しい裸体に目を奪われる。
雑誌に掲載されるなら確実袋綴じ案件であろうそれらの丸秘シーンを生で拝めるのは、ホープのプライベートを守る私だけの特権と言ってもいい。
今こうしてシャワーを頭から浴びる彼は、いつ見ても何度見てもとてもセクシーだ。濡れた髪から滴り落ちる水滴が首筋、鎖骨、厚めの胸板を通り下半身までその肢体を這うようにして伝っていく。
ホープがぶるんと頭を振れば、透明な飛沫が爽やかに散った。

水も滴るいい男とはまさにこのことだーー

なんて暫くの間見惚れていると、ホープはその細く長い指先で白銀の髪をぞんざいに掻き上げた。

やはり、いつも以上に疲れていたのだ。
さっと汗を流す程度でシャワーを切り上げたホープは、剥き出しだった自身だけをパンツの中に仕舞うと、そのまま裸同然の格好で寝室に直行し、ベッドへとダイブした。

ソファの上に無造作に投げられたアカデミーの制服を一瞥すると、ため息の一つもつきたくなる。それらをきちんと畳んでくれる恋人でも作ればいいのに、と。
もちろん彼はそんなことを恋人に押し付けるような人間でないことは百も承知だが。

再びホープに目を移すと、ホープは既に深い眠りに落ちている。
彼の寝顔を拝めるのも、今は私だけの特権だ。


おやすみなさい ホープ・エストハイム




*ホープとエストハイム邸
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