鬼滅の刃
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・ヤンデレ表現あり
・善逸のキャラ崩壊
・監禁ネタ
・初めてのヤンデレなので変なところあっても許してね
**********
「名前ちゃんは俺とずっと一緒にいるんだよ。」
そう言って優しく微笑む善逸は、私が大好きな人のはずなのに、私の知る、私の好きになった笑顔とは違う笑顔を私に向けていた。
――私と善逸が所謂恋仲になったのは、半年以上前のことである。
善逸から毎日のごとく求婚されていた私は、最初こそ彼を適当にあしらっていたが、彼の優しさや仲間思いなところ、本当はとても強い心の持ち主であるところ、彼のことを知れば知るほど惹かれていき、ついには折れた。
告白を受け入れた日、善逸は咽び泣いて喜んだ。
それから約半年間。私たちはそれなりに幸せにやってきた。
私はとても幸せだったんだけど、どうやら善逸はそうではなかったらしい。
彼と付き合い始めて半年後、私は彼に閉じ込められていた。
薄暗いこじんまりとした小屋の中に、私は居た。
両足を縄できつく縛られ、柱に繋がれるようにして身動きが取れないようにされていた。
小さな窓から唯一差し込んでくる光だけが、この部屋の明かりだった。
善逸は私をこんな所に閉じ込めてどうしたいのだろう。
彼は私を監禁するようになってから、この場所には不定期にやって来る。
1日に何度も来ることもあれば、数日に1度という日もある。
来れない日は多分、任務に出ているのだろう。
何日も来れない日の前日には、善逸は必ず数日分の水と食料を置いていった。
彼にここに囚われて2ヶ月。同じ行動を繰り返す彼に、私はここから逃げる機会をずっと窺ってた。
そしてついさっき、彼はここに来て、私の前に大量の食料と水を置いていったのである。
つまり、逃げるなら今しかない。私はそう判断した。
(早く早く早く!!)
私は焦る気持ちのままに、縄に歯を立てて噛み付いた。
何日も何日も前から、少しずつに縄に噛み付いてすり減らしてきた。
あともう少しで噛みちぎれる。
やっとやっと、ここから逃げ出せるのだ。
ブチブチブチと、縄が引きちぎられる音と共に、私は直ぐに足首に巻き付けられた縄を持ち上げて駆け出した。
足首を縛る縄のせいで上手く走れないが、今はそんなこと気にしている場合じゃない。
私を繋いでいた縄を噛みちぎるだけでも、だいぶ時間が掛かってしまったのだから。
早くここから逃げなくては。
足首の縄は、小屋から十分に離れてからゆっくり外せばいい。
善逸はきっと、あと数日は帰って来ないのだから。
今は逃げるんだ。
そして、ちゃんと落ち着ける状況になったら善逸と話そう。
こんなことをされたけれど、私は善逸が嫌いになった訳じゃない。だからちゃんと理由を聞こう。
だけどその為にはまず1度、彼から逃げなければ……
2人きりでの話し合いでは、きっとまた閉じ込められてしまう。だから味方を作らなければ。
私はそう思って必死に足を動かした。
そして、小屋の外へと足を一歩踏み出した。
「――どこに行くの?」
誰もいないはずの場所に、居てはならない人の声が響いた。
できれば今一番会いたくなかった人。
善逸がそこに居た。にっこりと穏やかに微笑んで、とても優しく笑っている。
「……あっ……ぜん……いつ……」
「名前ちゃん、ダメだよ。どうして出て行こうとするのかなぁ?俺とずっと2人っきりいるのは嫌?」
「ねえ善逸!聞いて?私は……!」
そこまで言って息を呑んだ。
だって、彼の目が全く笑っていなかったから。
表情はとても穏やかなのに、目がとても冷たいのだ。
そんな目の善逸を、私は初めて見た。
私をここに監禁したあの日でさえ、彼はこんな冷たい目を私に向けはしなかったのに……
気が付いたら、私の体は恐怖で小刻みに震えていた。
カチカチと、寒いわけでもないのに恐怖で歯が鳴る。
「――ねぇ、どうして怯えるの?何で?俺はこんなに名前ちゃんが好きなのに、名前ちゃんは俺が嫌いなの?」
「ち……違うよ。違うけど……」
「けど?何?」
「………」
「何で分かってくれないの?何で逃げようとするの?名前ちゃんの為にこんなことしてるんだよ」
そう言って善逸は私の肩をそっと抱いた。びくりと私の肩が跳ね上がる。
それに善逸がスっと目を細めて反応すると、私の肩を抱く腕の力をぐっと強めた。
思わず痛くて私は小さく声を漏らしてしまう。すると彼は「ごめんね」と直ぐに謝ってくれた。
だけど、腕の力は全く緩めてはくれなかった。
それが彼の本心のようで、私は今更になって善逸を本気で怖いと感じてしまった。
今まではどこか夢見心地のようにぽんやりとしていて、現実味を感じていなかった。
……いや、私が現実から目を背けていたんだ。
あの優しい善逸が、私にこんなことをするなんて信じたくなくて。
カタカタと真っ青な顔で震えが止まらない私を、善逸は冷めた瞳で見下ろす。
彼が何を考えているのか分からなくて、ただただ怖かった。
善逸は私をふわりと横抱きすると、また小屋の中へと戻っていく。
入口が遠のいていく。ああ、逃げられなかった。
「……名前ちゃんは全然分かってないよ。外にはね、君を狙う男たちが沢山いるんだ。鬼殺隊だってやめて欲しいのに全然話を聞いてくれないし。
鬼なんて怖いものと戦わないで欲しいのに。俺のお願い、全然聞いてくれないし。
だからね、俺も考えたんだ。名前ちゃんを誰にも見せなくて、誰にも奪われなくて、俺だけの名前ちゃんにできる方法。
名前ちゃんを閉じ込めてしまえばいいんだって!」
「な、にを……」
まるで名案とばかりに閉じ込めるなどと恐ろしいことを楽しげに話す善逸に、名前の首筋にヒヤリとした嫌な汗がつたう。
「だけどさぁ、名前ちゃんがこうやって逃げようとするなら、しょうがないよね。俺だってできればここまではしたくなかったけど……」
ストンと私を床に下ろすと、彼は突然腰に差していた日輪刀を鞘から引き抜いた。
嫌な予感がする。私は思わず一歩後ずさった。
善逸は怯える私を見て、口元を釣り上げて笑った。
「だからさ、名前ちゃんの足の脛斬らせてよ。」
「え……」
「そうすればもう名前ちゃんは二度と歩けなくなるし、ここから逃げようなんてことできなくなる。」
「やっ、やだ……やめて善逸。」
「大丈夫だよ。ちょっと痛いけど、名前ちゃんが大人しくしてくれてたら、すぐに終わるから。」
「やっ!」
善逸はなんてことのないように穏やかに笑ってそんなことを言う。
どうして?なんで?
いつからそんなに歪んでしまったの?
そんな風に笑う善逸じゃなかったでしょ?
言いたいことは沢山あったのに、恐怖で声なんて出なかった。
私はただ、怖くて涙を流しながら、嫌々と子供のように首を振って怯えていた。
そんな私に善逸はどこまでも優しく微笑んでいた。
――私はもう、逃げることなんてできなかった。
・善逸のキャラ崩壊
・監禁ネタ
・初めてのヤンデレなので変なところあっても許してね
**********
「名前ちゃんは俺とずっと一緒にいるんだよ。」
そう言って優しく微笑む善逸は、私が大好きな人のはずなのに、私の知る、私の好きになった笑顔とは違う笑顔を私に向けていた。
――私と善逸が所謂恋仲になったのは、半年以上前のことである。
善逸から毎日のごとく求婚されていた私は、最初こそ彼を適当にあしらっていたが、彼の優しさや仲間思いなところ、本当はとても強い心の持ち主であるところ、彼のことを知れば知るほど惹かれていき、ついには折れた。
告白を受け入れた日、善逸は咽び泣いて喜んだ。
それから約半年間。私たちはそれなりに幸せにやってきた。
私はとても幸せだったんだけど、どうやら善逸はそうではなかったらしい。
彼と付き合い始めて半年後、私は彼に閉じ込められていた。
薄暗いこじんまりとした小屋の中に、私は居た。
両足を縄できつく縛られ、柱に繋がれるようにして身動きが取れないようにされていた。
小さな窓から唯一差し込んでくる光だけが、この部屋の明かりだった。
善逸は私をこんな所に閉じ込めてどうしたいのだろう。
彼は私を監禁するようになってから、この場所には不定期にやって来る。
1日に何度も来ることもあれば、数日に1度という日もある。
来れない日は多分、任務に出ているのだろう。
何日も来れない日の前日には、善逸は必ず数日分の水と食料を置いていった。
彼にここに囚われて2ヶ月。同じ行動を繰り返す彼に、私はここから逃げる機会をずっと窺ってた。
そしてついさっき、彼はここに来て、私の前に大量の食料と水を置いていったのである。
つまり、逃げるなら今しかない。私はそう判断した。
(早く早く早く!!)
私は焦る気持ちのままに、縄に歯を立てて噛み付いた。
何日も何日も前から、少しずつに縄に噛み付いてすり減らしてきた。
あともう少しで噛みちぎれる。
やっとやっと、ここから逃げ出せるのだ。
ブチブチブチと、縄が引きちぎられる音と共に、私は直ぐに足首に巻き付けられた縄を持ち上げて駆け出した。
足首を縛る縄のせいで上手く走れないが、今はそんなこと気にしている場合じゃない。
私を繋いでいた縄を噛みちぎるだけでも、だいぶ時間が掛かってしまったのだから。
早くここから逃げなくては。
足首の縄は、小屋から十分に離れてからゆっくり外せばいい。
善逸はきっと、あと数日は帰って来ないのだから。
今は逃げるんだ。
そして、ちゃんと落ち着ける状況になったら善逸と話そう。
こんなことをされたけれど、私は善逸が嫌いになった訳じゃない。だからちゃんと理由を聞こう。
だけどその為にはまず1度、彼から逃げなければ……
2人きりでの話し合いでは、きっとまた閉じ込められてしまう。だから味方を作らなければ。
私はそう思って必死に足を動かした。
そして、小屋の外へと足を一歩踏み出した。
「――どこに行くの?」
誰もいないはずの場所に、居てはならない人の声が響いた。
できれば今一番会いたくなかった人。
善逸がそこに居た。にっこりと穏やかに微笑んで、とても優しく笑っている。
「……あっ……ぜん……いつ……」
「名前ちゃん、ダメだよ。どうして出て行こうとするのかなぁ?俺とずっと2人っきりいるのは嫌?」
「ねえ善逸!聞いて?私は……!」
そこまで言って息を呑んだ。
だって、彼の目が全く笑っていなかったから。
表情はとても穏やかなのに、目がとても冷たいのだ。
そんな目の善逸を、私は初めて見た。
私をここに監禁したあの日でさえ、彼はこんな冷たい目を私に向けはしなかったのに……
気が付いたら、私の体は恐怖で小刻みに震えていた。
カチカチと、寒いわけでもないのに恐怖で歯が鳴る。
「――ねぇ、どうして怯えるの?何で?俺はこんなに名前ちゃんが好きなのに、名前ちゃんは俺が嫌いなの?」
「ち……違うよ。違うけど……」
「けど?何?」
「………」
「何で分かってくれないの?何で逃げようとするの?名前ちゃんの為にこんなことしてるんだよ」
そう言って善逸は私の肩をそっと抱いた。びくりと私の肩が跳ね上がる。
それに善逸がスっと目を細めて反応すると、私の肩を抱く腕の力をぐっと強めた。
思わず痛くて私は小さく声を漏らしてしまう。すると彼は「ごめんね」と直ぐに謝ってくれた。
だけど、腕の力は全く緩めてはくれなかった。
それが彼の本心のようで、私は今更になって善逸を本気で怖いと感じてしまった。
今まではどこか夢見心地のようにぽんやりとしていて、現実味を感じていなかった。
……いや、私が現実から目を背けていたんだ。
あの優しい善逸が、私にこんなことをするなんて信じたくなくて。
カタカタと真っ青な顔で震えが止まらない私を、善逸は冷めた瞳で見下ろす。
彼が何を考えているのか分からなくて、ただただ怖かった。
善逸は私をふわりと横抱きすると、また小屋の中へと戻っていく。
入口が遠のいていく。ああ、逃げられなかった。
「……名前ちゃんは全然分かってないよ。外にはね、君を狙う男たちが沢山いるんだ。鬼殺隊だってやめて欲しいのに全然話を聞いてくれないし。
鬼なんて怖いものと戦わないで欲しいのに。俺のお願い、全然聞いてくれないし。
だからね、俺も考えたんだ。名前ちゃんを誰にも見せなくて、誰にも奪われなくて、俺だけの名前ちゃんにできる方法。
名前ちゃんを閉じ込めてしまえばいいんだって!」
「な、にを……」
まるで名案とばかりに閉じ込めるなどと恐ろしいことを楽しげに話す善逸に、名前の首筋にヒヤリとした嫌な汗がつたう。
「だけどさぁ、名前ちゃんがこうやって逃げようとするなら、しょうがないよね。俺だってできればここまではしたくなかったけど……」
ストンと私を床に下ろすと、彼は突然腰に差していた日輪刀を鞘から引き抜いた。
嫌な予感がする。私は思わず一歩後ずさった。
善逸は怯える私を見て、口元を釣り上げて笑った。
「だからさ、名前ちゃんの足の脛斬らせてよ。」
「え……」
「そうすればもう名前ちゃんは二度と歩けなくなるし、ここから逃げようなんてことできなくなる。」
「やっ、やだ……やめて善逸。」
「大丈夫だよ。ちょっと痛いけど、名前ちゃんが大人しくしてくれてたら、すぐに終わるから。」
「やっ!」
善逸はなんてことのないように穏やかに笑ってそんなことを言う。
どうして?なんで?
いつからそんなに歪んでしまったの?
そんな風に笑う善逸じゃなかったでしょ?
言いたいことは沢山あったのに、恐怖で声なんて出なかった。
私はただ、怖くて涙を流しながら、嫌々と子供のように首を振って怯えていた。
そんな私に善逸はどこまでも優しく微笑んでいた。
――私はもう、逃げることなんてできなかった。