鬼滅の刃
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・原作軸
・夢主は先天色覚異常を患っています。
************
私の世界は、生まれた時からずっと白と黒の世界だけだった。
普通の人には見えるだろう赤、青、黄色の色とりどりの世界が、私には見えなかった。
先天性の病気だと医者に言われ、私は一生色というものを見れないのだと悟った。
普通の人には当たり前に見えているであろう、色付いた世界が、私にだけは見えない。
それが酷く悲しくて、寂しくて、私は何度も涙を流していた。
そんな私の前に、貴方は現れてくれたの。
「こんにちは名前ちゃん。」
「こんにちは善逸さん。」
1人で縁側にぼんやりと座っていると、突然誰かに声をかけられた。
聞き慣れたその声の主に笑顔で笑いかけると、彼はへにゃりと頬を緩ませて幸せそうに笑う。
そんな彼に釣られるように、私もまた笑顔を浮かべた。
「今日も来てくれたんですか?」
「当たり前だよォ!!名前ちゃんに会えるのが俺の今の生き甲斐だもん!!」
「ふふ、善逸さんたらお上手ですね。」
いつものやり取りが可笑しくて、クスクスと口元に手を当てて笑う。
善逸さんと出会ったのは、ほんの二ヶ月前。
昔から先祖代々藤の花の家紋を掲げる我が家は、小さな旅館を営んでおり、こうしてたまに訪れる鬼殺隊の方々に宿を提供している。
善逸さんもその1人だった。
善逸さんと初めて会った日のことは、私の中で色褪せない大切な思い出だ。
いつもの様に鎹鴉から鬼殺隊が一人やってくるとの連絡を受けて、宿の準備をして待っていた。
そうして夜にボロボロになってやってきた彼を初めて見た瞬間、私は息を飲んだのだ。
彼は髪も、服も、全身が色鮮やかな黄色に身を包んでいた。
そう、黄色。とても綺麗なお月様の色をしていた。
あの日、私は彼に見惚れてしまったのだ。
だって、今まで私の世界には白か黒しか存在していなかったのに、あの日、彼を見た瞬間だけ、彼だけが色づいて見ることができたのである。
それは今も変わらずで、私の世界は相変わらず白と黒のつまらない世界しか映さない。
でも、善逸さんだけは、何故か色づいて見えるのである。
こうして彼を見つめている時だけが、私に色というものを見せてくれる。
何故彼だけが色づいて見えるのかは分からない。
けれど、まるで運命の人とでもいうように、特別な存在である善逸さんが私にとって無くてはならない存在になるのは必然であった。
彼の隣にいる時が、何よりも幸せで、かけがけのない瞬間。
私に色を教えてくれた、大切な人。
でもそれは善逸さんにはまだ話せていない。
だって、善逸さんは女性にはみんなに優しい。
だからこれは私の片想いでしかない。
この想いはまだ言えない。だから、私の秘密もまだ、話せない。
「はい、名前ちゃん!」
そう言って善逸さんが差し出してきたのは小さな花束。
善逸さんはいつもここに立ち寄る時には必ずと言って良いほど何処からか花を摘んできてくれる。
残念なことにその花は白黒にしか見えないため、色は分からないのだけれど。
彼のその優しい気持ちがたまらなく愛おしくて、嬉しかった。
「また花を摘んできてくれたんですか?」
「うん!だって名前ちゃんお花好きでしょ?いつも喜んでくれるもんね!」
「ふふだってそれは……」
「それは?」
――それは貴方が私を想って摘んできてくれたものだから……
ぐっとその言葉を飲み込んで、私は花を受け取る。
大切に、愛おしそうに。
そうすると彼はとても嬉しそうにへにゃりと笑ってくれた。
「うへへ、俺がお世話になってる御屋敷の近くにね、花畑があるんだけど、それがすっごく綺麗なんだぁ!」
「……ねぇ、善逸さん。」
「なあに名前ちゃん?」
「今度、私もその花畑に連れて行ってくださらない?」
「ええ!もっちろんだよぉ!!いつ行く!?明日!?」
「ふふ、それは急すぎですよ。」
「ええーー??」
ねぇ善逸さん。
私にとって、色とりどりの綺麗なお花は、ただの白黒のつまらない花でしかないんです。
でも、貴方が連れ行ってくれるなら、きっと色を見れそうな気がするんです。
貴方を通してでしか見れない色を、見れる気がするんです。
私にとってのお月様。
私の世界の色は、全部全部、善逸さんが中心なんですよ。
なんて、重すぎてとても言えないですけど。
そんな言葉をぐっと飲み込んで、私は善逸さんを見つめる。
やっぱり彼だけが色づいていて、それはまるで花に群がる蝶のように、強く強く心惹かれたの。
・夢主は先天色覚異常を患っています。
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私の世界は、生まれた時からずっと白と黒の世界だけだった。
普通の人には見えるだろう赤、青、黄色の色とりどりの世界が、私には見えなかった。
先天性の病気だと医者に言われ、私は一生色というものを見れないのだと悟った。
普通の人には当たり前に見えているであろう、色付いた世界が、私にだけは見えない。
それが酷く悲しくて、寂しくて、私は何度も涙を流していた。
そんな私の前に、貴方は現れてくれたの。
「こんにちは名前ちゃん。」
「こんにちは善逸さん。」
1人で縁側にぼんやりと座っていると、突然誰かに声をかけられた。
聞き慣れたその声の主に笑顔で笑いかけると、彼はへにゃりと頬を緩ませて幸せそうに笑う。
そんな彼に釣られるように、私もまた笑顔を浮かべた。
「今日も来てくれたんですか?」
「当たり前だよォ!!名前ちゃんに会えるのが俺の今の生き甲斐だもん!!」
「ふふ、善逸さんたらお上手ですね。」
いつものやり取りが可笑しくて、クスクスと口元に手を当てて笑う。
善逸さんと出会ったのは、ほんの二ヶ月前。
昔から先祖代々藤の花の家紋を掲げる我が家は、小さな旅館を営んでおり、こうしてたまに訪れる鬼殺隊の方々に宿を提供している。
善逸さんもその1人だった。
善逸さんと初めて会った日のことは、私の中で色褪せない大切な思い出だ。
いつもの様に鎹鴉から鬼殺隊が一人やってくるとの連絡を受けて、宿の準備をして待っていた。
そうして夜にボロボロになってやってきた彼を初めて見た瞬間、私は息を飲んだのだ。
彼は髪も、服も、全身が色鮮やかな黄色に身を包んでいた。
そう、黄色。とても綺麗なお月様の色をしていた。
あの日、私は彼に見惚れてしまったのだ。
だって、今まで私の世界には白か黒しか存在していなかったのに、あの日、彼を見た瞬間だけ、彼だけが色づいて見ることができたのである。
それは今も変わらずで、私の世界は相変わらず白と黒のつまらない世界しか映さない。
でも、善逸さんだけは、何故か色づいて見えるのである。
こうして彼を見つめている時だけが、私に色というものを見せてくれる。
何故彼だけが色づいて見えるのかは分からない。
けれど、まるで運命の人とでもいうように、特別な存在である善逸さんが私にとって無くてはならない存在になるのは必然であった。
彼の隣にいる時が、何よりも幸せで、かけがけのない瞬間。
私に色を教えてくれた、大切な人。
でもそれは善逸さんにはまだ話せていない。
だって、善逸さんは女性にはみんなに優しい。
だからこれは私の片想いでしかない。
この想いはまだ言えない。だから、私の秘密もまだ、話せない。
「はい、名前ちゃん!」
そう言って善逸さんが差し出してきたのは小さな花束。
善逸さんはいつもここに立ち寄る時には必ずと言って良いほど何処からか花を摘んできてくれる。
残念なことにその花は白黒にしか見えないため、色は分からないのだけれど。
彼のその優しい気持ちがたまらなく愛おしくて、嬉しかった。
「また花を摘んできてくれたんですか?」
「うん!だって名前ちゃんお花好きでしょ?いつも喜んでくれるもんね!」
「ふふだってそれは……」
「それは?」
――それは貴方が私を想って摘んできてくれたものだから……
ぐっとその言葉を飲み込んで、私は花を受け取る。
大切に、愛おしそうに。
そうすると彼はとても嬉しそうにへにゃりと笑ってくれた。
「うへへ、俺がお世話になってる御屋敷の近くにね、花畑があるんだけど、それがすっごく綺麗なんだぁ!」
「……ねぇ、善逸さん。」
「なあに名前ちゃん?」
「今度、私もその花畑に連れて行ってくださらない?」
「ええ!もっちろんだよぉ!!いつ行く!?明日!?」
「ふふ、それは急すぎですよ。」
「ええーー??」
ねぇ善逸さん。
私にとって、色とりどりの綺麗なお花は、ただの白黒のつまらない花でしかないんです。
でも、貴方が連れ行ってくれるなら、きっと色を見れそうな気がするんです。
貴方を通してでしか見れない色を、見れる気がするんです。
私にとってのお月様。
私の世界の色は、全部全部、善逸さんが中心なんですよ。
なんて、重すぎてとても言えないですけど。
そんな言葉をぐっと飲み込んで、私は善逸さんを見つめる。
やっぱり彼だけが色づいていて、それはまるで花に群がる蝶のように、強く強く心惹かれたの。