最終選別~柱合会議まで
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ザシュ!
「ぐあっ!」
ズバッ!
「ぎゃっ!」
山に入って数時間が経った。
歩く先歩く先で鬼に出会い、それの頸を斬り落としまくっては先に進んでを繰り返す。
この山に捕らえられている鬼たちはさほど強くないとはいえ、何年も人間を食っておらず、酷い飢餓状態になっていた。
だから人間の匂いを感じ取ったら、餓えた獣のように襲い掛かってくる。
一瞬でも油断したら、こちらが食い殺されてしまうだろう。
(……これを七日間耐え抜くのは、流石にしんどいな……)
いつ、どんな時に鬼に襲われるかわからない恐怖。そんな状態だから、迂闊に眠ったり食事を取る余裕すらなくなるだろう。
そういった精神面での審査もこの選別では見定められるのだろう。
小羽がふと空を見上げると、空が少しだけ明るくなってきていた。
(夜明けが近いな。何処か日の当たる所を探して、休もう。)
鬼が日の光を苦手とするお陰で、幸い明るいうちは休める。
今のうちに体力を回復しておきたい。
小羽がそんなことを考えていた時であった。
「ぎぃやぁぁぁあーーー!!」
耳を塞ぎたくなるような高音の悲鳴が、辺りの森に響き渡ったのである。
「わわっ!?えっ、何々?誰か襲われてるの!?」
小羽はそう判断すると、声のする方に向かって駆け出した。
草を掻き分け、木々を避けて進んでいくと、そこには数人の鬼の気配を感じた。
小羽はいきなりは飛び出さず、草むらに隠れるようにして様子を窺う。
そこには四人の鬼と一人の少年がいた。
黄色の鮮やかな羽織を着たその少年は、髪の色も羽織と同じように、鮮やかな太陽のような金髪をしていた。
(……異人さん?)
鬼に囲まれたその少年は木の上に登り、まるで蝉のようにすがりついて泣いていた。
「イイヤァァアアーーーー!!(汚ない高音)
死ぬ死ぬ!今度こそ死ぬぅ!!誰かたぁすけてぇぇーー!!」
「うるせぇガキだな。」
「でも旨そうだ。」
「イヤァァァーー!俺美味しくない!美味しくないよぉ!!」
……何やらとても元気な人だ。
あんな状態でよく舌が回るものだ。普通なら恐怖で言葉も出なくなりそうだけど……
(何にせよ、助けないと……)
小羽は刀を抜刀すると、深く深呼吸した。
「――星の呼吸、肆ノ型・星影!」
ザンッ!
「なっ!?」
小羽は鬼たちが少年に夢中で、自分の気配に気付いていないのをいいことに、素早く相手の視角に回り込んで、一人の鬼の頸を刎ねた。
「星の呼吸、伍ノ型・天ノ川!」
ザンッ!ズバッ!スパン!
そのまま流れるように次の技を放つと、小羽は一気に三人の鬼の頸を切り落としたのである。
「……ふう。」
小羽が一息つくと、ボトボトと刎ねた鬼の頸が地面に落ちた。
それをちらりと一瞥して確認すると、小羽は抜いていた日輪刀を鞘に収めた。
そして目が飛び出しそうな勢いで目を大きく見開き、プルプルと震えながら信じられないものを見る目でこちらを見つめている少年に話し掛けた。
「貴方、大丈夫?怪我してない?」
「あっ……うん。大丈夫……」
「そう。良かった。」
少年が無傷だと分かり、小羽は安堵したように微笑んだ。
すると漸く自分が助かったのだと自覚してきたのか、少年がボロボロと涙を流し始めた。
「た……助かったぁ~~!ありがとう!本当にありがとう!」
少年は素早く木を滑り降りてくると、小羽に感謝の言葉を言ってきた。
それに小羽は柔らかく微笑む。
すると、心なしか少年の頬が赤みを帯びた気がした。
「いいよ。無事で良かったね。」
「……け」
「?」
急に黙り込んでふるふると震え出した少年に、小羽は不思議そうに首を傾げた。
「結婚してくれーー!!」
「え、ええーー!?」
突然何を言い出すんだこの人は!?
小羽は突然求婚してきた少年にひどく困惑した。
すると少年は小羽の膝にしがみついて、すがりついてきた。
「お願いだよぉー!俺と結婚してくれーー!」
「いやいやちょっと待って!待っててば!何で急に結婚とかの話になるの!?君の中で一体何がどうゆうことになってそうなったの!?」
「俺はもうすぐ死ぬ!この最終選別で死ぬんだ!だからその前に結婚したいんだ!」
「意味が分かんないよ!?」
「とにかく結婚してくれーー!!」
それが、私と彼……我妻善逸との最初の出会いであった。
「ぐあっ!」
ズバッ!
「ぎゃっ!」
山に入って数時間が経った。
歩く先歩く先で鬼に出会い、それの頸を斬り落としまくっては先に進んでを繰り返す。
この山に捕らえられている鬼たちはさほど強くないとはいえ、何年も人間を食っておらず、酷い飢餓状態になっていた。
だから人間の匂いを感じ取ったら、餓えた獣のように襲い掛かってくる。
一瞬でも油断したら、こちらが食い殺されてしまうだろう。
(……これを七日間耐え抜くのは、流石にしんどいな……)
いつ、どんな時に鬼に襲われるかわからない恐怖。そんな状態だから、迂闊に眠ったり食事を取る余裕すらなくなるだろう。
そういった精神面での審査もこの選別では見定められるのだろう。
小羽がふと空を見上げると、空が少しだけ明るくなってきていた。
(夜明けが近いな。何処か日の当たる所を探して、休もう。)
鬼が日の光を苦手とするお陰で、幸い明るいうちは休める。
今のうちに体力を回復しておきたい。
小羽がそんなことを考えていた時であった。
「ぎぃやぁぁぁあーーー!!」
耳を塞ぎたくなるような高音の悲鳴が、辺りの森に響き渡ったのである。
「わわっ!?えっ、何々?誰か襲われてるの!?」
小羽はそう判断すると、声のする方に向かって駆け出した。
草を掻き分け、木々を避けて進んでいくと、そこには数人の鬼の気配を感じた。
小羽はいきなりは飛び出さず、草むらに隠れるようにして様子を窺う。
そこには四人の鬼と一人の少年がいた。
黄色の鮮やかな羽織を着たその少年は、髪の色も羽織と同じように、鮮やかな太陽のような金髪をしていた。
(……異人さん?)
鬼に囲まれたその少年は木の上に登り、まるで蝉のようにすがりついて泣いていた。
「イイヤァァアアーーーー!!(汚ない高音)
死ぬ死ぬ!今度こそ死ぬぅ!!誰かたぁすけてぇぇーー!!」
「うるせぇガキだな。」
「でも旨そうだ。」
「イヤァァァーー!俺美味しくない!美味しくないよぉ!!」
……何やらとても元気な人だ。
あんな状態でよく舌が回るものだ。普通なら恐怖で言葉も出なくなりそうだけど……
(何にせよ、助けないと……)
小羽は刀を抜刀すると、深く深呼吸した。
「――星の呼吸、肆ノ型・星影!」
ザンッ!
「なっ!?」
小羽は鬼たちが少年に夢中で、自分の気配に気付いていないのをいいことに、素早く相手の視角に回り込んで、一人の鬼の頸を刎ねた。
「星の呼吸、伍ノ型・天ノ川!」
ザンッ!ズバッ!スパン!
そのまま流れるように次の技を放つと、小羽は一気に三人の鬼の頸を切り落としたのである。
「……ふう。」
小羽が一息つくと、ボトボトと刎ねた鬼の頸が地面に落ちた。
それをちらりと一瞥して確認すると、小羽は抜いていた日輪刀を鞘に収めた。
そして目が飛び出しそうな勢いで目を大きく見開き、プルプルと震えながら信じられないものを見る目でこちらを見つめている少年に話し掛けた。
「貴方、大丈夫?怪我してない?」
「あっ……うん。大丈夫……」
「そう。良かった。」
少年が無傷だと分かり、小羽は安堵したように微笑んだ。
すると漸く自分が助かったのだと自覚してきたのか、少年がボロボロと涙を流し始めた。
「た……助かったぁ~~!ありがとう!本当にありがとう!」
少年は素早く木を滑り降りてくると、小羽に感謝の言葉を言ってきた。
それに小羽は柔らかく微笑む。
すると、心なしか少年の頬が赤みを帯びた気がした。
「いいよ。無事で良かったね。」
「……け」
「?」
急に黙り込んでふるふると震え出した少年に、小羽は不思議そうに首を傾げた。
「結婚してくれーー!!」
「え、ええーー!?」
突然何を言い出すんだこの人は!?
小羽は突然求婚してきた少年にひどく困惑した。
すると少年は小羽の膝にしがみついて、すがりついてきた。
「お願いだよぉー!俺と結婚してくれーー!」
「いやいやちょっと待って!待っててば!何で急に結婚とかの話になるの!?君の中で一体何がどうゆうことになってそうなったの!?」
「俺はもうすぐ死ぬ!この最終選別で死ぬんだ!だからその前に結婚したいんだ!」
「意味が分かんないよ!?」
「とにかく結婚してくれーー!!」
それが、私と彼……我妻善逸との最初の出会いであった。