最終選別~柱合会議まで
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「――落ち着いたか?」
「……うん……」
あれからパニクって騒ぎまくる善逸をなんとか宥め、二人は共に次の任務の場所を目指して田んぼ道を歩いていた。
「善逸の気持ちも分かるが、雀を困らせたらダメだ。」
「えっ、困ってた。雀?何でわかるんだ?」
「いや、善逸がずっとそんな風で仕事に行きたがらないし、女の子にすぐちょっかい出す上にイビキもうるさくて困ってるって……言ってるぞ。」
「チュン。(すごいよ炭治郎くん。完璧に言葉理解してる!)」
まさか炭治郎が鳥語を理解できるとは思わなかった小羽は、やっと雀の姿でも言葉を理解してくれる人に出会えて感動していた。
対して善逸はあまり信用していないようだ。
「言ってんの!?鳥の言葉がわかるのかよ!?」
「うん。なんとなく。」
「嘘だろ!?俺を騙そうとしてるだろ!」
その時、清隆が言葉を発した。
今は鴉の姿なので、話せる言葉も片言になってしまっていた。
「カァァ!!駆ケ足!!駆ケ足!!炭治郎、善逸走レ!!共二向カエ次ノ場所マデ!!」
「ギャーーーーッ!!鴉が喋ってるっ!!」
「駆ケ足!駆ケ足!!」
突然清隆が言葉を発すれば、善逸は青い顔で仰け反った。
確かに人の言葉を話す鴉は珍しいが、そこまで驚くことはないと思う。
善逸は何もかも大袈裟に驚きすぎだと思う小羽であった。
******
それから炭治郎たちは道を歩き続けた。道なりに沿って山を登り、歩き続けていくと、一軒の屋敷に辿り着いた。
「血の匂いがするな……でもこの匂いは……「え?何か匂いする?」
「ちょっと今まで嗅いだことがな「それよりも何か音しないか?あとやっぱり俺たち共同で仕事するのかな。」
「音?」
――善逸くんよ、人の話しは最後まで聞いてから発言しようよ。
先ほどから炭治郎の言葉を遮りまくって、自分の言いたいことを喋っている善逸に、小羽は密かに心の中でそうツッコんだ。
すると近くでガサリと草が揺れる音がして、炭治郎たちは警戒してそちらを向いた。
するとそこには炭治郎たちよりも小さな年頃の男の子と女の子がいたのである。
「子供だ……」
「どうしたんだろう?」
「こんな所で何してるんだ?」
ビクッ!!
炭治郎が子供たちに事情を聞こうと近づこうとすると、子供たちはビクリと大きく肩を跳ね上げて怯えた。
ぶるぶると震えるその姿を見て、炭治郎はなんとか子供たちの恐怖心を和らげたいと思った。
(かなり怯えてるな……そうだ!)
「雀、協力してくれ。」
「チュン?(なぁに?)」
炭治郎は何を思ったのか、自分の肩に止まっていた小羽を掌に乗せると、それを子供たちの前に差し出した。
「じゃじゃーーん!手乗り雀だ!!」
「チュン!チュン!(ほらほら、怖くないよ~!)」
「…………」
「可愛いだろ?」
炭治郎の意図を汲み取った小羽は、子供たちを安心させようと、炭治郎の掌の上で羽を軽く羽ばたかせて踊ってみせた。
可愛らしい雀の動きに緊張が解けたのか、力が抜けたようにその場にへたり込んでしまう。
「何かあったのか?そこは二人の家?」
「違う……違う……ばっ……化け物の……家だ……」
子供たちの話を聞くと、どうやら子供たちが夜道を歩いていたところ、彼等の兄が鬼に攫われたらしい。
なんとかあとを追ってこの屋敷に辿り着いたのはいいものの、自分達ではどうすることもできずに途方にくれていたらしい。
しかもどうやらその兄は怪我をしているらしい。
ボロボロと涙を流しながら話す子供たちに、炭治郎は安心させるように微笑む。
「大丈夫だ。俺たちが悪い奴を倒して兄ちゃんを助ける!」
「ほんと?ほんとに……?」
「うん、きっと……」
炭治郎がそう言い掛けた時だった。
「グォオォォォオオォォオ!!!」
「「!!?」」
ポンポン、ポン!
獣と言うよりも、まるで化け物の呻き声のような咆哮が屋敷から響いてきた。
それと同時に鼓を叩いたような音も聞こえてきた。
あまりにも異様なその音に、善逸と子供たちは青ざめる。
けれど炭治郎だけは覚悟を決めた目をしており、子供たちをちらりと一瞥すると立ち上がった。
「善逸!!行こう!!」
「……っ」
善逸は真っ青な顔で全力で首を横に振って拒否の意を示した。
「………………そうか。わかった。」
「ヒャーーーッ!!何だよぉーー!!何でそんな般若みたいな顔するんだよぉーー!!行くよぉーーッ!!」
「無理強いするつもりはない。」
「行くよぉーーーッ!!」
炭治郎のあまりにも恐ろしい形相に怯えた善逸は、怖がりながらも行くことにしたらしい。
炭治郎は背中に背負っていた禰豆子の入った木箱を子供たちの前に置くと言った。
「もしもの時のためにこの箱を置いていく。何かあっても二人を守ってくれるから。」
「う、うん……」
「行くぞ善逸!」
「うぅうう」
子供たちを残して炭治郎は屋敷の中へと歩いていく。
その後ろを善逸がびくびくと震えながらついて行った。
そんな善逸の肩には小羽が乗っており、清隆は子供たちを案じて残ることにしたのだった。
「……うん……」
あれからパニクって騒ぎまくる善逸をなんとか宥め、二人は共に次の任務の場所を目指して田んぼ道を歩いていた。
「善逸の気持ちも分かるが、雀を困らせたらダメだ。」
「えっ、困ってた。雀?何でわかるんだ?」
「いや、善逸がずっとそんな風で仕事に行きたがらないし、女の子にすぐちょっかい出す上にイビキもうるさくて困ってるって……言ってるぞ。」
「チュン。(すごいよ炭治郎くん。完璧に言葉理解してる!)」
まさか炭治郎が鳥語を理解できるとは思わなかった小羽は、やっと雀の姿でも言葉を理解してくれる人に出会えて感動していた。
対して善逸はあまり信用していないようだ。
「言ってんの!?鳥の言葉がわかるのかよ!?」
「うん。なんとなく。」
「嘘だろ!?俺を騙そうとしてるだろ!」
その時、清隆が言葉を発した。
今は鴉の姿なので、話せる言葉も片言になってしまっていた。
「カァァ!!駆ケ足!!駆ケ足!!炭治郎、善逸走レ!!共二向カエ次ノ場所マデ!!」
「ギャーーーーッ!!鴉が喋ってるっ!!」
「駆ケ足!駆ケ足!!」
突然清隆が言葉を発すれば、善逸は青い顔で仰け反った。
確かに人の言葉を話す鴉は珍しいが、そこまで驚くことはないと思う。
善逸は何もかも大袈裟に驚きすぎだと思う小羽であった。
******
それから炭治郎たちは道を歩き続けた。道なりに沿って山を登り、歩き続けていくと、一軒の屋敷に辿り着いた。
「血の匂いがするな……でもこの匂いは……「え?何か匂いする?」
「ちょっと今まで嗅いだことがな「それよりも何か音しないか?あとやっぱり俺たち共同で仕事するのかな。」
「音?」
――善逸くんよ、人の話しは最後まで聞いてから発言しようよ。
先ほどから炭治郎の言葉を遮りまくって、自分の言いたいことを喋っている善逸に、小羽は密かに心の中でそうツッコんだ。
すると近くでガサリと草が揺れる音がして、炭治郎たちは警戒してそちらを向いた。
するとそこには炭治郎たちよりも小さな年頃の男の子と女の子がいたのである。
「子供だ……」
「どうしたんだろう?」
「こんな所で何してるんだ?」
ビクッ!!
炭治郎が子供たちに事情を聞こうと近づこうとすると、子供たちはビクリと大きく肩を跳ね上げて怯えた。
ぶるぶると震えるその姿を見て、炭治郎はなんとか子供たちの恐怖心を和らげたいと思った。
(かなり怯えてるな……そうだ!)
「雀、協力してくれ。」
「チュン?(なぁに?)」
炭治郎は何を思ったのか、自分の肩に止まっていた小羽を掌に乗せると、それを子供たちの前に差し出した。
「じゃじゃーーん!手乗り雀だ!!」
「チュン!チュン!(ほらほら、怖くないよ~!)」
「…………」
「可愛いだろ?」
炭治郎の意図を汲み取った小羽は、子供たちを安心させようと、炭治郎の掌の上で羽を軽く羽ばたかせて踊ってみせた。
可愛らしい雀の動きに緊張が解けたのか、力が抜けたようにその場にへたり込んでしまう。
「何かあったのか?そこは二人の家?」
「違う……違う……ばっ……化け物の……家だ……」
子供たちの話を聞くと、どうやら子供たちが夜道を歩いていたところ、彼等の兄が鬼に攫われたらしい。
なんとかあとを追ってこの屋敷に辿り着いたのはいいものの、自分達ではどうすることもできずに途方にくれていたらしい。
しかもどうやらその兄は怪我をしているらしい。
ボロボロと涙を流しながら話す子供たちに、炭治郎は安心させるように微笑む。
「大丈夫だ。俺たちが悪い奴を倒して兄ちゃんを助ける!」
「ほんと?ほんとに……?」
「うん、きっと……」
炭治郎がそう言い掛けた時だった。
「グォオォォォオオォォオ!!!」
「「!!?」」
ポンポン、ポン!
獣と言うよりも、まるで化け物の呻き声のような咆哮が屋敷から響いてきた。
それと同時に鼓を叩いたような音も聞こえてきた。
あまりにも異様なその音に、善逸と子供たちは青ざめる。
けれど炭治郎だけは覚悟を決めた目をしており、子供たちをちらりと一瞥すると立ち上がった。
「善逸!!行こう!!」
「……っ」
善逸は真っ青な顔で全力で首を横に振って拒否の意を示した。
「………………そうか。わかった。」
「ヒャーーーッ!!何だよぉーー!!何でそんな般若みたいな顔するんだよぉーー!!行くよぉーーッ!!」
「無理強いするつもりはない。」
「行くよぉーーーッ!!」
炭治郎のあまりにも恐ろしい形相に怯えた善逸は、怖がりながらも行くことにしたらしい。
炭治郎は背中に背負っていた禰豆子の入った木箱を子供たちの前に置くと言った。
「もしもの時のためにこの箱を置いていく。何かあっても二人を守ってくれるから。」
「う、うん……」
「行くぞ善逸!」
「うぅうう」
子供たちを残して炭治郎は屋敷の中へと歩いていく。
その後ろを善逸がびくびくと震えながらついて行った。
そんな善逸の肩には小羽が乗っており、清隆は子供たちを案じて残ることにしたのだった。