最終選別~柱合会議まで
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――炭治郎side――
「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ。」
「あぁ……なんというみすぼらしい子供だ。可哀想にに。生まれて来たこと自体が可哀想だ。」
「殺してやろう。」
「うむ。」
「そうだな、派手にな。」
柱と呼ばれる人たちが、口々にそんな物騒な言葉を口にする。
だけど俺はそんなことよりも、禰豆子が何処にも居ないのが気掛かりで仕方なかった。
禰豆子!!禰豆子!!
禰豆子どこだ!!
善逸、伊之助、清隆、小羽、村田さん!!
唯一自由に動かせる首を動かして、キョロキョロと辺りを見回すが、近くに誰もいない。
自慢の鼻で気配を探ってみても、みんなの匂いは感じない。
俺と一緒に連行されたであろう禰豆子が心配で心配で仕方なかった。
*************
「――妹は俺と一緒に戦えます!!鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!!だから……」
「オイオイ、何だか面白いことになってるなァ。」
なんとか禰豆子が人を襲わない、害のない鬼であることを分かってもらおうと、炭治郎は柱たちに必死に説明しようとしていた。
そんな時、炭治郎の言葉を遮ってやって来た男に、炭治郎は絶句した。
「困ります不死川様!!どうか箱を手放してくださいませ!!」
「鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかィ。一体全体どういうつもりだァ?」
男の傷だらけの風貌にも驚いたが、なによりも炭治郎が驚いたのは、その男が持っている箱こそが禰豆子の入っている箱だったからだ。
「禰豆子!!」
「胡蝶様、申し訳ありません……」
「不死川さん、勝手なことをしないでください。」
穏やかな口調で咎めてはいるが、勝手な行動をする不死川に、しのぶは静かにだが怒っていた。
そんな時、何処からかバサバサと鳥の羽音が聞こえてきた。
すると一羽の鴉と雀が柱たちの前にひらりと降り立ったのだ。
「待って!!待ってください!!」
「今すぐその箱から手を離してください!!風柱様!!」
「――えっ!?小羽!?清隆!?」
突然現れた雀と鴉が、よく知った兄妹に化けた。
目の前で起きた信じられない出来事に、炭治郎だけが驚いていた。
柱たちは誰一人として動揺しておらず、寧ろ話に割って入ってきた二人に不死川は不機嫌そうに睨みつけてきた。
「何のつもりだぁ?てめぇらは関係ねえだろ。口出しすんじゃねぇ。」
「いいえ!彼女、竈門禰豆子に関しては、お館様は既に認知しています。それでも今まで干渉せずにいたのは、お館様の命令あっての事。勝手なことはなさらないでください。」
「ご理解いただけましたら、その箱を彼にお返しください。間違っても彼女を傷つけようなどとは……」
清隆が話している途中で、不死川が不意に刀の柄に手を添えた。
彼は目で追えぬ速さで刀を抜刀すると、中に入っている禰豆子ごと箱に刀を突き刺したのである。
「「!!」」
「鬼が何だって?坊主ゥ。鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ?そんなことはなァありえねぇんだよ馬鹿がァ!!」
ボタボタと、箱から禰豆子の血が染みて流れ落ちてきた。
それを見て、炭治郎と清隆が冷静でいられる筈がなかった。
足に力を込めて、炭治郎が駆け出す。
「俺の妹を傷つける奴は、柱だろうが何だろうが許さない!!」
「ハハハハ!!そうかい良かったなァ!!」
禰豆子を取り戻そうとする炭治郎を嘲笑うように、不死川はケラケラと笑う。
「やめろ!!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!!」
「!!」
向かってくる炭治郎を刀で斬ろうとして、義勇に横やりを入れられた不死川は、一瞬反応が遅れてしまった。
炭治郎に向けて横に斬りかかった一閃は避けられ、その勢いのまま炭治郎の強烈な頭突きをくらう。
不死川は額から血を流し、二人共、ほぼ同時に地面に倒れ込んだのだった。
「……っ、禰豆子ちゃん!!」
不死川が炭治郎に斬り掛かる際に放り出された箱は清隆が慌てて回収し、痛々しげに血を流す禰豆子を気遣うように彼女の名を呼んだ。
中から大丈夫だと返事をするように、カリカリと爪で木を引っ掻く音がして、清隆はほっと息をつく。
(不死川のクソやろ~~!!死ね!!バカ!!アホ!!ギョロ目!!俺が柱だったらてめぇに一発蹴り入れてやりてぇわ!!よくも禰豆子ちゃんを傷つけやがったな!!いつか絶対殴ってやる!!絶対にだ!!くたばれ!!いつかくたばれ!!足の小指を棚の角にぶつけてしまえ!!)
立場上そんなことを口にする訳にもいかず、清隆は心の中で盛大に毒づいた。
情けないことこの上ないが、視線だけはしっかりと恨みと怒りを込めて睨みつけていた。
「――禰豆子!!」
「大丈夫だ炭治郎。禰豆子ちゃんはここにいる。」
「清隆……!!」
炭治郎の横に箱を置いてやれば、彼は必死に箱ににじり寄り、縛られた後ろ手でもう渡さないとばかりに箱の肩紐をしっかりと掴んだ。
「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら、柱なんてやめてしまえ!!」
「てめェェ…ぶっ殺してやる!!」
不死川が炭治郎の頭突きやら言葉にキレて掴み掛かろうとしたまさにその時、お館様のご息女のお一人が凛としたよく通る声で言った。
「お館様のお成りです。」
「「!!」」
「よく来たね。私の可愛い剣士 たち。」
現れた人物がたった一言声を発しただけで、その場の空気が一気に張り詰めた。
「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ。」
「あぁ……なんというみすぼらしい子供だ。可哀想にに。生まれて来たこと自体が可哀想だ。」
「殺してやろう。」
「うむ。」
「そうだな、派手にな。」
柱と呼ばれる人たちが、口々にそんな物騒な言葉を口にする。
だけど俺はそんなことよりも、禰豆子が何処にも居ないのが気掛かりで仕方なかった。
禰豆子!!禰豆子!!
禰豆子どこだ!!
善逸、伊之助、清隆、小羽、村田さん!!
唯一自由に動かせる首を動かして、キョロキョロと辺りを見回すが、近くに誰もいない。
自慢の鼻で気配を探ってみても、みんなの匂いは感じない。
俺と一緒に連行されたであろう禰豆子が心配で心配で仕方なかった。
*************
「――妹は俺と一緒に戦えます!!鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!!だから……」
「オイオイ、何だか面白いことになってるなァ。」
なんとか禰豆子が人を襲わない、害のない鬼であることを分かってもらおうと、炭治郎は柱たちに必死に説明しようとしていた。
そんな時、炭治郎の言葉を遮ってやって来た男に、炭治郎は絶句した。
「困ります不死川様!!どうか箱を手放してくださいませ!!」
「鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかィ。一体全体どういうつもりだァ?」
男の傷だらけの風貌にも驚いたが、なによりも炭治郎が驚いたのは、その男が持っている箱こそが禰豆子の入っている箱だったからだ。
「禰豆子!!」
「胡蝶様、申し訳ありません……」
「不死川さん、勝手なことをしないでください。」
穏やかな口調で咎めてはいるが、勝手な行動をする不死川に、しのぶは静かにだが怒っていた。
そんな時、何処からかバサバサと鳥の羽音が聞こえてきた。
すると一羽の鴉と雀が柱たちの前にひらりと降り立ったのだ。
「待って!!待ってください!!」
「今すぐその箱から手を離してください!!風柱様!!」
「――えっ!?小羽!?清隆!?」
突然現れた雀と鴉が、よく知った兄妹に化けた。
目の前で起きた信じられない出来事に、炭治郎だけが驚いていた。
柱たちは誰一人として動揺しておらず、寧ろ話に割って入ってきた二人に不死川は不機嫌そうに睨みつけてきた。
「何のつもりだぁ?てめぇらは関係ねえだろ。口出しすんじゃねぇ。」
「いいえ!彼女、竈門禰豆子に関しては、お館様は既に認知しています。それでも今まで干渉せずにいたのは、お館様の命令あっての事。勝手なことはなさらないでください。」
「ご理解いただけましたら、その箱を彼にお返しください。間違っても彼女を傷つけようなどとは……」
清隆が話している途中で、不死川が不意に刀の柄に手を添えた。
彼は目で追えぬ速さで刀を抜刀すると、中に入っている禰豆子ごと箱に刀を突き刺したのである。
「「!!」」
「鬼が何だって?坊主ゥ。鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ?そんなことはなァありえねぇんだよ馬鹿がァ!!」
ボタボタと、箱から禰豆子の血が染みて流れ落ちてきた。
それを見て、炭治郎と清隆が冷静でいられる筈がなかった。
足に力を込めて、炭治郎が駆け出す。
「俺の妹を傷つける奴は、柱だろうが何だろうが許さない!!」
「ハハハハ!!そうかい良かったなァ!!」
禰豆子を取り戻そうとする炭治郎を嘲笑うように、不死川はケラケラと笑う。
「やめろ!!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!!」
「!!」
向かってくる炭治郎を刀で斬ろうとして、義勇に横やりを入れられた不死川は、一瞬反応が遅れてしまった。
炭治郎に向けて横に斬りかかった一閃は避けられ、その勢いのまま炭治郎の強烈な頭突きをくらう。
不死川は額から血を流し、二人共、ほぼ同時に地面に倒れ込んだのだった。
「……っ、禰豆子ちゃん!!」
不死川が炭治郎に斬り掛かる際に放り出された箱は清隆が慌てて回収し、痛々しげに血を流す禰豆子を気遣うように彼女の名を呼んだ。
中から大丈夫だと返事をするように、カリカリと爪で木を引っ掻く音がして、清隆はほっと息をつく。
(不死川のクソやろ~~!!死ね!!バカ!!アホ!!ギョロ目!!俺が柱だったらてめぇに一発蹴り入れてやりてぇわ!!よくも禰豆子ちゃんを傷つけやがったな!!いつか絶対殴ってやる!!絶対にだ!!くたばれ!!いつかくたばれ!!足の小指を棚の角にぶつけてしまえ!!)
立場上そんなことを口にする訳にもいかず、清隆は心の中で盛大に毒づいた。
情けないことこの上ないが、視線だけはしっかりと恨みと怒りを込めて睨みつけていた。
「――禰豆子!!」
「大丈夫だ炭治郎。禰豆子ちゃんはここにいる。」
「清隆……!!」
炭治郎の横に箱を置いてやれば、彼は必死に箱ににじり寄り、縛られた後ろ手でもう渡さないとばかりに箱の肩紐をしっかりと掴んだ。
「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら、柱なんてやめてしまえ!!」
「てめェェ…ぶっ殺してやる!!」
不死川が炭治郎の頭突きやら言葉にキレて掴み掛かろうとしたまさにその時、お館様のご息女のお一人が凛としたよく通る声で言った。
「お館様のお成りです。」
「「!!」」
「よく来たね。私の可愛い
現れた人物がたった一言声を発しただけで、その場の空気が一気に張り詰めた。