呪術廻戦
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は五条悟が嫌いだ。
呪術界に生まれた突然変異の子供。御三家の一つである五条家に生まれ、次期当主の地位を約束された存在。
才能の塊とも言えるあいつは、幼い頃から約束された未来を歩んできたんだろう。
何でもそつなくこなせる天才様は、きっと挫折も嫉妬も後悔も知らないのだ。
私の家も呪術師の家系ゆえ、奴が幼い頃から命を狙われたとかの話を聞いたことがある。
それでも奴を同情する気にはならなかった。
奴は生まれ持った力で容易く敵をねじ伏せる事ができるからだ。
何人たりとも奴を止められる者はいないかのように。
傲慢で、態度がでかくて、自分勝手で、我儘。
人の心の傷を一番嫌な言葉で容赦なく抉ってくるような最低な奴。
幼い頃から奴を知っている私の五条悟という印象はそんなものだ。
だから高専で奴と同じクラスになるのだけは嫌だった私は、京都校に行こうとしたのだが、何故か家に盛大に反対されて半場強引に東京校に入学させられた。
そう、五条悟のいる東京校に……
「お前弱いね〜、術師やめた方がいいよ。」
「雑魚が足でまとい。」
「あーあ、弱い奴は邪魔だなー」
五条悟からそんな言葉を投げかけられるのにはもう慣れた。
幼い頃から「弱い」「雑魚」だと散々言われてきたのだから、もう何も感じない。
……という訳でもなく、私は奴に腹が立っていた。
「五条悟。私はお前が大っ嫌いだ!」
「……は?」
面と向かって何度目かになるか分からないその言葉を吐く。
案の定、五条悟は面倒くさそうに私を見てきた。
デカすぎるその高身長で見下ろしてくる五条を、私は負けじと見上げて睨み返す。
「お前それ何回目?」
「知るか!とにかく私はお前が大っ嫌いだ!」
「あー、ハイハイそうかよ。別に雑魚に好かれたくもねーし。」
「私はいつかお前を見返すからな!」
「おー、そうかよ。弱弱の雑魚に何ができるのかねー?」
「……ちぃっ!」
やつの言葉に盛大に舌打ちする。クソが、死ね!
呪術師の名家に生まれ、約束された地位に生まれ持った才能。
天狗になっている奴の鼻をいつか折ってやりたい。
私がどれだけ努力しても努力しても、絶対に五条のようにはなれない。
それでもアイツにだけは負けたくなくて、がむしゃらに努力してきた。
女だからと舐められたくなくて、女々しい言葉遣いはやめた。
幼い頃はあれだけ長かった髪も強くなると決めてからはばっさりと切って伸ばしてない。
私はどうがんばっても五条のようにはなれないだろう。
あの場所には努力だけではどうあがいてもきっといけない。
それでも奴に負けたくはなかった。
このままあの野郎の好き勝手にだけはさせたくない。
だから私は努力することをやめない。
――いつか絶対に五条悟の泣きっ面を拝んでやるのだ!
*****
「五条悟。私はお前が大っ嫌いだ!」
そう面と向かって俺に言ってくるアイツをバカだなと鼻で笑う。
アイツは御三家でこそないけれど、そこそこの呪術師の家系の出で、実力も実はそんなに悪くない。
だけど呪術師の女の役割は大体が優秀な次の世代を産むことだ。
アイツはそれが嫌なのかまったく女らしく振舞おうとはしない。
子供頃はもう少し女らしかった気がする。
いつも笑顔で可愛らしいぬいぐるみが好きで、本当に可愛らしい女の子だった。
だけど俺が雑魚呪霊すら倒せずに泣いているアイツについイラついて「雑魚は雑魚も倒せないんだな。よえー!」とか言ったら、アイツは俺に「五条くんなんて大っ嫌い!」とか叫んで睨みつけてきた。
これまで俺に堂々と面と向かって、そんな失礼な言葉を言ってくる奴なんていなかったから驚いた。
けれど同時にものすごく気に入ってしまったんだ。
その日を境に、アイツは女らしくすることをやめた。
長く綺麗だった髪をばっさりと切り落とし、口調も男勝りになった。
女らしさを封印したアイツはめきめきと強くなっていったけれど、家からの評判はあまり良くないみたいだった。
アイツが京都校に入学すると知って、五条家の権力を使って無理矢理俺と同じ東京校に変更させたりした。
あいつが俺を見た時の心底嫌そうな顔には笑った。
俺の顔を見る度に俺が嫌いだと言うアイツの悔しげな顔を見るのは楽しい。
「お前それ何回目?」
「知るか!とにかく私はお前が大っ嫌いだ!」
「あー、ハイハイそうかよ。別に雑魚に好かれたくもねーし。」
「私はいつかお前を見返すからな!」
「おー、そうかよ。弱弱の雑魚に何ができるのかねー?」
「……ちぃっ!」
ほら、またそうやって悔しげな顔をする。
俺は隠しもせずに盛大に顔を歪めて舌打ちするアイツが可愛くてしょうがない。
馬鹿で弱くて、努力し続ければいつか俺を超えられるのだと信じている愚かなところ、俺を心底嫌いだと言うその強気なところも、心底俺が憎らしいと睨みつけるその目も、みんなみんな可愛くてしょうがない。
昔から大抵は何でも俺の思い通りになってきた。
大人たちでさえ俺には下手に逆らわない。
だから面と向かって俺に敵意と嫌悪を剥き出しにしてくれるこいつの反応はとても新鮮で面白かった。
それがお気に入りから歪んだ愛情に変わっても、何も問題ない。
いつかその顔を盛大に歪ませて、泣かせてみたい。
今度はどんな嫌がらせをしようか。
そろそろ幼稚な事はやめて、本気で落としにかかるのも面白そうだ。
ああでも、その前にもっとアイツの心を折ってみたい。
傷つけて傷つけて、俺の事を心底憎いと感じさせてみたい。
俺しか見えないくらいに。
俺に惚れさせるよりも、そっちの方が強烈に俺のことを印象づけられそうだ。
「今度は何してやろうかなぁ~」
アイツに特別きつい任務を与えて、死にかけさせてみようかな。
ギリギリで助けて、もう立ち直れないくらいに心をズタズタに折ってやりたい。
泣き顔見れるかな。今度こそ壊れてしまうかな。
だけどどうなっても、もうアイツを手放すつもりはないし。
呪術師をやめても、俺の側に置いてやることには変わらない。
呪術師をやめたら、俺の家で囲って、外に出さない。そのままいつかは形式だけ結婚するのもいいかもしれない。
どう転んでも楽しいからいいや。
――さて、今度はどうアイツを可愛がろうかな。
今日も俺は歪んだ愛情を好きな女に向ける。
理由なんてない。
だってそれが俺の愛し方だから。
呪術界に生まれた突然変異の子供。御三家の一つである五条家に生まれ、次期当主の地位を約束された存在。
才能の塊とも言えるあいつは、幼い頃から約束された未来を歩んできたんだろう。
何でもそつなくこなせる天才様は、きっと挫折も嫉妬も後悔も知らないのだ。
私の家も呪術師の家系ゆえ、奴が幼い頃から命を狙われたとかの話を聞いたことがある。
それでも奴を同情する気にはならなかった。
奴は生まれ持った力で容易く敵をねじ伏せる事ができるからだ。
何人たりとも奴を止められる者はいないかのように。
傲慢で、態度がでかくて、自分勝手で、我儘。
人の心の傷を一番嫌な言葉で容赦なく抉ってくるような最低な奴。
幼い頃から奴を知っている私の五条悟という印象はそんなものだ。
だから高専で奴と同じクラスになるのだけは嫌だった私は、京都校に行こうとしたのだが、何故か家に盛大に反対されて半場強引に東京校に入学させられた。
そう、五条悟のいる東京校に……
「お前弱いね〜、術師やめた方がいいよ。」
「雑魚が足でまとい。」
「あーあ、弱い奴は邪魔だなー」
五条悟からそんな言葉を投げかけられるのにはもう慣れた。
幼い頃から「弱い」「雑魚」だと散々言われてきたのだから、もう何も感じない。
……という訳でもなく、私は奴に腹が立っていた。
「五条悟。私はお前が大っ嫌いだ!」
「……は?」
面と向かって何度目かになるか分からないその言葉を吐く。
案の定、五条悟は面倒くさそうに私を見てきた。
デカすぎるその高身長で見下ろしてくる五条を、私は負けじと見上げて睨み返す。
「お前それ何回目?」
「知るか!とにかく私はお前が大っ嫌いだ!」
「あー、ハイハイそうかよ。別に雑魚に好かれたくもねーし。」
「私はいつかお前を見返すからな!」
「おー、そうかよ。弱弱の雑魚に何ができるのかねー?」
「……ちぃっ!」
やつの言葉に盛大に舌打ちする。クソが、死ね!
呪術師の名家に生まれ、約束された地位に生まれ持った才能。
天狗になっている奴の鼻をいつか折ってやりたい。
私がどれだけ努力しても努力しても、絶対に五条のようにはなれない。
それでもアイツにだけは負けたくなくて、がむしゃらに努力してきた。
女だからと舐められたくなくて、女々しい言葉遣いはやめた。
幼い頃はあれだけ長かった髪も強くなると決めてからはばっさりと切って伸ばしてない。
私はどうがんばっても五条のようにはなれないだろう。
あの場所には努力だけではどうあがいてもきっといけない。
それでも奴に負けたくはなかった。
このままあの野郎の好き勝手にだけはさせたくない。
だから私は努力することをやめない。
――いつか絶対に五条悟の泣きっ面を拝んでやるのだ!
*****
「五条悟。私はお前が大っ嫌いだ!」
そう面と向かって俺に言ってくるアイツをバカだなと鼻で笑う。
アイツは御三家でこそないけれど、そこそこの呪術師の家系の出で、実力も実はそんなに悪くない。
だけど呪術師の女の役割は大体が優秀な次の世代を産むことだ。
アイツはそれが嫌なのかまったく女らしく振舞おうとはしない。
子供頃はもう少し女らしかった気がする。
いつも笑顔で可愛らしいぬいぐるみが好きで、本当に可愛らしい女の子だった。
だけど俺が雑魚呪霊すら倒せずに泣いているアイツについイラついて「雑魚は雑魚も倒せないんだな。よえー!」とか言ったら、アイツは俺に「五条くんなんて大っ嫌い!」とか叫んで睨みつけてきた。
これまで俺に堂々と面と向かって、そんな失礼な言葉を言ってくる奴なんていなかったから驚いた。
けれど同時にものすごく気に入ってしまったんだ。
その日を境に、アイツは女らしくすることをやめた。
長く綺麗だった髪をばっさりと切り落とし、口調も男勝りになった。
女らしさを封印したアイツはめきめきと強くなっていったけれど、家からの評判はあまり良くないみたいだった。
アイツが京都校に入学すると知って、五条家の権力を使って無理矢理俺と同じ東京校に変更させたりした。
あいつが俺を見た時の心底嫌そうな顔には笑った。
俺の顔を見る度に俺が嫌いだと言うアイツの悔しげな顔を見るのは楽しい。
「お前それ何回目?」
「知るか!とにかく私はお前が大っ嫌いだ!」
「あー、ハイハイそうかよ。別に雑魚に好かれたくもねーし。」
「私はいつかお前を見返すからな!」
「おー、そうかよ。弱弱の雑魚に何ができるのかねー?」
「……ちぃっ!」
ほら、またそうやって悔しげな顔をする。
俺は隠しもせずに盛大に顔を歪めて舌打ちするアイツが可愛くてしょうがない。
馬鹿で弱くて、努力し続ければいつか俺を超えられるのだと信じている愚かなところ、俺を心底嫌いだと言うその強気なところも、心底俺が憎らしいと睨みつけるその目も、みんなみんな可愛くてしょうがない。
昔から大抵は何でも俺の思い通りになってきた。
大人たちでさえ俺には下手に逆らわない。
だから面と向かって俺に敵意と嫌悪を剥き出しにしてくれるこいつの反応はとても新鮮で面白かった。
それがお気に入りから歪んだ愛情に変わっても、何も問題ない。
いつかその顔を盛大に歪ませて、泣かせてみたい。
今度はどんな嫌がらせをしようか。
そろそろ幼稚な事はやめて、本気で落としにかかるのも面白そうだ。
ああでも、その前にもっとアイツの心を折ってみたい。
傷つけて傷つけて、俺の事を心底憎いと感じさせてみたい。
俺しか見えないくらいに。
俺に惚れさせるよりも、そっちの方が強烈に俺のことを印象づけられそうだ。
「今度は何してやろうかなぁ~」
アイツに特別きつい任務を与えて、死にかけさせてみようかな。
ギリギリで助けて、もう立ち直れないくらいに心をズタズタに折ってやりたい。
泣き顔見れるかな。今度こそ壊れてしまうかな。
だけどどうなっても、もうアイツを手放すつもりはないし。
呪術師をやめても、俺の側に置いてやることには変わらない。
呪術師をやめたら、俺の家で囲って、外に出さない。そのままいつかは形式だけ結婚するのもいいかもしれない。
どう転んでも楽しいからいいや。
――さて、今度はどうアイツを可愛がろうかな。
今日も俺は歪んだ愛情を好きな女に向ける。
理由なんてない。
だってそれが俺の愛し方だから。