呪術廻戦
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気になっていた奴から男物のシャンプーの匂いがした。
いつも見ていたから分かる。
あいつの髪から普段嗅いだことがないような匂いがして、俺は不思議に思った。
「――なぁ、お前シャンプー変えたの?」
「え?ああ、分かる?」
「お前がいつも愛用しているシャンプーと違う匂いがしたからさ。」
「は?何?五条いつもこの子の匂い嗅いでるの?キモっ!」
「ばっ!ちげーよ!いつも一緒にいりゃ、匂い嗅いじまうこともあんだろーが!」
「どーだか。」
硝子の言葉に慌ててそう返すが、硝子はあいつを守るように抱きしめて、「男って本当にキモいな、あんたも気をつけなさいよ。」とかふざけたことを言い出す。
おい待てコラ。そいつに変なこと吹き込むんじゃねーよ。
俺の印象悪くなるじゃんか!
そんなことを思いつつも、あいつの前でそんなこと死んでも口にできないので黙るしかない。
「それにしても、確かに五条の言う通りいつもと匂いが違うわね。」
人のことを散々キモイだのなんだのと言っておいて、自分もちゃっかりあいつの髪の匂いを嗅ぐ硝子にちょっとだけイラついた。
くんくんと匂いを嗅ぎながら硝子がそう言うと、きょとんとした顔で口を開いた。
「あ~、昨日彼氏の家に泊まった時に彼のシャンプー使ったからかなぁ~?そんなに匂いする?」
「……はっ?」
あいつの口から出た「彼氏」という単語に、思わず間抜けな声が出た。
動揺しすぎて顔がこわばる。
「え……っ、お前、彼氏いたの?」
「えっ?いるよ。」
知らなかった。そんなこと聞いてない。
俺は思わず隣にいる硝子を睨みつけると、奴はさっと目を逸らした。
こいつ!知ってて俺に教えなかったな!
俺の気持ちを知っていながら黙っていた硝子に文句を言いたい衝動にかられながら、こいつの前でそんなことできなくて、黙るしかない俺は怒りでプルプルと体が震える。
だけど今はそんなことはどうでもいい。
「お前、やることやってんのか?」
「五条、お前サイテーだな。」
「いいよ硝子。まあ、泊まってたってことは察してよ。」
「ちっ!」
「舌打ち!?」
馬鹿正直に感情を隠すことなく舌打ちした俺を見て、あいつは「せっかく答えてあげたのにー!」と不服そうに怒っていた。
だけど俺は、あいつが既に他の男のものにされて、手を出されたことがムカついてしょうがなかった。
苛立ちをまるで隠そうともしない俺に、硝子は呆れたようなジト目で俺を見ていたけれど、気づかないふりをする。
「お前って見かけによらず軽いなぁー、ビッチなの?」
「はあっ!?恋人なら普通でしょ!?それに悟にだけは言われたくない!」
「ああ?」
それから口喧嘩に発展したのは言うまでもなく、俺は変なプライドもあって結局、あいつに素直に気持ちを伝えることができなかった。
*
「――まあ、僕も若かったんだよねー!」
「何の話?」
昔のことを思い出していたら、僕の腕の中で寛いでいたあの子が不思議そうに僕を見上げてきた。
今では僕のかわいい恋人になったあの子に、「なんでもないよ〜」っとふにゃりと破顔した笑顔を向ける。
ああ、かわいいなぁ~
あの頃の僕は本当に子供で、好きな女の子に好きだって一言すら満足に言うことができなかった。
もしもあの時、変なプライドなんて持たずに、たった一言好きだって素直に告白できていたら、もっと早くこんな関係になれたんだろうか。
僕は結局、この子が当時付き合っていた大学生の彼氏と別れるまでの数年、彼女に想いを伝えることができなかった。
本当に硝子にヘタレだって言われても、文句が言えないよねー
その代わり、あの子がフリーになったと知った途端、速攻で告白して猛アタックしたけどね。
その努力の甲斐もあって、今では僕のかわいい恋人。
昨晩も盛り上がって、甘く熱い夜を過ごした。
生まれたままの姿で、僕の腕に抱かれて隣にいる彼女の髪に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。
僕と同じシャンプーの香りに、あの頃の苦い思いが蘇ると同時に、妙な達成感を感じる。
あの時、他の男と同じシャンプーの香りを纏っていた彼女は、手に入れたくても手に入らないところにいた。
それが今では僕と同じシャンプーの香りを身に纏って、僕に身を委ねている。
色々な想いが混ざりあって、感慨深いものがある。
本当に可愛くてしょうがない。
僕は大好きで愛おしくてたまらないこの子の髪に、そっとキスを落とす。
諦めなくて良かったと、強く思う。
とても満たされた気持ちになりながら、僕はこの子をもう一生離さないと心に誓った。
いつも見ていたから分かる。
あいつの髪から普段嗅いだことがないような匂いがして、俺は不思議に思った。
「――なぁ、お前シャンプー変えたの?」
「え?ああ、分かる?」
「お前がいつも愛用しているシャンプーと違う匂いがしたからさ。」
「は?何?五条いつもこの子の匂い嗅いでるの?キモっ!」
「ばっ!ちげーよ!いつも一緒にいりゃ、匂い嗅いじまうこともあんだろーが!」
「どーだか。」
硝子の言葉に慌ててそう返すが、硝子はあいつを守るように抱きしめて、「男って本当にキモいな、あんたも気をつけなさいよ。」とかふざけたことを言い出す。
おい待てコラ。そいつに変なこと吹き込むんじゃねーよ。
俺の印象悪くなるじゃんか!
そんなことを思いつつも、あいつの前でそんなこと死んでも口にできないので黙るしかない。
「それにしても、確かに五条の言う通りいつもと匂いが違うわね。」
人のことを散々キモイだのなんだのと言っておいて、自分もちゃっかりあいつの髪の匂いを嗅ぐ硝子にちょっとだけイラついた。
くんくんと匂いを嗅ぎながら硝子がそう言うと、きょとんとした顔で口を開いた。
「あ~、昨日彼氏の家に泊まった時に彼のシャンプー使ったからかなぁ~?そんなに匂いする?」
「……はっ?」
あいつの口から出た「彼氏」という単語に、思わず間抜けな声が出た。
動揺しすぎて顔がこわばる。
「え……っ、お前、彼氏いたの?」
「えっ?いるよ。」
知らなかった。そんなこと聞いてない。
俺は思わず隣にいる硝子を睨みつけると、奴はさっと目を逸らした。
こいつ!知ってて俺に教えなかったな!
俺の気持ちを知っていながら黙っていた硝子に文句を言いたい衝動にかられながら、こいつの前でそんなことできなくて、黙るしかない俺は怒りでプルプルと体が震える。
だけど今はそんなことはどうでもいい。
「お前、やることやってんのか?」
「五条、お前サイテーだな。」
「いいよ硝子。まあ、泊まってたってことは察してよ。」
「ちっ!」
「舌打ち!?」
馬鹿正直に感情を隠すことなく舌打ちした俺を見て、あいつは「せっかく答えてあげたのにー!」と不服そうに怒っていた。
だけど俺は、あいつが既に他の男のものにされて、手を出されたことがムカついてしょうがなかった。
苛立ちをまるで隠そうともしない俺に、硝子は呆れたようなジト目で俺を見ていたけれど、気づかないふりをする。
「お前って見かけによらず軽いなぁー、ビッチなの?」
「はあっ!?恋人なら普通でしょ!?それに悟にだけは言われたくない!」
「ああ?」
それから口喧嘩に発展したのは言うまでもなく、俺は変なプライドもあって結局、あいつに素直に気持ちを伝えることができなかった。
*
「――まあ、僕も若かったんだよねー!」
「何の話?」
昔のことを思い出していたら、僕の腕の中で寛いでいたあの子が不思議そうに僕を見上げてきた。
今では僕のかわいい恋人になったあの子に、「なんでもないよ〜」っとふにゃりと破顔した笑顔を向ける。
ああ、かわいいなぁ~
あの頃の僕は本当に子供で、好きな女の子に好きだって一言すら満足に言うことができなかった。
もしもあの時、変なプライドなんて持たずに、たった一言好きだって素直に告白できていたら、もっと早くこんな関係になれたんだろうか。
僕は結局、この子が当時付き合っていた大学生の彼氏と別れるまでの数年、彼女に想いを伝えることができなかった。
本当に硝子にヘタレだって言われても、文句が言えないよねー
その代わり、あの子がフリーになったと知った途端、速攻で告白して猛アタックしたけどね。
その努力の甲斐もあって、今では僕のかわいい恋人。
昨晩も盛り上がって、甘く熱い夜を過ごした。
生まれたままの姿で、僕の腕に抱かれて隣にいる彼女の髪に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。
僕と同じシャンプーの香りに、あの頃の苦い思いが蘇ると同時に、妙な達成感を感じる。
あの時、他の男と同じシャンプーの香りを纏っていた彼女は、手に入れたくても手に入らないところにいた。
それが今では僕と同じシャンプーの香りを身に纏って、僕に身を委ねている。
色々な想いが混ざりあって、感慨深いものがある。
本当に可愛くてしょうがない。
僕は大好きで愛おしくてたまらないこの子の髪に、そっとキスを落とす。
諦めなくて良かったと、強く思う。
とても満たされた気持ちになりながら、僕はこの子をもう一生離さないと心に誓った。
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